K's Report!
このコーナーは、開発メンバーの知人の知人である「青年K」がモバイル赤道儀のテストを依頼され、その活用方法を探るべく展開した(時に無謀な)試行錯誤を記録したものです。これはあくまで青年Kの個人的な意見・感想ですのでご了承下さい。
新鏡筒・ウィリアムオプティクスWO-Star71を試す(前編)
今年の夏は「TP-2」をフルに使って、望遠・広角レンズでの撮影、はたまたモーションタイムラプスや星景写真を大量に撮ろうと張り切っていたのに…。良い天候と休暇の時期が噛み合わず、満足な結果を残すことが出来なかった。
こんな時は機材の手入れをしたり、溜まった画像を処理したり…。まぁそれも楽しいけど、新たな機材の物色というのも楽しみのひとつ。フトコロ具合にもよるけど、機材の更新は、モチベーションの維持・向上に大きく関係してると思うな。飽きっぽい性格もあるけど…(笑)
そんな楽しみの中のひとつに、ちょっと前から気になってた機材があった。もちろん「TP-2」にも使用できて、他にも使いみちが考えられるモノ。そしてソレを注文していたのね。
今年の春頃に発売のアナウンスがあり、その天体撮影適性に一目惚れしてしまった…。もちろん新製品だから、実写画像は無かった。だけど定評のあるメーカーが発表しているデータを見てね。
その機材とは、米国ウィリアムオプティクス社の 「WO-Star71」。イメージングアポと銘打つ、撮影することを主眼においた、小型の屈折望遠鏡だ。口径71mm焦点距離350mm、F4.9。小さい口径のくせにイメージサークルはφ50mm内外。ふれこみは、イメージサークル全面において20ミクロン以下の星像、90%以上の光量!5枚玉っていうのも、なんだかくすぐられる。
重量は単体でわずか2kg。フォーカスはもちろん減速微動。ラック&ピニオンってのも嬉しい。鏡筒バンド、カメラアダプターも付いてる。それでいて1000ドル以下。予約販売で購入したので、さらに割引。実際は、送料、関税込みで1000ドルを下回ったので、破格ではないか?
ソレが夏前にようやく手元に到着。しかしながら、不順な天候のおかげで少しだけ試写した後、実戦投入が遅れに遅れ、先ごろになってようやく2晩ほど続けて使用することができた。なかなかの撮影結果になったので、取り急ぎリポートなど・・・。
まずは鏡筒の概要。サイズなどはメーカーのWebで確認してもらうとして、気の付いた点ね。
フードが短いね。多湿の日本においてだけど、常にヒーター等の露除け対策が必要だと思う。
それと接眼回転部の造り・機構がちょっと…。非常に簡単に作られている感じ。フリーにした時には特に強く感じる。ま、締め付けちゃえば問題ないんだけど。
あとバッフル。数え切れないほど入っている。だけど、内側が「ちゃんとした」エッジになってないかも。カメラ外して逆光にして接眼部から覗くと、みーんな内側のエッジが光ってる。全部迷光ってわけ。これ最近の傾向だよね。バッフルの枚数だけやたら増やす…。枚数で勝負もいいけど、適切な位置に最小限の枚数で、しっかりエッジに加工したものが欲しい。
と、重箱をつついてみたけど、他はまず文句が無い。価格を考えればなおさら。イメージングアポと銘打つけど眼視も良い。よほど高倍率にしない限り「良く」見える。RFTとしてもオモシロい存在かも。ちなみにバックフォーカスがほとんど無いので、専用天頂プリズムか直視でのみ合焦します。
フォーカス操作もバックラッシュなど僅少に抑えられている。クランピングによる写野移動も及第だし、固定能力も高い。
数字で表せないのはゴメンってことで。色んな機材を使ってきての印象に過ぎないので…。本当はこれではいけないだろうけど、参考程度に、ね。雑誌などのテスト記事に期待して下され。
実際に使用してのリポートは後編に続く!