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K's Report!

このコーナーは、開発メンバーの知人の知人である「青年K」がモバイル赤道儀のテストを依頼され、その活用方法を探るべく展開した(時に無謀な)試行錯誤を記録したものです。これはあくまで青年Kの個人的な意見・感想ですのでご了承下さい。

TOAST Pro編 その40

待ってました!微動架台Dish-2!速攻実戦編(前編)

前々から、このコラムにて切望していたモノがあった。
そう!それは、極軸を合わせる際の、方位・高度の微調整用の架台
もちろんこれが有ったからといって、極軸合わせの精度そのものが上がるものではない。だけど、合わせるその場において、所要時間と精神的負担が格段に軽減される。最後の段階、微調整のときのイライラというか、もどかしさと言ったら実践派の人たちこそ共感できるよね。それを解消できれば…。

そして今、その回答としてTOAST TECHNOLOGYから極軸合わせ専用微動架台「Dish-2」が送られてきた!

実はプロトタイプ(?)のモノは使わせてもらっていたのね。以前のコラムの写真にも、時おり姿を出していたと思う。でね、使用感や欲しいスペック、改善すべき点とかをね、フィードバックしていたわけ。だから発売に際してはこれまでの新製品より、期待と言うか、思い入れがあったりする。

さて、その使い心地を試してみるとしますか!

まずは、外観。

いわゆる望遠鏡の微動装置とは構造がまったく違う。パラレルメカニズムと称されるもので、上下2枚の円形アルミ盤を3本のロッドがつないでいる。その3本のロッドにそれぞれ2つの調整用のノブを擁し、高さ調整と固定とを担っている。

パッと見て、そのメカニカル感に見とれるねぇ!梨地の渋めアルマイトとステンレスの素材から成る機械構成の妙は美しい。これぞTOAST TECHNOLOGYクオリティ!

それに手に取ったときの感触はいかにも精密機械。所有欲を満たすには充分。それでいて、軽い!測ったら、たったの297g!強度の確保と肉抜きを両立させたデザインは見事。

また操作部である、6個のノブの大きなエグリはしっくりと指に馴染み、回転・固定はとてもやり易そうである。この辺の細かな配慮は、実践を第一に考えているTOAST TECHNOLOGYブランドの真骨頂と言えるね。

下部ベース中央には3/8インチねじ(いわゆる太ネジってやつ)が切ってあり、雲台を取り外した三脚へ直にねじ込んで使う。3/8インチの大型ねじを採用したのは、三脚への直付けを促し強度を確保するためじゃないかな。

モバイル赤道儀TOAST Proとの接続は、円形プレート(左の写真でTOAST Pro本体に装着されているプレート)で行なう。

ここもアルカスイス規格接続で、と言いたいところだが、単に固定するためのものではなく、方位方向の粗動機構を兼ね備えた構造になっているのは大いに評価できるね。

この円形プレートを、事前にモバイル赤道儀TOAST Pro本体に、やはり3/8インチねじにて接続しておき、使用するときにDish-2へ、ポンとはめ込む。そして側面のストッパーねじで固定。

このストッパーねじの出来の良さも記しておきたい。

プロトタイプではモバイル赤道儀TOAST Proダブテールステージ固定ねじと共用だった。「Dish-2」になって、一本での固定力にやや乏しかった。
ところが、製品版となったら、ステンレス製でツマミの長さも充分、指に馴染むエグリの採用で、見違えるような、非常に固定力の高いモノに変更されていた!

たかがねじ一本と思われるかもしれないけど、重要な部分なので、あらためて書き留めた次第。

ここまでが、概観。
次は、実際にモバイル赤道儀TOAST Proを載っけてみて、操作性や強度を確認してみよう。 後編に続く 》

※この記事は2013年4月に掲載されたものです。TOAST Proは、現行モデル「TP-2」に継承されました

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