K's Report!
このコーナーは、開発メンバーの知人の知人である「青年K」がモバイル赤道儀のテストを依頼され、その活用方法を探るべく展開した(時に無謀な)試行錯誤を記録したものです。これはあくまで青年Kの個人的な意見・感想ですのでご了承下さい。
新製品 TP-2 前夜
1年ほど前、TOAST TECHNOLOGYスタッフから連絡があった。
次期新製品についての相談。まぁ、ここ数年テスターというカタチで、微力ながら協力できたかなぁなどと思っていたので、ここは当然か(笑)
話を聞くにつれ、その相談内容がどんなモンか分かってきた。次期新製品の求めるスペックをどこに落とすか?というもの。
それじゃあ、(無駄に)実戦経験豊富な(失敗も多い)一アマチュア天文家として、意見してやろうじゃないの!
新製品は「タイムラプス」撮影機能を大幅にアップした機材、ということがまず話の前提。
もう、ただ星を追うだけ、という機材を脱皮して、新たな写真の表現方法を模索・推進して行こうという気概が感じられる。
で、適当に(笑)欲しいスペックを羅列してみた。
- 天体撮影時の機能は旧製品の性能を維持する。
- もうちょっとの積載重量のアップ。
- 太陽時・月時スピードの追加。(以前不要と書いたが、あれば使う)
- 回転スピードの高速化・多段階化。
1. は当然のこと。いくら「タイムラプス」性能を付加・高性能化しても、本来の目的の天体撮影時の機能が落ちたら、製品としての魅力はなくなってしまう。
2. は、今のトコロ、オレの使い方では不足は感じられないんだけど、この際だから (笑)。余裕はあったらあったで、一向に構わない。
3. も、滅多に使わないものの、あったらあったで嬉しい機能。
4. は、「タイムラプス」の経験がそれほどでもないオレが絶対的なことを言うのもなんだが、回転が速いと、また違った表現が出来るんじゃないかと思ってね。希望最速は10分/360度にしといた。
つらつらと希望を言ったんだけど、まぁそんな簡単な話じゃないと思う。
例えば、速度に関して言えば、ステッピングモーターを使っている以上、あまりに速い回転は、すなわちトルクの落ち込みを意味する。極寒地での使用を実現してきたTOAST TECHNOLOGY製品群においては、これはかなりの危険を伴う。単純に供給電圧を安定させれば済む話のように思えるが、それには安定化回路・安定化電源が必要。それを用意出来るのか?
多段階化はコンピューター制御なので、簡単らしい。どのようなステップでくるのか?また、天体撮影向けの(対恒星時の)何倍、とかいう表現は一般向けではない。
それに機能だけじゃない。スピードアップすれば露出時間を短くせざるを得ない。
短時間で星は写るのか?長いと流れるもんね。星が対象じゃなければ関係ないが、今度は撮影枚数が膨大になる。例えば2秒露出・インターバル1秒なら、20コマ/分だ。1時間で1,200コマに達する。となるとメディアの容量や書き込み速度も考えないといけない。
ふー、なかなか難しいぜ。
でもまずは、ハード面でどのような新製品となって登場してくれるのか、楽しみにしていよう。