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K's Report!

このコーナーは、開発メンバーの知人の知人である「青年K」がモバイル赤道儀のテストを依頼され、その活用方法を探るべく展開した(時に無謀な)試行錯誤を記録したものです。これはあくまで青年Kの個人的な意見・感想ですのでご了承下さい。

TOAST Pro編 その42

みたび、パンスターズ彗星!

先日の撮影から一週間。不本意な撮影結果に、居ても立ってもおられず、再び出撃。八ヶ岳の麓、とあるスキー場付近に陣取った。
標高は1500m以上、天候は明け方に向けて良くなる傾向。到着時から強風。時折、機材がひっくり返るんではないか?と思われるほどの突風も吹いている。気温も夕方より、時を経るごとにどんどん下がっている。明け方には、氷点下の気配。天の川が昇って来るまでは、危険を冒さずに待機。

日付の替わる0時頃より撮影を始めるが、残念ながら突風のせいで、カメラは小きざみに振動し、機材そのものも転倒の危険・・・。

思い切って、彗星の撮影、一本に絞る。彗星の撮影に絞れば、北東の空が見えていればいいので、機材を風の弱いトコロへ移動出来る。この辺の臨機応変が利くのはモバイル赤道儀「TOAST Pro」システムならではのことだろう。

午前2時頃には、双眼鏡でパンスターズ彗星とみたびのご対面。
核光度はまた下がったか?!しかし広がりを持つ尾は健在。
午前3時過ぎ、高度も大きくなったので撮影開始。今回の撮影機材は2台体制。フルサイズセンサーのEOS 6DにはBORG 77EDを、そしてAPS-Cセンサー搭載のEOS Kiss X4にはタムロン70-200mmをそれぞれ組み合わせた。

結局、朝方まで風は収まらなかった。強い風のわりにはすっきりと「抜けた」空にはならなかったけど、この時期にしてはまぁまぁの空で撮影出来たかな。

BORGは補正レンズ無しの直焦だったので周辺が甘く、APS相当にトリミング。固有運動をキャンセルさせるため短時間露出・高感度設定。数で勝負!

2013年4月16日3h20m45s~Canon EOS 6DBORG 77EDISO:640090秒×12枚コンポジット処理TOAST Proにて自動追尾

タムロンは近傍のNGC-281との兼ね合いで、焦点距離135mmに設定、こちらも数勝負。

2013年4月16日3h10m30s~Canon EOS Kiss X4タムロン70-200mmISO:320090秒×4枚コンポジット処理TOAST Proにて自動追尾

結果はこんなところです。

タムロンの方は、風を避けたにもかかわらず、かなり影響を受けてしまいコマ数を稼げなかったのが残念。BORGの方は、尾がはみ出してしまっているように思えます。まだまだ撮影の対象としては、オモシロイものだと思います。

完成した画像は、彗星のコマを中心に12枚のコンポジット処理をしたので、星は線状になっているけど、ガイドミスではないので念のため。細かいガタガタは突風による振動が影響している。残念だけど、しかたがない。条件が良い時に、もう一回くらいリベンジを狙うか?

とまぁ、今日のところはこんな感じです。つづく・・・(かな?)

※この記事は2013年4月に掲載されたものです。TOAST Proは、現行モデル「TP-2」に継承されました

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