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モバイル赤道儀 HOMEK's Report ≫Dish-2速攻実戦編(前編)

K's Report!

このコーナーは、開発メンバーの知人の知人である「青年K」がモバイル赤道儀のテストを依頼され、その活用方法を探るべく展開した(時に無謀な)試行錯誤を記録したものです。これはあくまで青年Kの個人的な意見・感想ですのでご了承下さい。

TOAST Pro編 その40

待ってました!微動架台Dish-2!速攻実戦編(後編)

前編からの続き。

まずは雲台を取り外した三脚へ「Dish-2」を直接ねじ込む。

それぞれ微調整の効く伸縮ロッドが3本なので、どの方向で止まっても、それほど影響は無い。機構的には2本+ピボットでも用は足りるはずだが、こういった場面で3本であることが役立つ。

次に、あらかじめ円形プレートを装着しておいたモバイル赤道儀TOAST Proを上部の穴にスッポリとはめ込む。

ここで前述したステンレス製の固定ねじをキュッと締めるわけだけど、締めることによって円形プレートが下方に押さえ込まれ、充分な固定強度が得られる仕組みになっている。ガタはまったく無い。うん、いいねぇ。

グリグリと調整ノブを回してみる。
おーっ!素晴らしい回し心地。カラカラとでもなく、シブシブ?とでもなく、適度なテンションに滑らかさ、実に良い感触。
こういったコト、TOAST TECHNOLOGYブランドは大事にしているよね。

微調整出来る範囲は?というと、スマホのアプリを使いつつ限界まで傾けてみる。

非常にスムースな動きが可能なのは水平を中心に±5度程度。
それ以上に傾けると。
徐々にノブの回転は重くなり、±7.5度までは片方の指で何とかノブを回せる重さ。最終的に±9度までは傾けられるが、今度はノブが戻らなくなるくらい重くなってしまう。

この機材を使いこなすには、中心付近の±5度を使うのが良さそうだ。
実際の使用においても、モバイル赤道儀TOAST Pro本体のポーラアライメントホールやポーラファインダーであらかじめ、極軸望遠鏡の視野の中心付近に北極星を導いておくわけだから、特に問題は無いね。

下のノブが高さ調整用、上のノブが固定用を担っているわけだけど、まずは適当な角度を付けて固定してみよう。

微調整がうまく出来ても、固定する際にズレてしまっては意味がない。もちろん、完璧に留まるっていうのは、おそらくこの世に存在している同様な製品の中にも無いだろう。その度合いが問題なのね。実用になるか、ならないか?

同様な機構の製品で、マンフロットのものがあるのは周知。天文業界で最初に赤道儀の微動架台として紹介したのは、奇しくもこのWEBサイトだった。しかし、マンフロットのものは、動きがメチャメチャ渋く、さらに固定してもガタがある。これは(強力ではあるが)バネの反発力を利用して固定しているからにほかならない。これがクセモノで、固定出来たと思いきや、実は半固定みたいになっている。この「Dish-2」は、そのバネを排しているそうだ。

実はプロトタイプは、バネ方式を採用してあって、どうしても実戦に際し、不満が残った。実用新案という新しい機構にして、さぁどんなもんだろうか?

撮影時と同じような状況を再現し、カメラのライブビューで部屋の一点を拡大し、その挙動をみてみる。

望遠鏡の微動装置に慣れた身にとって、この3本ロッドによる微調整は、最初は戸惑う。が、ノブの回転角度と実際の動きとがとてもリニアに連動するので、すぐに慣れた。このリニアな連動は、実に気持ち良いねぇ。

下部ノブで、任意の位置へ目標を据えて、上部ノブで固定してみる…するとピタっと留まった!
固定の瞬間だけ、やや移動するように見えるが、ノブから手を離すと戻る。すなわち、任意の目標にロックオンされたわけ。そしてモバイル赤道儀TOAST Pro全体を揺すってみる。ガタ無し、アソビ無し!完全に固定された。こりゃなかなかいいぞ!

何度繰り返しても、結果は同じ。角度を付けても同じ。この“固定作業”という点についても、合格点です!

さて、屋内での確認作業は終わった。さぁ、次は実戦テストに移ろう!

※この記事は2013年4月に掲載されたものです。TOAST Proは、現行モデル「TP-2」に継承されました

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