K's Report!
このコーナーは、開発メンバーの知人の知人である「青年K」がモバイル赤道儀のテストを依頼され、その活用方法を探るべく展開した(時に無謀な)試行錯誤を記録したものです。これはあくまで青年Kの個人的な意見・感想ですのでご了承下さい。
ジンバルシステム実践編Part-5
撮影現場でのスタンバイ
さて、いよいよ実践投入するときが来た。
その前に、なんともう1セット、ジンバルフォークユニットが届いた。
今まで、2台同時の貸し出しは、受けたことなかったことを考えると、「たくさん撮りなさい、そして良さを伝えなさい」というメーカー側の意気込みがうかがえる。
ならば、応えましょう!並列ダブルジンバルシステムで!
メーカー側の意気込みを買うべく、半端な遠征は避けたい。連休を利用することを念頭に、一級の撮影地に的を絞り、機をうかがった。
梅雨時ということもあり、機会は限られて来そうに思えたが、思いのほか早く、それは訪れた。
高速を飛ばし、目的の撮影地まで急いだ。
月が沈むまで、やや時間がある。新機材投入の際のトラブルを避けるためには適当な時間。いつも通り、カメラ関係の機材を外気温に馴染ませるために、いち早く地面に転がす。
空を仰ぐと夕闇間近の西空に、くっきりと三日月をやや過ぎた月が浮かぶ。
うむ、手ごたえアリ!それに梅雨前線の北側に出たおかげで、梅雨時期特有の湿気の多い空気ではない。これならイケル!
で、組み立てに入る。
おっとその前に…以前にも書いたけど、クイックリリースクランプを取り付けた状態でも、ほとんど出っ張りとか無いから、運搬による破損のリスクもほぼ無し。ジンバルのフォークアームも、シンプルな造りながら堅牢・強固なので、運搬に何も心配は無い。
TOAST Pro関連の製品群はどれもそうなんだけど、撮影時はもちろん、それだけじゃなくて、その前段階や後段階のコトも考えて、デザインやシステム展開がなされているように思う。
使える機能は厳選してあり、故障・誤使用のリスクを抱えた余分なお飾りの(実践では使用しない・使用する術を持たない)機能は搭載しない。また、バランスが合わないから、といってウェイト使用によるバランス調整などという本末転倒な手段も採らない。可搬性の問われる製品に、なぜウェイトを組み合わせるのか…?
そうした状況下でのジンバルシステム導入。合理的で、スマートこの上ない。
いずれにしても、モバイル=可搬性・機動性・確実性の維持、の上にシステム群があるように思うね。
脱線した…。
組み立て時間は、いつも通りとても短い。たとえ今回のように、2台並列態勢となっても。三脚を広げて、各構成部品をアルカスイス規格のクイックシューに次々と滑り込ませてゆくだけ。最終的にカメラに、タイマーコントローラを装着するまでたったの5分。2台で10分だ。この、TOAST Proの「工具レス、ワンタッチ確実脱着」路線は定番にしなきゃダメっしょ!
今回はとりわけ、TOAST Proが2台、カメラが3台、レンズに至っては7~8本あるもんね。レンズは、シミュレーション時使用のモノと、それらに類するモノね。これらを、対象を変えるごとにいちいち、ねじ止め・緩めを繰り返してたら夜が明ける。アルカスイス規格のプレートを使用しているからこそのコトだよね。
TOAST Proの様々なアイデアは、他メーカーもすぐ真似して取り入れている。これまでの天文機材とは一線を画すコンセプトだから、なんでもないことでもこの業界では新しく見えるらしい。
さ、月がまだ残ってるけど、空が良いから撮影、始めよっと!夏至前後の夜は約6時間、ホント短いのです!
Part-6に続きます!