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K's Report!

このコーナーは、開発メンバーの知人の知人である「青年K」がモバイル赤道儀のテストを依頼され、その活用方法を探るべく展開した(時に無謀な)試行錯誤を記録したものです。これはあくまで青年Kの個人的な意見・感想ですのでご了承下さい。

TOAST Pro編 その23

ジンバルシステム実践編Part-2
シミュレーション パンケーキ・レンズ編

さて、シミュレーション。

事前に、知っておくことは数点。
バランスはどうか?
どの方向へも向けることができるか?
どういう風に使用するのが最適なのか?
ジンバルのメリットはどこら辺にあるのか?

撮影地に行く前に、部屋でシミュレーションね。これが結構楽しい。

超広角パンケーキレンズ

手始めは、Voightlander(フォクトレンダー)のColor Skopar 20mm f/3.5。わずか200g程度の、いわゆるパンケーキレンズ。
このレンズ装着の際は、タテヨコの切り替えが単独で出来ないので、市販のL字ブラケットを使用する。

聞いた話によると将来的に、タイマーコントローラー端子や電池蓋に干渉しない、専用のL字ブラケットを用意するそうだが、今回は市販のものね。

これを介し、ワンタッチにてあっという間にフォークアームに装着。この「ワンタッチ」という動作はとても重要で、実戦においても、例えば暗闇での構図変更とか、不意の天候急変の際の撤収作業に大いに役立つ。

で、まずはバランスを確認。ここでは便宜上、フォークアームをデフォルト位置(TOAST Proを北側から見て、ノブ2つが左、つまり東側となる位置関係)にして「左右」「上下」という言い方をさせてもらおうかな。適切な表現ではないかもしれないけど、わかり易いようにね。

カメラ重量はレンズを含めて700~1,200gくらいかな?エントリーモデルからハイエンドモデルまでのカメラボディを考えるとね。パンケーキで無い、他のレンズでも、24~50㎜クラスのレンズはこの範疇に入るね。

まず左右のバランスをみてみる。

この重量だとカメラ側が若干軽く、クランプを完全にフリーとすると、ちょこっと左に向いてしまう。しかし少しクランプを効かせてやるよう(いわゆるハーフクランプ)にすると、ピタッと任意の方向へ向けることが出来るようになった。もちろん懸案だった北天もね。

上下方向は、ややレンズ側に傾くが、極端なモノじゃあないね。こちらもハーフクランプにて充分対処出来てしまう。
ただファインダーを覗くとなると、全天どの方向でも快適というワケでもない。特に北天方向でね。
一方、東南~南~西南方向のいわゆる、もっとも撮影のし甲斐があり、撮影機会の多い範囲の方向では、とても覗き易い。

ファインダーの覗き易さというものは、極軸からの距離に関係する。極軸から離れれば離れた位置にファインダーがあれば、それは覗き易いものとなる。
でもね、カメラが極軸から離れると、今度はモーメントの問題が絡んでくる。ブレであるとか、強度の問題ね。強度や精度を落とさずに、使い易さをも追求した答えが、このジンバルシステムということなんだろうね。

というわけで、極軸からの距離が小さい自由雲台と比べると、覗き易さの範囲ははるかに拡大しているのは間違いない。

Part-3に続きます!

※この記事は2012年8月に掲載されたものです。現行モデル「TP-2」のマイナーチェンジに伴い、ジンバルフォークユニットの販売は終了しました

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