今年も残すところあと数日。
今日で仕事納めという方も多いのでは?
さて今日もモバイル赤道儀のユーザーからご質問が来ていますよ。
TTスタッフが出来る限りお答えしていきたいとおもいます。
では行ってみましょう!
【ユーザーQuestion】
TP-2でカメラを2台載せるのにはどうすればいいですか?
【TTスタッフからのAnswer】
おおっ、デュアルカメラシステムをご検討ですか!
お目が高い!
TP-2は、非常に高いトルクと剛性を有するモバイル赤道儀ですので、搭載時のバランスをきちんと取ることさえ注意して頂ければ、一般的な広角レンズをつけた2台のデジタル一眼レフカメラ(中型機)を搭載し、1回の追尾時間で2カットを同時に撮影することができます。
では、まずは、システムから行ってみましょうか!
今回は、TTスタッフが実践しているシステム例をご紹介することにしますね。
TTスタッフたちが使用するTP-2の多くは、利便性の面で、標準で付属するDovetail Stageから、人気のオプション「パンベース・クランプユニット」に換装しています。
「パンベース・クランプユニット」は、ステージが360度自由に回転し、どこの位置でも固定する事ができるので、回転機構がない自由雲台を使用した場合には、ボール機構とあわせることで、さらに自由なアングルを可能にしてくれます。
また、クランプはアルカスイス規格に準拠していますので、市販のカメラ周辺機器の多くがそのまま装着可能、なおかつシステムの大幅な軽量化にも寄与する、大変便利なオプションです。
次に、市販のロングプレート(アルカスイス規格)を用意し、その左右端に適切な大きさの自由雲台2個をそれぞれ接続します。
ちなみにTTスタッフは、搭載する機材によって、20センチから24センチの長さのロングプレートを使い分けています。
この自由雲台に、2台のカメラを取付け、最後にロングプレートを「パンベース・クランプユニット」へ固定します。
これでデュアルカメラシステムの完成です!
ここで注意しなければならないことは、左右のカメラのバランスを確実に取ってあげること。
「パンベース・クランプユニット」に換装したTP-2ならそれも簡単です。
クランプをゆるめ、ロングプレートを左右に動かしながら、左右のバランスがとれたところで、再びクランプするだけ。
見た目はかなりトップヘビーになりますが、このシステムは上下左右のバランスがほぼ完璧に取れますので、三脚さえしっかりしたものを使っていただければ、実に歩留まりの良い撮影が可能になります。
デメリットとしては、2台のカメラの構図を別々に合わせてからシャッターを切らなければならないので、実はあまり時短にはつながらないかも。
また、カメラ同士の間隔が近いので、構図を合わせるのにちょっと苦労することもありますね。
さらに、トップヘビーなので、カメラに触ったらどうしてもシステム全体が揺れるので、その振動が収まるまでしばし待つ必要がある点。
おなじく、重心が高くなるので、強い風などの影響を受けやすくなる点、などが挙げられます。
一方このシステムが威力を発揮するのは、なんといっても流星群の撮影でしょう!
予め2台のカメラのアングルを決めたら、タイマーリモートコントロールで、メモリーカードの容量がなくなるまで、完全自動追尾&自動撮影が可能になります。
自宅に戻ってからPhotoshopなどの画像処理ソフトで比較明合成すれば、満天の星空に、いくつもの流れ星が放射性に流れる作品を作ることができます。
しかも、2台同時に別々の空を狙っておけば、流星のヒット率も2倍、2倍!!!!
それ以外にも、実はタイムラプスムービーの撮影でも、デュアルカメラシステムが活躍します。
これは、また別の機会にご紹介しましょうか!