宮古島遠征 その① :井上普丘 様

オーバーホール、ありがとうございました。

その後宮古島の満天の星空の元、無事に撮影することができました。

 

使用したカメラボディは IR/UVカットフィルタを除去した Fujifilm X-E1です。
レンズは以下の3つを使用しました。

・AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G ED
・AF-S NIKKOR 24mm F1.4G ED
・AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VR II

ボディとレンズの間に Rayqual 製マウントアダプタを挟んでおり、その中に IDAS の IR/UV カットフィルタ UIBAR-III を入れています。

AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G ED では、マウントアダプタの介在にバックフォーカスが正規マウントから微妙に変わってしまうため、無限遠がピントリング上近距離の位置となってしまい、結果、周辺星像が放射状に伸びてしまう問題があります。
それ以外の2本のレンズでは、F4~5.6程度まで絞ることで、周辺まで点像を結びます。

 

夏の銀河≪広角版≫

夏の銀河≪広角版≫

使用したレンズは AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G ED。
星撮りの定番と言われる名レンズですが、どーも Rayqual のマウントアダプタとは相性が悪いようで最外周は放射状に星像が伸びます。

ピントリングが無限遠のところで丁度無限遠になるようバックフォーカスを調整しないと、こうなってしまうのでしょう。
Xマウントに限らず、マウントアダプタを介して他マウントで使用するときは、できるだけオーバーインフの余裕が少ないマウントアダプタを使用した方が良さそうです。絞っても改善せず。

しかしその広大な写野は魅力的で、APS-C のフォーマット下でも、地平線か天頂のベガまでを一望できます。散開星団M6/M7が没するまでの47枚をコンポジット

 

天の川下り、秋冬編

 天の川下り≪秋~冬編≫

途中からレンズに結露して、輝星が霞んじゃいました。(^^;
6枚コンポジット

 

広角(14mm) 撮影風景

撮影風景

レンズ:AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G ED
マウントアダプタ:Rayqual NFG-FX.T
自由雲台:梅本製作所 SL-50AZD
赤道儀:TOAST Pro
極軸設定用微動雲台:テレスコ工房 TK-ALZM-1
三脚:GITZO GT2542L

TOAST Pro の赤経ステージは、パンベースクランプユニットに換装済み。TOAST Pro – 自由雲台 – マウントアダプタ間は、それぞれアルカスイスタイプのクランプ・プレートで固定。レンズが異なること、蛇腹フード・ソフトフィルタが無いことを除き、基本構成は 24mm f/1.4 の撮影風景

 

余談ですが FUJIFILM X-E1、IR/UVカットフィルタ除去改造を行うと、ISO6400が常用できる天文用デジカメとして、非常に優れていると思います。
軽量ですから、ポタ赤向けでもあります。
ただ、改造前には殆ど出なかった熱ノイズが画面の1/4のエリアで発生するようになるため、ダークノイズ対策が必要です。

それにしても、1枚あたり僅か2~3分の露出でここまで写ると、ポタ赤でカバー出来る領域が大きく広がると思います。

 

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【TTスタッフ コメント】

井上さん、おかえりなさい。宮古島遠征の成功、スタッフ一同大変喜んでおります。

今回のメインカメラは、APS-Cサイズの大型センサーを搭載したミラーレスカメラ「FUJIFILM X-E1」、しかも IR/UVカットフィルタを IDAS の IR/UV カットフィルタ UIBAR-IIIに換装した天文バージョンということですが、TTスタッフ初めて聞きましたよ。

FUJIFILM X-E1は高画質で非常に評判のいいカメラとして、様々なジャンルのユーザーに人気の注目機種ですよね。

おっしゃるとおり、小型軽量のミラーレスカメラは、モバイル赤道儀と組み合わせた遠征撮影では非常に相性がいいといえます。

星のピント合わせは、いまやライブビューで行うのが常識になっていますので、光学ファインダーがなくても特に問題がなくなっています。

短時間露出のカットを大量に撮影しコンポジットする方法は非常に効果的です。

次回も井上さんが宮古島遠征で撮影された作品をご紹介しますよ!