カテゴリー : ユーザーのシステム

TP-2に大口径望遠レンズEF200㎜ F2Lを搭載する:Mr.Lee Jaerim

天体写真家のLee Jaerimさんから、TP-2のシステムアップ情報が届きましたのでご紹介しましょう!

Leeさんが新たに導入したのは大口径レンズ「EF200mm F2L」。

200mmながら、定価で85万円もするマニア垂涎のハイスピードレンズです。

2.5kgもあるこのレンズにEOS5D MarkIIIを接続した撮影システムの重さは、優に3kgを超えます。そのままでも自由雲台を介してTP-2に搭載することはできますが、安定した構図作りと追尾の歩留まりのためにバランスウエイトを介したシステムアップを行ったそうです。

Leeさんが運用しているTP-2は、特別仕様のガンメタリックカラー。

一晩で広角から望遠まで様々なレンズで撮影することから、標準仕様のパンベースクランプユニットをそのまま使うのがキモとのこと。

簡易赤緯軸として選んだのは、スカイメモS/T用の微動台座&アリガタプレートIIにスカイメモS用のバランスウエイトとシャフトです。アルカスイス準拠のパンベースクランプユニットには、そのままでは微動台座&アリガタプレートIIが接続できません。
そこでビクセンのプレートホルダーSXの裏側にアルカスイス準拠のクイックリリースプレート(長さ100㎜)をねじ止めすることで、簡易赤緯軸ごとアルカスイス準拠のユニットにまずは変身。
微動台座&アリガタプレートIIはいわゆるビクセン規格なので、そのままプレートホルダーSXに接続できます。
こうして重さ約3.5kgの大口径レンズとカメラを搭載するシステムアップが完了です。
EF200mm F2Lのデビューはこれからとのこと。
ぜひこのシステムで撮影した作品も拝見したいですよね、みなさん!!
そんなわけで、Leeさん宜しくお願い致します!!

TP-2にFS60CBを搭載 てアンドロメダ銀河を狙う!:Ikjune Kimさん

TVに映画、CMと海外ロケに出ずっぱりのTTスタッフたちですが、世界各地を飛び回りつつもTP-2はトラブルなく良い仕事をしてくれているようです。

気がつけば、すっかり秋の気配。

いまだTシャツ姿でロケの準備をしているTTスタッフのひとりも、ここ数日はさすがにソフトシェルを身にまといつつWorkstationのファンから排出される暖気に手のひらを向けています。

(そんなに寒いならTシャツやめればいいのに・・・)

 

さて、今回はTOAST TECHNOLOGYの海外代理店がある韓国から、TP-2ユーザーのKimさんに作品を投稿をいただきましたので早速ご紹介しましょう!

 

********** Kimさんのコメント **********

普段は、TP-2と単焦点レンズの組み合わせで天の川の写真を主に撮影しています。

今回は、タカハシのFS60CBを搭載してM31 アンドロメダ銀河を狙ってみました。

M31 アンドロメダ銀河]

– カメラ :FUJIFILM X-E3
– 望遠鏡 :Takahashi FS60CB with Reducer(255mm F4.2)
– 撮影露出:ISO6400、60sec、50 frames(30 dark frames)
– ソフト :DeepSkyStacker、Photoshop CS6(Astronomy tools、GradientXTerminator)
– 三 脚 :Manfrotto 190
– 追尾装置:TP-2
– 撮影日時:2018.10.12  22h00m
– 撮影場所:大韓民国忠清北道報恩郡(韓国中央部)

 

TP-2に搭載した撮影機材の重量は4.6kgです。

FS60CBにレデューサーを組み合わせ焦点距離255mm。カメラのイメージセンサーはAPS-Cタイプです。

 

1コマの露出時間は1分〜2分、よく追跡してくれました。

 

********** TOASTスタッフ **********

Kimさん、ご投稿ありがとうございます!

撮影地の報恩郡は、韓国中央に位置する忠清北道の南部にある郡です。撮影地のスナップ写真からは素敵な里山の風景が見て取れます。

Kimさんの撮影システムを簡単にご紹介しておきましょう!
アルカスイス準拠のベースクランプに換装したTP-2にスカイメモS、スカイメモT用微動台座&アリガタプレートを接続し簡易赤緯軸化しています。偏荷重状態にならないようバランスウエイトを用いたスタイルです。

極軸合わせには、QHYCCD社のPoleMaster(ポールマスター)を使用し、コンパクトでありながら高い追尾精度を実現する撮影システムを構築しています。

X-E3は約350gの小型軽量のミラーレス一眼。ちょうど1年前に発売されたレンジファインダースタイルのAPS-Cカメラです。

ちょっとマゼンタのカブリが強い印象ですが、追尾、画像処理ともにしっかりとしたレベルの作品に仕上げられています。

TP-2は、ジンバルや簡易赤緯軸などを組み合わせて、搭載機材のバランスさえうまくとってあげれば望遠レンズや望遠鏡を搭載した撮影も可能です。

次回はぜひ冬の星空に輝くフォトジェニックな天体も狙ってみてくださいね!

素敵な作品、ありがとうございます!

北米皆既日食:広田さん(ワイオミング州)

北米皆既日食の撮影に遠征されたTP-2ユーザーの広田さんから作品をご投稿頂きましたので早速ご紹介しましょう!

 

********** 広田さんのコメント **********

広田と申します。

Toastスタッフさんも行かれたようですが、私も前から計画していてWyoming州のShoshoniという片田舎に見に行ってきました。
焦点距離480mmの望遠鏡を使ったのですが、TP2のおかげで1/10秒のようなスローな露出でも全くぶれずに撮れました。

 

感度:ISO200 シャッター速度:1/320秒

感度:ISO200 シャッター速度:1/10秒

感度:ISO200 シャッター速度:1/200秒

 

<共通データ>

光学系 :Televue 70mm ED fl:480mm f:6.8
カメラ :OM-D E-M5 Mark2(直接焦点撮影)
微動架台:スカイメモS/T用微動雲台
微動雲台:BORG 片持ちフォーク式赤道儀
追 尾 :TP-2
撮影地 :ワイオミング州

 

 

********** TOASTスタッフ **********

広田さん、ご投稿ありがとうございます。

皆既日食撮影成功おめでとうございます!

センサーの小さなマイクロフォーサーズのカメラを使用することで焦点距離が35mm換算で2倍になりますので、撮影システム自体が大幅に小型軽量化できます。今回の広田さんのシステムでは1000mm近い焦点距離が得られています。

それでもトップヘビーになりがちな皆既日食用の撮影システムですが、あえて重いGITZOの金属製三脚(G226)を組み合わせ、しっかり脚元を固めていらっしゃる広田さんは、さすがですね~。

 

撮影地のワイオミング州ショショーニの緯度は43度ちょっとあり、国内での撮影よりも設置仰角が高くなりますが、微動架台としてスカイメモS/T用微動雲台を組み合わせて使いやすいシステムになっています。

TP-2の駆動モード切り替えスイッチには、誤作動を防止するためにご自身でカバーを装着されている点も手慣れていますね。

よく見ると、TP-2の裏面には何やらピンク色の付箋が貼られています。おそらく現地での設置手順などミスをなくすためのメモ書きなのでしょう。たった2分ちょっとのスペクタクルを確実にものにしようとする広田さんの手堅い準備が見て取れます。

また、皆既日食のクローズアップを狙う超望遠レンズでは、画角が極端に狭くなるため自由雲台ではフレーミングが困難になります。

そこでBORG 片持ちフォーク式赤道儀を微動雲台として利用し、太陽を正確にカメラの画角中心に導く工夫をされています。

こうした細かい配慮の数々が、最終的に撮影の成功へと繋がるわけです。

臨場感あふれる皆既中のスナップ写真もいいですね~。

TP-2を存分に活用してくださって、スタッフ一同感激です!

30秒露光×128枚で総露出1時間オーバー:平野さん

井の頭公園の南側では、早咲きの桜が観光客の目を楽しませているようです。

その周辺では実に多彩な国々からの観光客を見かけますが、彼らの目当ては「三鷹の森ジブリ美術館」。

いつも行列が絶えない人気の観光スポットですが、こんな近くで仕事をしているTOASTスタッフたちは、だれも訪れたことがないという未知の場所です(笑)。

さて、超高感度撮影が可能なSONY α7S。その天体改造モデルをつかい、短時間露光で大量の静止画素材を撮影し、ステラナビゲーターのスタック処理で見事な作品づくりをされている平野さんから近況が届きましたので早速ご紹介しましょう!

 

********** 平野さんのコメント **********

平野と申します。
先週末、撮影に出かけてきました。
場所は前回と同じ山梨県鳴沢村です。
というかいつもここです。

今回は前回の反省を生かしてジンバル雲台に戻しての撮影にしました。
幸い一晩中風もなく、安定して撮影することができました。

3月になりさすがに冬の星座もシーズンが終わるころですが、
前回露出不足で投稿するに至らなかったかもめ星雲を送付します。

[IC2177 Segull Nebula(かもめ星雲)]

カメラ:α7S(天体改造モデル)
光学系:BORG90FL + レデューサーx0.72 + LPS-D1フィルタ
感 度:ISO 25600
露 出:30秒 × 128枚
後処理:ステライメージ7でスタック (トリミングなし)
追 尾:TP-2

1時間以上の露出をかけるとだいぶ滑らかになりますね。
もっと広範囲に赤い星雲が広がっているようなのですが、フラット補正がまだできていないため
この程度の処理になりました。
今年中にはフラット補正をきちんとマスターしたいと思っています。

 

[本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星]

カメラ:α7S(天体改造モデル)
光学系:BORG90FL + レデューサーx0.72 + LPS-D1フィルタ
感 度:ISO 25600
露 出:30秒 × 69枚
後処理:ステライメージ7でスタック (720mm相当までトリミング)
追 尾:TP-2

 

こちらは本田・ムルコス・パジュサコバ彗星です。

彗星というと明け方か日没直後にしか撮れないというイメージがあったのですが、ヘンな名前に惹かれて撮ってみました。
初めての彗星撮影の割にはよくできたかなと思っています。

さすがにイオンテイルも短くなっているので、こちらは720mm相当までトリミングをしました。
計35分間の露出を恒星基準でスタックしていますが、地球から離れたこともあり彗星の核の移動は気にならないレベルでした。

 

( カメラ:α6300 / レンズ:Samyang 12mm F2.0 NCS CS(開放) / 感度:ISO4000 / 露出:20秒)

 

この日は一晩中天気に恵まれ、明け方にはさそり座を見ることができました。
こちらは撮影時の様子です。

ちなみにα6300のほうはタイムラプス専用として使っています。

普段は星空タイムラプスですが、次回は星空を追うTP-2を主題にしてタイムラプスを撮ってみようかと思っています。

天体撮影的にはまだまだ寒い時期が続きますが、お体にお気をつけください。

寒さの中での野辺山でのタイムラプス映像がどこかで見られるようでしたらぜひ告知をお願いします。

 

***** TOASTスタッフ *****

焦点距離360mmの超望遠レンズをジンバルフォークユニットでTP-2に搭載、さらにPole Masterを使った極軸合わせにより、歩留まりの良いインターバル撮影(同じ画角での連続撮影)システムを構築されている平野さん。

カメラの設定感度はなんとISO25600です!通常ならノイズまみれのはずが・・・

ここに平野さんがこだわるテクニックが凝縮されています。

手のひらに乗る小さな追尾装置に4キロを超える機材を搭載しての撮影、しかも前後に長い望遠鏡は適切なバランス調整や風による振動の影響なども配慮しなければなりません。もちろん長い焦点距離のレンズでは極軸合わせもかなりシビアになります。

そこでISOを25600まで上げて1枚の露出時間をわずか30秒に切り詰めて撮影することで、1時間を超える連続撮影でも高い歩留まりを維持しながら128カットもの撮影を成功しているのです。

これを1カット2分露出にすれば撮影カット数は1/4で済む計算になりますが、歩留まり率は下がります。

平野さんは、光量不足やノイズなどを後工程のスタック処理でどこまでまかなえるかを事前に判断し、撮影時の歩留まりを出来る限り良くするためISO25600の30秒露光という絶妙な値を導き出しているわけです。

それにしても最後のスナップ写真、TOASTスタッフたちも大喜びでした!

カッコイイ!!!!

 

野辺山で撮影されたタイムラプス映像についてはテレビで放送される予定ですのでオンエアが決まったらここでご案内させていただきますね!

天文雑誌でもこれからタイムラプス作品に注目していくらしいので、ぜひ平野さんも作品づくりにチャレンジしてみてください。

簡易ジンバルシステムで128カットの撮影に挑戦!:平野さん

先週は太平洋側では比較的良い天候が続きましたね。
TOASTスタッフのカメラマンの一人は、長野県にある国立天文台野辺山宇宙電波観測所で夜のタイムラプス撮影に勤しんでいましたが、夜の気温はマイナス13度まで低下し、バッテリー性能がどんどん低下していって大変だったそうです。

極寒の地でのタイムラプス撮影は、カメラバッテリーの保温対策をしていても万全とは行きません。カメラはもちろんカメラワーク用のTP-2やレンズヒーターなど、どれかひとつでもバッテリーが死んでしまうと撮影は途端に失敗となるからです。

それにしても冬の野辺山は本当に寒いところですよ。スナップ写真を見せてもらいましたが、撮影機材はアラスカでのロケ並に真っ白く凍り付いていました・・・。

さて、前回に引き続きTP-2ユーザーの平野さんから作品を投稿頂きましたので、早速ご紹介しましょう!

 

********** 平野さんのコメント **********

平野と申します。
先月の新月期も撮影に出かけてきました。

TP-2とBORG

今回はより可動域を広げるべく、水平部と垂直部ともより長いアルカスイスのレールに変更してみました。

狙い通り北側の死角は減ったのですが、やはりレールを長くすると途端に風に弱くなりますね。

特にこの日は風が強かったため、歩留まりが悪化してしまいました。

 

バラ星雲 (TP-2)
【 バラ星雲 】

カメラ:α7S(天体改造)
光学系:BORG 90FL + レデューサー 360mm F4
フィルター:LPS-D1
感度 :ISO25600
露出 :30秒 ×64枚(ステライメージ7でスタックおよび各種処理)
追尾 :TP-2
撮影地:山梨県鳴沢村
撮影日:1月27日

馬頭星雲(TP-2)
【馬頭星雲】

カメラ:α7S(天体改造)
光学系:BORG 90FL + レデューサー 360mm F4
フィルター:LPS-D1
感度 :ISO25600
露出 :30秒 ×64枚(ステライメージ7でスタックおよび各種処理)
追尾 :TP-2
撮影地:山梨県鳴沢村
撮影日:1月27日

 

今回は128枚でのスタックを目指して1時間以上時間をかけたのですが、半分近くのカットが風に流されてしまい結局前回同様64枚での画像処理となってしまいました。

この構成でバランス自体はとれているのですが、南天の対象を狙うときは無理せず前回の構成のようにジンバル雲台を使って重心を下げるほうがよさそうです。

 

***** TOASTスタッフ *****

平野さん、前回に続き素晴らしい作品をご投稿いただきありがとうございます!

今回は合計30分を超える露出時間で星雲の細部まで表現されています。

ジンバルフォークユニットではなくバーティカルレールクランプとロングレールプレートを組み合わせ簡易的なジンバル雲台システムを構築されています。

海外ロケの仕事が多いTOASTスタッフの一人も同様のシステムを必ず機材の中に忍ばせていますが、アルカスイス準拠のロングプレートは薄い板状のパーツですので、周囲の振動や風の影響をもろに受けてしまいます。

海外遠征など持っていく荷物を減らさなければならないときには、簡易的なジンバルシステムとして大活躍しますが、長さの短い中望遠レンズで使用するのがオススメです。

特に前後に長い望遠鏡は、一度振動を受けてしまうと揺れが収まるまでかなりの時間を要しますので要注意でしょう。

平野さんの機材と撮影スタイルであれば、ジンバルフォークユニットによるシステムを強くオススメします。

それにしてもα7Sの天体改造版、なかなか良いですね~!
一眼レフに比べて圧倒的に軽量化できますし、それでいてフルサイズ機。

次はどの天体を狙うんでしょうか?

TOASTスタッフ一同楽しみです!