ポーラファインダー暗視野照明装置のファインチューニング:アストロ様

TOAST Proユーザーのアストロさんから、ポーラファインダーの暗視野照明装置に関するちょっとしたアイディアを投稿いただきましたので早速ご紹介しましょう。

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正確なガイドを必要とする200~300mm級の望遠レンズで撮影する場合は、ポーラファインダーのレチクルパターンに描かれた3つのポイントに、指定された3つの星を導入すると、正確な極軸セッティングが可能になります。

ポーラファインダーのレチクルパターンは、暗視野照明装置の赤いLEDライトによって星空に浮かび上がって見えます。
機構が単純で安価な「明視野照明方式」を採用するメーカーが多い中、TOAST Proのポーラファインダーは、圧倒的に使いやすいといえます。

しかし、ポーラファインダーの暗視野照明装置の調光スイッチを回して明るさを最小にしても、北極星以外の2つの星は、星の光が相対的に暗いため、レチクルパターンが明るく感じる、という経験はありませんか?

今回は、ポーラファインダーの暗視野照明装置に関するファインチューニング法をご紹介します。

 

北極星は十分な明るさがあるので簡単に導入できますが、こぐま座のδ星とケフェウス座51の2つの星は、どちらも明るさが4等星以下と暗いため、調光を最小にしてもLEDが明るすぎてよく見えないことがあります。

「バッテリーが弱くなってくるとLEDが暗くなってちょうどいいのに・・・」、

簡単に言えば、この状態を新品のバッテリーの時にも再現出来ればいいわけです。

 

暗視野照明装置をポーラファインダー本体から取り外すと、内部の機構を見ることができます。
レチクルパターンが描かれたガラスのちょうど真横に楕円形の小窓(スリット)が開いているのがわかります。

私の場合は、この小窓に遮光用の黒テープを貼って、小窓に入る光の量を調整しています。

非常に狭いスペースに、小さく切った遮光テープを貼るのは難しいようですが、ピンセットを使えば意外に簡単です。

 


この遮光処理をしてから、ポーラファインダーの暗視野照明装置を調光すると、光量がちょうどよく抑えられ、こぐま座のδ星とケフェウス座の51星の光が、ノーマル状態よりはるかによく見えるようになります。

ちょっとした工夫ですが、効果は絶大です。

もちろんこうした改造は、ファインチューニングとはいえ自己責任の範疇で。

以上、ワンポイントアドバイスでした。

 

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【TOAST Staff コメント】

アストロさんのアイディア、「Enjoy TOAST」の「K’sリポート」でおなじみの青年K氏が早速試したようですが、確かに効果は絶大だったそうです。遮光の量を多めにして、暗視野照明装置の調光スイッチをMAXにした時にちょうどいいようにすると、ディマー操作をしなくて済むので使いやすいらしいですよ。

多少の分解を伴うので、メーカーとしてはあえて推奨はしませんが、遮光テープはいつでも剥がせるので、ファインチューニングとしては、リスクも少なく済みますね。

お試しの際には、ポーラファインダーの内部にテープを落としてしまったり、不用意に内部のレチクルユニット(セル)を動かしてしまわないようご注意ください。セルがわずかでも動いてしまうと、ポーラファインダーの精度が出なくなります。

ファインチューニングとはいえ自己責任の範疇で、ですね。