先週は太平洋側では比較的良い天候が続きましたね。
TOASTスタッフのカメラマンの一人は、長野県にある国立天文台野辺山宇宙電波観測所で夜のタイムラプス撮影に勤しんでいましたが、夜の気温はマイナス13度まで低下し、バッテリー性能がどんどん低下していって大変だったそうです。
極寒の地でのタイムラプス撮影は、カメラバッテリーの保温対策をしていても万全とは行きません。カメラはもちろんカメラワーク用のTP-2やレンズヒーターなど、どれかひとつでもバッテリーが死んでしまうと撮影は途端に失敗となるからです。
それにしても冬の野辺山は本当に寒いところですよ。スナップ写真を見せてもらいましたが、撮影機材はアラスカでのロケ並に真っ白く凍り付いていました・・・。
さて、前回に引き続きTP-2ユーザーの平野さんから作品を投稿頂きましたので、早速ご紹介しましょう!
********** 平野さんのコメント **********
平野と申します。
先月の新月期も撮影に出かけてきました。
今回はより可動域を広げるべく、水平部と垂直部ともより長いアルカスイスのレールに変更してみました。
狙い通り北側の死角は減ったのですが、やはりレールを長くすると途端に風に弱くなりますね。
特にこの日は風が強かったため、歩留まりが悪化してしまいました。
カメラ:α7S(天体改造)
光学系:BORG 90FL + レデューサー 360mm F4
フィルター:LPS-D1
感度 :ISO25600
露出 :30秒 ×64枚(ステライメージ7でスタックおよび各種処理)
追尾 :TP-2
撮影地:山梨県鳴沢村
撮影日:1月27日
カメラ:α7S(天体改造)
光学系:BORG 90FL + レデューサー 360mm F4
フィルター:LPS-D1
感度 :ISO25600
露出 :30秒 ×64枚(ステライメージ7でスタックおよび各種処理)
追尾 :TP-2
撮影地:山梨県鳴沢村
撮影日:1月27日
今回は128枚でのスタックを目指して1時間以上時間をかけたのですが、半分近くのカットが風に流されてしまい結局前回同様64枚での画像処理となってしまいました。
この構成でバランス自体はとれているのですが、南天の対象を狙うときは無理せず前回の構成のようにジンバル雲台を使って重心を下げるほうがよさそうです。
***** TOASTスタッフ *****
平野さん、前回に続き素晴らしい作品をご投稿いただきありがとうございます!
今回は合計30分を超える露出時間で星雲の細部まで表現されています。
ジンバルフォークユニットではなくバーティカルレールクランプとロングレールプレートを組み合わせ簡易的なジンバル雲台システムを構築されています。
海外ロケの仕事が多いTOASTスタッフの一人も同様のシステムを必ず機材の中に忍ばせていますが、アルカスイス準拠のロングプレートは薄い板状のパーツですので、周囲の振動や風の影響をもろに受けてしまいます。
海外遠征など持っていく荷物を減らさなければならないときには、簡易的なジンバルシステムとして大活躍しますが、長さの短い中望遠レンズで使用するのがオススメです。
特に前後に長い望遠鏡は、一度振動を受けてしまうと揺れが収まるまでかなりの時間を要しますので要注意でしょう。
平野さんの機材と撮影スタイルであれば、ジンバルフォークユニットによるシステムを強くオススメします。
それにしてもα7Sの天体改造版、なかなか良いですね~!
一眼レフに比べて圧倒的に軽量化できますし、それでいてフルサイズ機。
次はどの天体を狙うんでしょうか?
TOASTスタッフ一同楽しみです!