天体写真家の飯島裕さんから、去る2012年8月12-13日に撮影されたペルセウス座流星群の作品をお送りいただきましたので、早速ご紹介しましょう。
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【飯島さんのコメント】
今回のペルセ群の時は、どこも天気が悪そうで、どこで撮影するか悩みましたね〜
結局南アルプスの入笠山近くで撮影しましたが、標高の高いところに行ったのが正解でした。
とはいえ、たえず下から押し寄せて来る雲には悩まされましたよ。
この写真は月が昇る前から星野に構図を合わせ、赤道儀で2時間くらい連続撮影したコマから流星の写ったものを合成しています。どのコマにも雲が写っていて、1コマに合成するのは少々大変でした。
月に照らされた雲が不自然にならないような階調に仕上げてみました。
「2012年8月12-13日のペルセウス座流星群です。
30秒露出の8コマを合成しました。」
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【TOAST Staff コメント】
いやぁ~、このヘブンな雰囲気は何でしょう!
こんなペルセウス座流星群の作品には、お目にかかったこともございません。
ため息が出るほど、美しい・・・。
飯島さんのセンスが見事に1枚に凝縮された素晴らしい作品です。
みなさん、しばし部屋の電気を消して、ご堪能くださいませ。
・・・どうです?ため息しか出ないでしょう?
天体写真家の飯島さん、いつものジプシースタイルで、この日も数百キロの距離を愛車で大移動しての撮影です。
当日の朝まで、GANREFのワークショップで長野県の木曽で仕事をしていた飯島さんですが、その晩のペルセウス座流星群の極大をどこで撮影するのか決めかねていたそうです。
一旦、東京の事務所に戻ってから体制を整えつつネットの天気予報で情報収集、再び中央道を北上して入笠山まで遠征されたとのこと。さすがプロの仕事っぷりは違いますね!
さて、この夜の飯島さんは、12mm F2.0レンズを付けた愛機「OLYMPUS OM-D E-M5」を、モバイル赤道儀TOAST Proに搭載して追尾撮影を開始。
あとは、カメラが自動的に30秒毎の露出を繰り返してくれるという、撮影スタイルです。
その間は、しばしコーヒータイムでも(笑)。
銀塩カメラの時には、フィルムが最大でも36カットしか撮影できませんでしたから、高感度フィルムを一晩に何本も交換をしなくてはなりませんでした。レリーズでシャッターを切るのももちろん手動です。
高感度のフィルムを使った場合でも、肉眼で見て、よほど明るく、かつゆっくりとした流星しか写りませんでしたから、それこそ何台もカメラを用意し夜空のあちこちに向けて、明るい流星が横切る確率を高めるくらいしか対策がありませんでした。流星は夜空のどこにいつ流れてくれるかわからないからです。
デジタル一眼レフカメラになってから流星の撮影スタイルは大きくかわりました。
フィルムに比べてセンサー感度が高くなった分、それほど明るい流星でなくても写ってくれますし、大容量のフラッシュメモリカードなら一晩に千カット以上の撮影も可能です。
そしてTOAST Proをつかえば、星を何時間ものあいだ自動で追いかけてくれます。
さらにタイマーリモートコントローラーを併用することで、TOAST Proに乗せたカメラは、同じエリアの星空をひたすら連続撮影し続けます。
すると、同じ画角(星空)を連続撮影した数百枚ものカットが得られますよね。
例えば、1枚目と900枚目を比べてみても、星の位置は全く同じです。その中から流星が映っているカットを複数選び出し、Photoshopなどの画像処理ソフトを使ってコンポジット(合成)処理をすれば、背景は変わらず、画面のあちこちに流星が流れる光景を、1枚の作品としてつくり上げることが可能です。
コンポジット処理(合成)をしたとしても、画像に写った流星の光跡は、実際に夜空を流れた位置になりますから、流星群か散在流星かの判定にも使えますね。
どうです?モバイル赤道儀とデジタルカメラを組み合わせると、こんなふうに肉眼では決して見ることができない風景を作品に変えることができるんです。
来る12月13日の午前2時ごろ、「ふたご座流星群」が極大を迎えます。
みなさんもぜひ、モバイル赤道儀TOAST Proを使って、流星群のコンポジット作品にチャレンジしてみてはいかがですか?
飯島さん、「ふたご座流星群」の作品もTOASTスタッフ一同、楽しみにしておりますよ!