EOS 60Da&EF180mmによる干潟星雲(M8)と三裂星雲(M20):RedLily様

twitterがきっかけでモバイル赤道儀TOAST-Proを導入されたRedLily様から、天体撮影モデルのデジタル一眼レフカメラ「EOS 60Da」とマクロ望遠レンズ「EF180mm F3.5L」を組み合わせた作品をご投稿いただきましたので早速ご紹介しましょう。
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初めまして。
6月中頃にTOAST Proグリーンカラーモデルを購入したRedLilyと申します。

実はTOAST Pro発注前日にCanon EOS 60Daを注文したのですが・・・EOS 60Daが届いたのが8月中旬、その間はEOS 7Dで追尾撮影の練習?に勤しんでおりました。

私は風景を撮る事がほとんど無く、専らマクロ撮影かレース撮影のため長いレンズばかり所有しています。そんな理由で重量のある望遠レンズでも使えるポータブル赤道儀を探していた所、twitterで教えてもらってTOAST-Proと出会いました。

・・・と、いうことでまずは長いレンズの作例を送付させていただきます。

極軸望遠鏡を使っての極軸合わせは初めてだったのですが、予想以上の出来で驚いています。

 


【撮影データ】
Canon EOS 60Da
EF180mm F3.5L マクロ USM 開放
ISO 1600
露出 338秒+73秒
TOAST Pro使用
画像処理 合成後トーンカーブ補正、トリミング

 

【撮影データ】
Canon EOS 60Da
EF180mm F3.5L マクロ USM 開放
ISO 1600
露出 73秒
TOAST Pro使用
画像処理 PPD現像、Photoshop CS6にて強調補正、トリミング

 

撮影時の機材はこんな感じです。(これは別の日に撮影、iPhoneカメラなので画質悪く申し訳ないです)

間に合わせで買った自由雲台がちょっとギリギリな感じで、締めたつもりなのにすぅーっと動いて冷や汗をかくことも・・・(苦笑)
対策が必要ですね。

 

住んでいる所は市街地や工業地帯が近く、残念ながら少し遠征しないと作例のような写真は撮れません。が、ものは試しに・・・と自宅の庭でカシオペアのだいたいの位置を頼りに時角合わせして北極星のみで極軸合わせしてみたら、300mm単でも1分ほどの追尾ができそうな感触です。

(おまけ)自宅庭で、 北極星しか見えない状態かつ建物の影で北斗七星もカシオペアも見えない状態で極合わせての300mm 30秒露出です。

ポーラアライメントホールではうまく合わせきれなかったのですが、ポーラファインダーを使うことで予想外に追尾できるので驚いてます。しかし、300mmになると今使っている自由雲台では危なっかしいので、やっぱりジンバルフォークユニットが必要そうです。(早く買わなくちゃ。)

冬に向けて、光害で北が明るい場所でも撮れるかなーと、期待しています。

あと、大事なことを書き忘れていました。写真は、厳密に上が北になっていません。カメラが地面に対してほぼ水平の状態での撮影です。地面に立って見るのと同じ状態になっています。

実はあの干潟星雲が「ほぼ初めての」天体写真だったりします。もう1回撮れと言われて撮れるかどうか、未だに自信がありません(笑)

まとまっておらず、申し訳ありません。射手座が大きく時期外れになる前に取り急ぎ送付します。
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【TOAST Staff コメント】

RedLilyさん、作品のご投稿ありがとうございます。
普段の撮影フィールドがマクロとレースということで、どちらも撮影時に細部まで気を配る必要があり、高いテクニックが要求されるジャンルですよね。特に、被写体深度が浅くフォーカスにシビアなマクロ撮影は、天体撮影と似ている部分もある分野かもしれません。

そんなRedLilyさんが今度は夜空にそのマクロレンズを向け、天体撮影に挑戦されたわけですが、最初からこのレベルの作品を撮影できる人は、そう多くはありません。正にあっぱれです!

マクロレンズを天体撮影で使用するのは、いまや天文界でも常とう手段。特に非常にシヤープな像を結ぶ180mmなどの望遠マクロは、天文ファンにも人気の魅力的なレンズのひとつです。

ところで、APS-Cセンサー搭載のEOS 60Daで180mmを使う場合は、300mmレンズ迫る長焦点撮影になります。RedLilyさんは、ポーラファインダーをつかった極軸合わせも初めてということですが、極軸調整の腕も確かです。

望遠レンズを使った撮影の場合は、北極星だけでなく、こぐま座のδ星(4.4等星)も使った2点アライメントでセッティングすると、時角合わせが正確に行われるため高い精度が得られますので、300mmレンズでも安心して撮影が行えます。こぐま座のδ星は明るさも4.4等星ですので、ポーラファインダーで十分確認できる星ですので、ぜひお試しを。

RedLilyさんの作品を拝見してまず感じるのは、漆黒の闇の中に透明感と奥行きを感じさせてくれる絶妙なあんばいで調整された色調やコントラストなど画像処理のセンスの良さです。

60Daは、現在発売されているキヤノンのデジタル一眼レフカメラで唯一の天体撮影モデルで、Hα線の透過率を約3倍に上げた赤外カットフィルターを搭載しています。
そのため、赤い星雲が写りやすくなる一方で、画面全体が赤味がかった色調となります。これをPhotoshopなどの画像処理ソフトをつかってバックグランドの赤カブリを抑えながら、散光星雲の赤色をキープするよう上手く補正していくわけです。

画像処理をやり過ぎるとすぐにデータが飽和してしまいますし、また単純に散光星雲の表現だけを重視すると、バックグランドはマゼンタ系に転がってしまうこともしばしば。

もちろん作品の仕上げは好みの問題ですが、RedLilyさんのように色彩とコントラストのバランス感覚を持った方は実に羨ましい!

広角から超望撮影までを一台で対応できるモバイル赤道儀TOAST Proは、EOS 60Daの性能を活かした作品づくりに向いています。Hαを放つフォトジェニックな星雲が夜空には数多くあり、それらをひとつずつEOS 60Daで狙っていくのは、実に楽しい作業です。RedLilyさんの更なる作品に期待です!