梅雨の晴れ間を狙ってカメラレンズで撮影&タイムラプス映像(平野さん)

梅雨空のもと、遠征撮影に出かけられない日々が続くTOASTユーザーの皆さんは、
この時期、撮影でたまったデータの画像処理に時間を充てる方が多いことでしょう。

この時期でも撮影したい!というTOASTスタッフメンバーは、
冬のオーストラリアまで遠征してしまいましたが・・・

さて、常連の平野さんから新作が届きましたので早速ご紹介しましょう!

********** 平野さんのコメント **********

平野です。
関東地方は梅雨に入ってしまいましたが、晴れ間を狙って撮影に出かけてきました。

今回は天体望遠鏡ではなく、カメラレンズで撮影してきました。

[いて座付近]

カメラ:α7S 天体改造
光学系:SONY FE 85mm F1.8(F4)
フィルター:Pro Softon B
感 度:ISO12800
露 出:30秒×39枚
追 尾:TP-2
後処理:ステライメージ7でスタック

[こと座付近]

カメラ:α7S 天体改造
光学系:SIGMA 70-200F2.8 DG OS HSM(150mm F4)
フィルター:Pro Softon B
感 度:ISO12800
露 出:30秒×97枚
追 尾:TP-2
後処理:ステライメージ7でスタック

[はくちょう座付近]

カメラ:α7S 天体改造
光学系:SIGMA 70-200F2.8 DG OS HSM(70mm F4)
フィルター:Pro Softon B
感 度:ISO12800
露 出:30秒×81枚
追 尾:TP-2
後処理:ステライメージ7でスタック

最初のいて座付近は、カットの半分程度は薄雲が流れてしまったのですが、気にせずスタックしました。
やはり右下が不自然になってしまいましたが、もともとソフトフィルターを使ったのであまり気にしないことにします。

こと座は、レンズはSIGMA 70-200F2.8 DG OS HSMの150mm F4+Pro Softon Bです。
感度と露出時間は同じです。
ステライメージで97枚スタック処理。

はくちょう座は、同じレンズの70mmF4でPro Softonなし、81枚スタック。
北アメリカ星雲やサドル付近は単体で撮ったことがないのですが、今後狙ってみたい対象です。

前回やってみて難しいとお話ししたTP-2を被写体にしてのタイムラプスですが、
何とか見られるような素材が撮れたのでYoutubeにあげました。

TP-2 Tracking stars

今後少しずつ撮りためて1分程度のタイムラプス動画に仕上げられればなぁと思っています。

********** TOASTスタッフ **********

平野さん、ご投稿ありがとうございます!

今回はTP-2に中望遠レンズとミラーレス一眼を搭載した作品ですね。
天体用改造を施したα7Sですが、ISOを12800まで上げて
1カットわずか30秒という短時間露光を繰り返し後処理でスタックするフローは、
比較的明るい夜空でも結果を出しやすい注目の手法のひとつです。

ディフュージョン系のフィルターは、
露出をかけすぎると白飛びして色が出辛くなるので、
そのあたりの塩梅はなかなか奥深いものがありますね。

レンズ前に装着する円形ガラスタイプのフィルターは
効果の強弱が調整しずらいのが難点ですが、
シート状の角型フィルターなら、
ディフュージョンの効果を数種類から選べるので
作品作りでは重宝します。

特に焦点距離が長くなるほどディフュージョン効果が大きくなるので、
広角レンズでは標準から強めを、
中望遠からは弱めの効果のフィルターが良い結果を生んでくれます。

はくちょう座付近は赤い散光星雲の宝庫ですので、
天体用改造カメラの独壇場です。

次は北アメリカ星雲周辺を狙った作品を楽しみにしています。

ところで、平野さんはタイムラプス作品も始められたようですね。

追尾撮影中にその様子を
もう一台のカメラで星空と一緒にタイムラプス撮影した映像は、
なかなかドラマチックでしたねぇ。

まるでTP-2のプロモーションビデオのようでうれしかったです!!