金環日食:北島潤一郎様

TOAST Blog の記念すべき第一作目は、初代モバイル赤道儀TOASTをご愛用の北島潤一郎様からご応募いただいた金環日食の作品です。

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北島様からのコメント
TOASTにて撮影した金環日食の画像です。撮影場所は台東区上野、不忍池です。
当日は沢山のカメラマニアが重装備で撮影に臨んでいましたが、赤道儀を使っている方はいませんでした。
TOASTのおかげで、撮影開始から終了までの間、800mmレンズ(35mm換算で1200mm)で太陽が写野を外れることなく追尾できました。雲の影響があったため、露出を随時変更しています。(クリックで大きな画像がご覧いただけます)

北島潤一郎様「金環日食ハイライト」

撮影機材
ニコンD300
タムロンAF LD200-400mm F5.6 (400mmにて使用)
ケンコー 2Xテレプラスプロ300(合成f 800mm 合成F 11)
ケンコー プロND100000フィルター使用
モバイル赤道儀TOAST使用

撮影データ
ISO400
(左下から) 1/1250秒、1/160秒、1/640秒、1/320秒、1/400秒
フォトショップCS5にて比較明合成

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北島様からのコメント
あわせて、前日撮影した同じ場所からの風景に、当日撮影した金環日食中の太陽像を重ねた作品を送ります。(クリックで大きな画像がご覧いただけます)

北島潤一郎様「金環日食風景写真」

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【TOAST Staff コメント】

ご投稿いただいた最初の作品は、金環日食を1200mmという超望遠レンズで撮影されたものです。このような長焦点レンズによる撮影では、システムの剛性を考慮し、組み合わせる機材の選定やバランス調整などが非常に重要で、確かな技術と経験の裏付けがあってこそ可能になる作品と言えます。ところで、北島様の愛機であるこのTOASTは、最大搭載重量が約4キロ、追尾性能を表すピリオディックモーション値が5秒角以内という、望遠鏡用の大型赤道に匹敵する高い精度を有する初代モバイル赤道儀です。残念ながら現在は発売されていないため、今となっては大変貴重な機材のひとつです。今後もぜひ大切にご愛用いただければスタッフ一同大変嬉しく思います。

もう一つの作品は、彼方にそびえる東京スカイツリーの上空に金環日食のリングが浮かぶという、今回の金環日食で多くの方が撮影したいと狙ったシチュエーションのひとつです。皆既日食とちがい、ND100000フィルターで減光した太陽と地上の景色は輝度差がありすぎるために1ショットで同時に撮影することは困難ですが、画像合成処理のテクニックをつかって理想の1カットをイメージ作品にして下さいました。このように、「どこで撮るか?」、「どういう機材システムで狙うか?」は、作品づくりで非常に重要なファクターといえます。 自分の思い描く作品イメージをどうしたら実現できるか、それを事前に考えリサーチして本番の撮影に臨むというスタンスがいかに重要なことか、北島様のTOASTスタイルは、それを理解するうえで大変参考になります。今後もTOASTシリーズで撮影した作品やシステム、アイディアなどのご紹介など、どんどんご寄稿いただければ幸いです。