海外のTOAST ProユーザーであるLeeさんから、Carl Zeiss 300mm F4によるDEEP SKYの作品とリポートが送られてきましたのでご紹介しましょう。
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★Leeさんからのコメント
ご無沙汰しております、Leeです。
春は良い天気に恵まれず、なかなかTOAST Proの出番がありません、残念です。
ところで、私は去年まで以下の7種類のキヤノンレンズを使用していました。
8-15mm Fisheye、15mm f2.8、16-35mm、50mm、200mm f2.8、70-200mm
キヤノンEFレンズ、特にプロ仕様の”L-Lens”は非常に高価です。この”L-Lens”と、一般的なEFレンズの違いはどのくらいあるのか?
つまり、金額に見合うほどの大きな違いがあるのか、という疑問が常に私の中にありました。
天体写真ではオートフォーカス機能はまったく必要ありません。以前、EFレンズのAF-MF切り替えスイッチが撮影現場で故障し、MFに手動で切り替えることができず悔しい思いをした経験もありました。
他にも、キヤノンに比べてZeissのコーティング技術が圧倒的に高いという話をたくさん聞きました。
そこで私は、試しにZeissの180mm F2.8を中古で購入してみました。
初めてテストしたこのレンズは、キヤノンEFレンズとは明らかに違いました。鮮鋭度はもちろんのこと、色味も全く異なります。
このZeissレンズのテスト結果から、高価な”L-Lens”は必要ないと自分で結論を下し、持っていたEFレンズを全て処分し、Zeissの中古レンズを揃え始めました。
現在は、28mm f2.8、50mm f1.4、100mm f2.0、180mm f2.8の他、つい先日、新しいレンズを導入しました。Zeissの300mm F4.0です。
早速、テスト撮影をしてみました。空の状態が良くない場所だったので、ちょっと極端な設定で撮影してみました(※極端な周辺減光はレンズフードによるものです)。
【撮影データ】
Canon EOS 5D MarkIII
Zeiss 300mm F4.0→F16
ISO3200
300秒
すごい数の系外銀河が写っています。トリミングすると良くわかります。
残念ながら私が今回買った中古レンズは、コーティングに少し問題があったようで、明るい星の周りに青いハローが出ますが、解像度は非常に優れています。
中古レンズはひとつひとつコンディションが異なるので、良いレンズに当たるには、運もあるかもしれませんが、非常に安い価格で入手できるので、L-Lensに比べれば買い替えは容易です。
モバイル赤道儀のTOAST Proは、こんなふうに、DEEP SKY撮影も楽しめます。天気が回復したら、もう一度テスト撮影にチャレンジしてみるつもりです。
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【TOAST Staff コメント】
Leeさんは非常に勉強家で、常に新しいことにチャレンジする行動力をもった方です。ドイツで生産されたツアイスレンズは中古市場でも高値で取引されるモノが多いですが、同じツアイスレンズでもCONTAXブランドであれば、確かに容易に購入出来ますよね。そういえば、K’sリポートでお馴染みの青年Kも、EOSシリーズのボディを愛用しているものの、所有しているのは、ニコンやシグマ、SAMYANGなどのレンズに加えて、マウント変換アダプタを介してオールドレンズも楽しんでいるそう。カタログスペックだけに一喜一憂するのではなく、自分スタイルの”味“を求めて様々な機材を組み合わせてみるのは、とても楽しいことです。なにより他の人と差別化された作品は、見る人に大きなインパクトを与えます。
LEEさんの探究心は、ますます膨らんでいるようです。次はどんなレンズで、夜空のどこを狙うのでしょう、TTスタッフも楽しみにしています!