TOAST TECHNOLOGYのWebサイトで、K’Sリポートなるコラムを担当してくれている青年Kが、久しぶりにオフィスに顔を見せてくれました。なにやら、タイムラプス撮影用に新たにEOS 6Dを導入したとか。
しばしカメラ談義に花を咲かせていたところ、これまた最近ガラケから買い換えたという最新のスマホをおもむろに取り出して・・・
「最近、このアプリにハマってるんですよね、知ってますぅ?」
と言いながら見せてくれたのは、ISSやIridium衛星通過の予報情報を知ることができる「ISS Detector」なるアプリでした。
自分のいる場所から見やすいISSやIridium衛星の情報が一覧表示され、見え始めと消失の時間、位置、最大光度などが一目でわかるというスグレモノ。
青年Kと、「これは便利だね!」とあれこれいじくっていたところ、4月8日の夜に明かるさが-3.7等星と明るく、最大高度が60度以上という絶好の条件でISSを見られることが判明!
・・・そんなわけで昨夜は、TTスタッフ数名で、近くの調布飛行場まで足を伸ばし、久しぶりにISSの通過を撮影しよう!ということになりました。
高度60度と言えば、かなり頭の高いところを通過します。
そこで、今回はEOS 5D MarkIIIにサークルフィッシュアイレンズを装着し、水準器を使って正確にレンズ中心を天頂に合わせます。
全行程が6分以上で、なおかつ薄暮中というシチュエーションですので、全経路を1ショットで撮影すると、画面が真っ白にカブってしまいます。
そこで、カメラにタイマーリモートコントローラー「TC-80N3」をつないでインターバル撮影をすることに。
スタッフの一人が手元のスマホで「ISS Detector」をチェックしつつ、シャッターを押すタイミングを見計らいます。
そして予報の見え始め時間18時56分15秒より少し前からインターバル撮影をスタート!
夜空にはひっきりなしに飛行機が飛び交い、ISSの出現かと一喜一憂しながr時間が過ぎていきます。
やがて、西の低空約10度あたりから飛行機とは明らかに異なる、点滅しない点光源が徐々に高度を上げていくのをスタッフの一人が発見!
最初は、3等星くらいだったその光は、頭上に近づくに連れて、どんどん明るさを増していきます。
マイナス1等星くらいまで増光したあたりで、シリウスのすぐ横をニアミス。頭上を通過し、やがて高度と明るさを落としながら、東の地平近くに姿を消して行きました。
事前にきちんと計算していれば、シリウスを串刺しにするISSを撮影できたのにと、リサーチ不足を嘆いてみたり・・・。
そんなわけで、昨夜撮影した200枚近いRAWデータを現像し、比較明合成で一枚に仕上げてみました。
対角魚眼レンズではこんな感じ。
さらにサークルフィッシュアイレンズではこんな感じに仕上がりましたよ。
こんなふうに、事前に予報を調べてISSを見るのは、本当に久しぶりです。
予報通りの位置、明るさ、経路をたどっていくISSを微笑ましく見守るだけでも、なかなか楽しいものです。
地上から、わずか300キロ足らずの軌道上を通過する国際宇宙ステーションISS。今まさに、そこで生活をしている宇宙飛行士たちに思いを馳せると、あの小さな光がなんだかとても特別なもののように思えます。
ぜひみなさんも、TOAST Proでの撮影準備を早々に終わらせたら、空が暗くなるまでの間、ISSを鑑賞してみてはいかがですか?