沖縄ははやくも梅雨明けしたものの、まだほとんどの地域では厚い雲と雨模様に見舞われているこの時期は、星の写真を狙う僕らにとって辛抱の毎日です。
さて、ニコン初の天体撮影専用超高精細デジタル一眼レフカメラ「D810A」は、天文ファンがいま最もほしいカメラのひとつとなっています。かつてキヤノンからも20Daや60Daなど天体専用機が発売されましたがいずれもAPS-Cサイズのセンサーでした。
あこがれのフルサイズ機「D810A」を携えてTP-2デビューを果たした長船さんからデビュー作が届きましたので早速ご紹介しましょう!
********** 長船さんのコメント **********
はじめまして、長船ともうします。
購入の際には、色々相談にのっていただきありがとうございました。
購入後はなかなか天気に恵まれず、使う機会がありませんでしたが、先日ようやくデビューすることができました。
場所は千葉県の東浪見海岸です。
光害はそれなりにありますが、1枚20秒(露出)✕40枚でコンポジットしてみました。
50mmレンズでの撮影でトータル13分の露光となりましたが見事に追尾しており、次回はもっと暗い場所で倍の露光をかけてみたいです。
2枚目は定番のポイントでの撮影です。
天体写真はど素人の私ですが、TP-2の追尾性能には感動しました。
色々悩みましたがTP-2にして良かったです。
使用カメラはニコンD810Aです。さすがに赤がしっかり写りますね。
これからもどんどん使っていきたいです。
***** TOASTスタッフ *****
長船さん、星空デビューおめでとうございます!
デビュー作とは思えないしっかりとした構図と後処理は見事です。
いきなり40枚のコンポジットとは恐れ入りました!
今度はぜひ1分以上の露出でコンポジットにチャレンジしてみてください。
はくちょう座のあたりなら3分露出5枚程度でも、びっくりするような天の川と出会えますよ!
また、コンポジット前提の自動追尾撮影であれば、レンズの絞りを開放から最低でも2段(2絞り)絞って撮影してみてください。周辺減光(画像の四隅が暗く映る現象)がぐっと改善されます。
また開放で撮影すると、コマ収差と呼ばれる現象で四隅の星が潰れた三角形のような形に写りますが、絞りを2段以上いれることでコマ収差が随分改善されてきます。
絞って暗くなった分は、自動追尾による長秒露光で補えばOKです!
長船さんのカメラ「D810A」、残念ながらTOASTスタッフはまだ誰も手にしていませんが(別のスタッフが喉から手が出るほどほしい!と日頃から叫んでいますが・・・)、望遠鏡を使った星雲星団のクローズアップだけでなく、広角レンズによる天の川の撮影でも劇的な効果があります。
先日ニュージーランドでD810Aを使いましたが(・・・知人からの借り物です)、後処理をきちんとやると驚きの光景がモニターに浮かび上がって来ました!
望遠鏡ショップなどでは、市販のデジタル一眼カメラを天体用に改造してくれるサービスがありますが、特に星景撮影などで月を画面のなかにフレーミングすると光源の周りに独特の格子状をしたゴーストが盛大に現れてしまいます。
この時ばかりは、天体写真専用機種の強みを実感させられますね。
神洗神社の鳥居と夏の天の川も素敵です!!!
車のヘッドライトがなかなかいいアクセントになっていますよね。
今度はぜひ「赤を出しながらできるだけ赤を押さえる」テクニックにも挑戦してみてください。作品の印象がガラッと変わってきますよ。
あー、それにしても夜は雲ばかりでいやになっちゃうなぁ。関東の梅雨明けはまだまだ先の話です。