アップグレードサービス用の部品在庫はあとわずか!

業界を一世風靡したTOAST シリーズの人気モデル「TOAST Pro」。すでに生産を完了したモデルですが、今なお多くのユーザーの方々がフィールド撮影の第一線で使用する機材として素晴らしい作品を生み出し続けています。

TOAST Proの駆動モードは、NormalとHalfの2段階。トグルスイッチの操作によりスピードを切り替えられるようになっていますが、夏の北米皆既日食に遠征を予定しているユーザーの方々から、以前実施したアップグレードサービスへのお問い合わせが今年に入って急増。

これを受けTOAST Online Shopでは、TOAST Proに対してTP-2と同様の機能をもった電装ユニットへの換装をおこなうアップグレードサービスを正規登録ユーザーの機材に対して実施中です。

 


換装前


換装サービス後


換装前


換装サービス後

 

正規登録ユーザーへは、すでにメールマガジンでご案内させていただいておりますが、このサービスは生産完了製品TOAST Proの筐体やギアユニットはそのまま流用し、電子系統を最新機種のTP-2同様の機能へとアップグレードするものです(※使用する電子回路はPro UPG専用のため、最新機種TP-2内蔵のものとは異なります)。

ロータリースイッチによりSTAR、SUN、MOONの各種天体自動追尾モードおよび地上の景色と星空を同時に静止させた星景撮影が可能なSTAR-Landscapeモードのほか、昼夜間のタイムラプス撮影時になめらかなカメラワークを生み出すモーションタイムラプスモードなど合計10種類の駆動モード選択が可能になります。

 

< Pro UPG版のおもな特長 >

・10種類の駆動モードを搭載
・ニッケル・水素蓄電池「※エネループ」に対応
・バッテリー警告機能 (※エネループ使用時)
・USB出力大容量リチウムイオンバッテリーに対応
・安定した高トルク駆動を実現する昇圧回路内蔵
・5V-12Vまで幅広い外部電源に対応

 

 

すでにお申込みいただいたお客様の機材は、TOAST TECHNOLOGYのファクトリーに順調に作業が進んでいます。

「アップグレードサービス」のみご希望のお客様には、当初の予定より早めに機材をご返送できる予定です。

またアップグレードと同時に簡易点検およびオーバーホールサービスをお申込みのお客様については、作業完了次第順次ご返送させて頂きます。

 

アップグレードサービス用の部品在庫はあとわずかとなっております。今回のアップグレードサービスは部品在庫がなくなり次第、予告なく終了いたします。

ご希望の方は、登録ユーザーにお送りしているメールマガジン記載のURL、または問い合わせフォームからご連絡ください。

 

Proユーザーの方はこの機会にぜひご利用下さい。

天体改造モデルと短時間露光&スタック処理

GW皆さんはどんなふうに過ごされましたか?

5月6日からの数日間、神奈川県の由比ヶ浜周辺に大規模な赤潮が発生したニュースを見て現場に急行した天文ファンも多いようです。
赤潮が発生した夜は「夜光虫」による生物発光現象が見られるからです。

波頭が深いブルーに輝く光景は昼間の赤潮のイメージからは想像できないほど神秘的。

夜光虫自体は特に珍しいものではないので、お近くの海岸や港などでも目にすることがあるかと思いますが、今回は鎌倉の由比ヶ浜という観光地でかつ大規模な発生だったため、TVのキー局ではニュースとして取り上げられたというわけです。

また、ちょうど後半夜には月も沈み、南の空にそびえ立つ夏の天の川と青く輝く海を同時にとらえることができるベストタイミングだったこともあり、天文ファンにとってもGW中のうれしいハプニングでした。

さて、SONY α7Sの天体改造モデルと短時間露光&スタック処理で見事な作品づくりをされているTP-2ユーザーの平野さんから新作が届きましたので早速ご紹介しましょう!

 

********** 平野さんのコメント **********

平野と申します。
4月末に撮影に行ってきましたので作例を投稿いたします。

 

[アンタレス付近]

カメラ:α7S(天体改造モデル)
光学系:BORG90FL + レデューサーx0.72 + LPS-D1フィルタ(360mm F4)
感 度:ISO 25600
露 出:30秒 × 131枚
後処理:ステライメージ7でスタック
追 尾:TP-2
撮影日:2017年4月29日未明
撮影地:山梨県鳴沢村

 

[干潟星雲M8・三裂星雲’M20・NGC6559]

カメラ:α7S(天体改造モデル)
光学系:BORG90FL + レデューサーx0.72 + LPS-D1フィルタ(360mm F4)
感 度:ISO 25600
露 出:30秒 × 104枚
後処理:ステライメージ7でスタック (540mm相当にトリミング)
追 尾:TP-2
撮影日:2017年4月29日未明
撮影地:山梨県鳴沢村

 

[撮影中の様子]

カメラ:α6300
レンズ:Samyang 12mmF2.0 NCS CS 絞り開放
露 出:20秒
感 度: ISO4000
「機材をライトで照らしているのですが、明かりの強さと照射時間の調整が意外と難しいです。暗がりの中でTP-2 を被写体とするタイムラプス撮影はかなりハードルが高いかもしれません」

 

日付が変わるころにはさそり座がターゲットに入ってくる時期になりました。
ということで今回はさそり座のアンタレス付近を1枚、干潟星雲M8・三裂星雲’M20・NGC6559を1枚です。
α7sでの超高感度短時間露出のスタイルを確立したのが昨年末ごろからだったこともあり、
人気の高いこれらの領域の撮影は楽しみにしていました。
特にアンタレスは撮影条件に恵まれる期間がとても短いので、4月末連休前半の新月期に天気が良かったのは幸いでした。
両方とも明るい対象で1時間ほどの露出時間を確保することができたので、そこそこ低ノイズに仕上げることができたと思います。

アンタレスは360mmだと少し狭い感じがしますね。一方M8M20はトリミングしても足りない感じです。
別の焦点距離で試してみたいところですが、しばらくは今の組み合わせでいろいろな対象を狙う方向で活動していきたいと思います。

このシステムはもともと、α7sのバルブ撮影が使えないというところがスタートになっています。
α7sはバルブ撮影をすると微光星が消える現象が確認されています。
これを回避するためシャッタースピードは30秒が上限になります。
この条件で必要な露出を稼ぐためにF4程度の明るい光学系+高感度撮という今の組み合わせが決まりました。
追尾時間が短くなったことにより、結果的に赤道儀が小型のものでOKということになりました。
TP-2とα7sは私にとってベストなコンビネーションだったようです。

ちなみに1200万画素の画像を100枚ステライメージ7で処理するとメモリを18ギガほど使用します。
アンタレスはメモリ不足を懸念して65枚ずつに分割して2段階で処理しました。
メモリと処理時間を大量に必要とするのがこのシステムの課題です。

 

 

**********  TOASTスタッフ **********

メキメキとスキルアップする平野さん、試行錯誤しながら作品づくりを楽しんでいらっしゃる様子が目に浮かぶようです。

機材にはアドバンテージとウィークポイントが共存します。画質や歩留まりを優先すると巨大で重く高額なシステムに行き着きますし、コンパクトなシステムでは可搬性に優れている一方で使い勝手や歩留まりが犠牲になることも。

その点で、平野さんはセンスあるバランス感覚をもっていらっしゃいますよね。割り切るところはズバッと判断しながら、勝負の舞台をトータルバランスで勝負されているようにお見受けします。

カメラの制約で短時間露光を選ばざるをえないという条件からスタートし、それを補うために明るい光学系の採用に加えISOを25600までアップ。しかしそれだけでは超高感度&長秒露光によるノイズ問題が立ちふさがります。

そこで100枚を超える同ポジ静止画を撮影し、ステラナビゲーターでスタック処理することでその問題を解決するというアプローチで挑むわけですね。

このスタイルは平野さんもおっしゃっている通り、コンパクトな赤道儀ではトップヘビーも相まってどうしても歩留まりが低くなりがちな長焦点の光学系も活かせますし、さらに短い露光時間はある程度光害が残る空でも十分楽しめる作品づくりを可能にしてくれます。

またシンプルなシステムは、現場に到着してから撮影をはじめるまでの時間も短く済み、億劫になりがちな遠征撮影へのモチベーションも保ってくれるものです。

ところで平野さんも悩んでいらっしゃる後処理の問題ですが、話題のAMD新型CPU「Ryzen 7」はどんなもんなんでしょうね。IntelのCPUに比べて圧倒的なコストパフォーマンスと高速処理を可能にすると注目されています。

TOASTスタッフも新しいマシンを「Ryzen 」で組んでみようかと思案中です。ただ、昨年からメモリの価格が驚くほど値上がりしている状況もあってまだ様子見の段階ですが・・・。あとはRyzen へのソフトウエアの対応状況も気になる今日このごろです。

平野さん、アンタレス付近の暗部のディテール処理、お見事です!

Proユーザー様向けサービスと、TP-2メンテナンスサービス

先日お知らせしましたTOAST「Pro」ユーザー様向けのサービス、受付を開始いたしました!
Proユーザー様は、メールをご確認の上、この機会をお見逃しなくご利用くださいね。

また今回の限定サービスとは別に、TP-2、TOASTのユーザー様にもご利用いただけるメンテナンスサービスのお申し込み窓口を設けました。

これまでユーザー様からのご連絡で個別に受け付けておりました簡易点検とオーバーホールサービスを、オンラインショップからお申込みいただけます。

近ごろ少し調子が悪いかも?とご心配な方は、ぜひ一度ご利用ください。

 

人気サービスのご案内、ご覧いただけましたか?

本日(4月14日)、モバイル赤道儀シリーズの正規ユーザーの皆様宛に、
「Pro」ユーザー様向けサービスに関するご案内メールをお送りいたしましたが、
ご覧いただけましたでしょうか?

昨年は、想定したお申込数をはるかに上回り、
数時間で受付終了となるほどの大人気でした。

「Pro」ユーザー様は、ぜひメールマガジンをご確認下さいね!

 

ご登録済みの正規ユーザー様でメールが届かない方がいらっしゃいましたら、

  • ご登録時のメールアドレスが現在使われていない(メールを変更した)
  • メールがスパムメールに誤判断されている
  • その他、何らかの理由でメールが受信できていない

という可能性がございます。

また、オンラインショップでお買い求めのユーザー様でも、
ご登録をお忘れの方もいらっしゃるようです。

まだメールが届いていないユーザー様は、いま一度

  • ユーザー登録がすんでいるか(ユーザー登録完了メールが届いたか)
  • 登録時からメールアドレスの変更がないか
  • メールがスパム(迷惑メール)フォルダに入っていないか、

をお確かめください。

この機会をどうぞお見逃しなく!

30秒露光×128枚で総露出1時間オーバー:平野さん

井の頭公園の南側では、早咲きの桜が観光客の目を楽しませているようです。

その周辺では実に多彩な国々からの観光客を見かけますが、彼らの目当ては「三鷹の森ジブリ美術館」。

いつも行列が絶えない人気の観光スポットですが、こんな近くで仕事をしているTOASTスタッフたちは、だれも訪れたことがないという未知の場所です(笑)。

さて、超高感度撮影が可能なSONY α7S。その天体改造モデルをつかい、短時間露光で大量の静止画素材を撮影し、ステラナビゲーターのスタック処理で見事な作品づくりをされている平野さんから近況が届きましたので早速ご紹介しましょう!

 

********** 平野さんのコメント **********

平野と申します。
先週末、撮影に出かけてきました。
場所は前回と同じ山梨県鳴沢村です。
というかいつもここです。

今回は前回の反省を生かしてジンバル雲台に戻しての撮影にしました。
幸い一晩中風もなく、安定して撮影することができました。

3月になりさすがに冬の星座もシーズンが終わるころですが、
前回露出不足で投稿するに至らなかったかもめ星雲を送付します。

[IC2177 Segull Nebula(かもめ星雲)]

カメラ:α7S(天体改造モデル)
光学系:BORG90FL + レデューサーx0.72 + LPS-D1フィルタ
感 度:ISO 25600
露 出:30秒 × 128枚
後処理:ステライメージ7でスタック (トリミングなし)
追 尾:TP-2

1時間以上の露出をかけるとだいぶ滑らかになりますね。
もっと広範囲に赤い星雲が広がっているようなのですが、フラット補正がまだできていないため
この程度の処理になりました。
今年中にはフラット補正をきちんとマスターしたいと思っています。

 

[本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星]

カメラ:α7S(天体改造モデル)
光学系:BORG90FL + レデューサーx0.72 + LPS-D1フィルタ
感 度:ISO 25600
露 出:30秒 × 69枚
後処理:ステライメージ7でスタック (720mm相当までトリミング)
追 尾:TP-2

 

こちらは本田・ムルコス・パジュサコバ彗星です。

彗星というと明け方か日没直後にしか撮れないというイメージがあったのですが、ヘンな名前に惹かれて撮ってみました。
初めての彗星撮影の割にはよくできたかなと思っています。

さすがにイオンテイルも短くなっているので、こちらは720mm相当までトリミングをしました。
計35分間の露出を恒星基準でスタックしていますが、地球から離れたこともあり彗星の核の移動は気にならないレベルでした。

 

( カメラ:α6300 / レンズ:Samyang 12mm F2.0 NCS CS(開放) / 感度:ISO4000 / 露出:20秒)

 

この日は一晩中天気に恵まれ、明け方にはさそり座を見ることができました。
こちらは撮影時の様子です。

ちなみにα6300のほうはタイムラプス専用として使っています。

普段は星空タイムラプスですが、次回は星空を追うTP-2を主題にしてタイムラプスを撮ってみようかと思っています。

天体撮影的にはまだまだ寒い時期が続きますが、お体にお気をつけください。

寒さの中での野辺山でのタイムラプス映像がどこかで見られるようでしたらぜひ告知をお願いします。

 

***** TOASTスタッフ *****

焦点距離360mmの超望遠レンズをジンバルフォークユニットでTP-2に搭載、さらにPole Masterを使った極軸合わせにより、歩留まりの良いインターバル撮影(同じ画角での連続撮影)システムを構築されている平野さん。

カメラの設定感度はなんとISO25600です!通常ならノイズまみれのはずが・・・

ここに平野さんがこだわるテクニックが凝縮されています。

手のひらに乗る小さな追尾装置に4キロを超える機材を搭載しての撮影、しかも前後に長い望遠鏡は適切なバランス調整や風による振動の影響なども配慮しなければなりません。もちろん長い焦点距離のレンズでは極軸合わせもかなりシビアになります。

そこでISOを25600まで上げて1枚の露出時間をわずか30秒に切り詰めて撮影することで、1時間を超える連続撮影でも高い歩留まりを維持しながら128カットもの撮影を成功しているのです。

これを1カット2分露出にすれば撮影カット数は1/4で済む計算になりますが、歩留まり率は下がります。

平野さんは、光量不足やノイズなどを後工程のスタック処理でどこまでまかなえるかを事前に判断し、撮影時の歩留まりを出来る限り良くするためISO25600の30秒露光という絶妙な値を導き出しているわけです。

それにしても最後のスナップ写真、TOASTスタッフたちも大喜びでした!

カッコイイ!!!!

 

野辺山で撮影されたタイムラプス映像についてはテレビで放送される予定ですのでオンエアが決まったらここでご案内させていただきますね!

天文雑誌でもこれからタイムラプス作品に注目していくらしいので、ぜひ平野さんも作品づくりにチャレンジしてみてください。