8月31日から9月1日掛けて、埼玉県の堂平天文台で開催されたGANREFワークショップ「飯島裕先生の星景写真ゼミ」。
2時間たっぷり91cmの巨大望遠鏡をつかった天体観望会を楽しんだあとは、参加メンバーそれぞれが自分の判断で星景撮影にチャレンジしていきます。
首都圏の夜景を一望できる堂平天文台は、デートスポットとしても有名な場所。この日はあいにく大気の状態が悪く少し靄がかかったような景色でしたが、空気の澄んだ冬場には、遠く東京スカイツリーや横浜のランドマークタワーまで確認できるそうですよ。
参加メンバーは、それぞれイメージをふくらませながら撮影場所を決め、次々とシャッターを切っていきます。
初心者にとって最も難しい技術のひとつが、デジタル一眼レフカメラでのフォーカス合わせ。高性能レンズに搭載されたAFは、残念ながら天体撮影では使えません。
銀塩カメラの時代は、”ナイフエッジ”なる、まるで武器か兵器のような名前の道具と手段をつかって、正確な星のフォーカス合わせに心を砕く天文ファンがたくさんいましたが、デジタル一眼レフカメラでライブビューモードが使えるようになってからは、コツさえつかめば、だれでも確実に星にピントを合わせる事が可能になりました。
ライブビューモードで明るい星を視野の中心付近に入れてから、拡大機能を使って10倍程度に拡大表示し、星が最も小さくなるようにフォーカスリングを操作していきます。これだけでOK!簡単です!
最初は大いに手間取っていた参加メンバーも、要領を掴んできてからは、もう一人でもピント合わせは完璧です!
堂平天文台周辺には、星景撮影のフォアグランドとなるモチーフが数多く転がっています。
まずは、ロッジの横にあった大きな樹木を根元から見上げて、1枚!
次は、明るすぎて敬遠しそうなロッジ裏手でも、パチリ!
夏の思い出になりそうな1枚です。
ロッジの周辺では、こんな風に自分でテントを張って過ごすこともできます。
夜半過ぎに東の空から登ってきた細い月明かりで、うっすらとテントのディテールが浮かび上がってきたところを、夜空の星と組み合わせて、パチリ!
夜半前には時折雨が降りだす不安定な天気でしたが、東の空から月が昇ってくるころには、次第に晴れ間が広がってきました。
首都圏の夜景の上には、冬の星座オリオン座が見えています。左の明るい雲の部分は月。その左上で明かるく光っている星は、太陽系最大の惑星、木星です。
こうして、参加メンバーそれぞれの夜が明けていきました。
TTスタッフは、午前3時過ぎに早々とロッジへ帰還してしまいましたが、多くの参加メンバーの方々は、日の出を撮影するまで粘っていたとか。頭が下がります・・・。
夜が明けた9月1日は眩しいほどの青空が広がり、「飯島ゼミ」は大成功のもとに終了しました。
そうそう、もちろんTOAST TECHNOLOGYでは、モバイル赤道儀のデモ機を用意して、参加メンバーの方々に星の追尾撮影を体験して頂きましたよ。
星景撮影モードを駆使することで、星空と地上の景色が両方静止したように撮影できますよね。
星景撮影から追尾撮影、そしてフィッシュアイレンズから望遠鏡まで、幅広いジャンルと光学系を組み合わせた天体写真を楽しむことができます。
徹夜で指導されていた飯島裕さん、本当にお疲れ様でした。
それにしても91cmで見たM15、すごかったですよね!(まだ言ってるし!)。