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TP2を使って1年:O,Sさん

 

夏の北米皆既日食、皆さんのご予定はいかがですか?

天文雑誌等で旅行会社が募集しているツアーは、8日間で70万円前後からという料金設定にもかかわらず、どこもキャンセル待ち状態とか。皆さんの期待感が伝わってきます!

TOAST TECHNOLOGYのテスターを担当してくれているH氏は、皆既日食のためにBORGを組み合わせた4K動画撮影システムの構築に日夜勤しんでいるそうです。

仲間数人を集め、1年前には現地の貸切ロッジやレンタカーの予約、航空券の手配まで済ませたので、1週間の渡米で20万ちょっとの予算だとか。

個人旅行なので全て自分たちだけで行動しなければなりませんが、晴天率が良い高山のロッジを貸し切ったそうで、広い庭先に機材を並べて皆既日食を撮影できるらしいです、あー羨ましい!

 

さて、システムを導入して1年を経過したTP2ユーザーのO,Sさんから作品をご投稿いただきましたので早速ご紹介しましょう!

 

********** O,Sさんのコメント **********

O,Sともうします。

TP2を購入して1年がたちました。
最初は準備にもたもたしておりましが、だいぶ慣れてきました。

課題はなんといっても画像処理!
少しずつ克服していきたいと思います。
また投稿前に平野様のポールマスターの使い方を拝見し、私も使いかたが全く同じで安心しました(^^
ポールマスターは必ずしも回転軸の上になくても大丈夫なようで、私も色々試行錯誤しましたが、あの形がベストだと思います。

今回はボーグ71FLとポールマスターを使った写真を撮ってみました。
ポールマスターを使うと望遠系ではかなり精度があがるようです。

 


【M42から馬頭星雲 】

カメラ:D810A
光学系:BORG 71FL + レデューサー
感度 :ISO1600
露出 :1分 10枚、3分×10枚、4分×10枚(ステライメージ7で画像処理)
追尾 :TP-2 ※ポールマスター使用

 


【オリオン座 】

カメラ:D810A
光学系:SIGMA 50mm F1.4 Art
感度 :ISO2000
露出 :4分 25枚(ステライメージ7で画像処理)
追尾 :TP-2 ※ポールマスター使用

 


【かもめ星雲】
カメラ:D810A
光学系:BORG 71FL + レデューサー
感度 :ISO2000
露出 :5分8枚(ステライメージ7で画像処理)
追尾 :TP-2 ※ポールマスター使用

 

 

***** TOASTスタッフ *****

O,Sさん、素晴らしい作品をご投稿いただきありがとうございます!

レデューサーを併用しているので焦点距離が300mm前後ですが、長い鏡筒とフルサイズ機の組み合わせにも関わらず、上手く荷重バランスをとっていらっしゃるのはお見事です!

ポールマスターによる極軸合わせで歩留まりが向上したとのこと、TOASTスタッフたちも興味津々です!

おっしゃる通り画像処理は実に奥深く難しい世界ですよね。

最初に完成形をしっかり頭のなかにイメージしてから取り掛からないと、試行錯誤の段階でどんどんあらぬ方向に向かって行ってしまうことも。

まさに、撮影のとき以上の”センス”が必要。それだけにやりがいのあるフェーズでもあります。

O,Sさん、お見事です!

SIGMAのArtライン50mm F1.4 DG HSMによるオリオン座はたっぷりと合計100分もの露出を与え、D810Aの性能を活かすエリアと相まって美しい作品に仕上がっています。

この組み合わせでもっといろんな作品が見てみたいです!O,Sさんの活躍に大いに期待するTOASTスタッフでした!

天体撮影専用D810AでTP-2デビュー!:長船さん

 

沖縄ははやくも梅雨明けしたものの、まだほとんどの地域では厚い雲と雨模様に見舞われているこの時期は、星の写真を狙う僕らにとって辛抱の毎日です。

さて、ニコン初の天体撮影専用超高精細デジタル一眼レフカメラ「D810A」は、天文ファンがいま最もほしいカメラのひとつとなっています。かつてキヤノンからも20Daや60Daなど天体専用機が発売されましたがいずれもAPS-Cサイズのセンサーでした。

あこがれのフルサイズ機「D810A」を携えてTP-2デビューを果たした長船さんからデビュー作が届きましたので早速ご紹介しましょう!

 

********** 長船さんのコメント **********

はじめまして、長船ともうします。

購入の際には、色々相談にのっていただきありがとうございました。

購入後はなかなか天気に恵まれず、使う機会がありませんでしたが、先日ようやくデビューすることができました。

 

HDRによる夏の天の川

場所は千葉県の東浪見海岸です。

光害はそれなりにありますが、1枚20秒(露出)✕40枚でコンポジットしてみました。

50mmレンズでの撮影でトータル13分の露光となりましたが見事に追尾しており、次回はもっと暗い場所で倍の露光をかけてみたいです。

 

 

神洗神社の鳥居と夏の天の川

2枚目は定番のポイントでの撮影です。

 

天体写真はど素人の私ですが、TP-2の追尾性能には感動しました。

色々悩みましたがTP-2にして良かったです。

使用カメラはニコンD810Aです。さすがに赤がしっかり写りますね。

これからもどんどん使っていきたいです。

 

***** TOASTスタッフ *****

長船さん、星空デビューおめでとうございます!

デビュー作とは思えないしっかりとした構図と後処理は見事です。

いきなり40枚のコンポジットとは恐れ入りました!

今度はぜひ1分以上の露出でコンポジットにチャレンジしてみてください。

はくちょう座のあたりなら3分露出5枚程度でも、びっくりするような天の川と出会えますよ!

また、コンポジット前提の自動追尾撮影であれば、レンズの絞りを開放から最低でも2段(2絞り)絞って撮影してみてください。周辺減光(画像の四隅が暗く映る現象)がぐっと改善されます。

また開放で撮影すると、コマ収差と呼ばれる現象で四隅の星が潰れた三角形のような形に写りますが、絞りを2段以上いれることでコマ収差が随分改善されてきます。

絞って暗くなった分は、自動追尾による長秒露光で補えばOKです!

 

長船さんのカメラ「D810A」、残念ながらTOASTスタッフはまだ誰も手にしていませんが(別のスタッフが喉から手が出るほどほしい!と日頃から叫んでいますが・・・)、望遠鏡を使った星雲星団のクローズアップだけでなく、広角レンズによる天の川の撮影でも劇的な効果があります。

先日ニュージーランドでD810Aを使いましたが(・・・知人からの借り物です)、後処理をきちんとやると驚きの光景がモニターに浮かび上がって来ました!

望遠鏡ショップなどでは、市販のデジタル一眼カメラを天体用に改造してくれるサービスがありますが、特に星景撮影などで月を画面のなかにフレーミングすると光源の周りに独特の格子状をしたゴーストが盛大に現れてしまいます。

この時ばかりは、天体写真専用機種の強みを実感させられますね。

 

神洗神社の鳥居と夏の天の川も素敵です!!!

車のヘッドライトがなかなかいいアクセントになっていますよね。

今度はぜひ「赤を出しながらできるだけ赤を押さえる」テクニックにも挑戦してみてください。作品の印象がガラッと変わってきますよ。

 

あー、それにしても夜は雲ばかりでいやになっちゃうなぁ。関東の梅雨明けはまだまだ先の話です。

思わずうっとり・・・星空の360度パノラマ:佐藤信敏さん

小型のウエアラブルカメラを複数台組み合わせたMotion VRやRICOHのTHETAを使ったVRなど、いま再び360度のVRコンテンツが注目されています。

TP-2を使って様々な作品づくりを楽しんでいらっしゃる佐藤信敏さんから、今度はなかなか衝撃的な作品が送られてきましたのでご紹介しましょう!

 

********** 佐藤信敏さんのコメント **********

先日は投稿の採用ありがとうございます。

今回は少し変わった使い道をご紹介します。
星空の360度のパノラマです。

映像の見方はグーグルマップのストリートビューと同じです。画面をドラッグすると絵がぐるぐると動き天地左右360度の映像を見ることが出来ます。WEB上での作品なので残念な事にULRでのリンクでしか見ることが出来ません。

実際の撮影はTP-2の上にパノラマ専用の雲台をのせて全天を8枚の写真に分割撮影をして、後作業でそれを合成してパノラマを作るという作業になります。

星空を撮るときは、おのおの2〜5分の露出をかけますので地上はぶれてしまいます。ですから赤道儀のスイッチを切って地上だけ別撮影をするという新星景の手法を使い作品を作り上げます。

機材はNikonD810AにSamyang12mm FisheyeとBushmanPanorama GOBIマウントという比較的ヘビーなセットを使っています。
長時間にわたりカメラを何度も動かして何枚もの撮影をする関係上しっかりとした赤道儀でないとカメラ位置が変わってしまい、後の合成作業でズレが出てしまい都合がよくありません。
かといって大きな赤道儀だと赤道儀自他も写ってしまいカメラアングルの制限が出来てしまうので、これも都合がよくありません。その点TP-2はコンパクトで剛性も優れ精度も高いので、このような無理な撮影でも完璧に仕事をこなしてくれます。

 

今回紹介するパノラマは伊豆半島の突端の爪木崎灯台からの星空と房総半島の御宿の海岸からの星空です。
1億4千万画素で作っていますのでモニターのフルスクリーンでご覧になると臨場感が増すと思います。
どちらも、とても足場が悪いところでの撮影でしたのでコンパクト・軽量で素早くセッティング出来る機材はとても有利でした。

御宿のパノラマは波の音をBGMに使っているのでその場で星見をしている臨場感も味わえると思います。

 

TP-2による爪木崎灯台360度パノラマ
 TP-2による爪木崎灯台360度VRパノラマ

カメラ:Nikon D810A
レンズ:Samyang 12mm F2.8 ED AS NCS FISH-EYE
パノラマ雲台:BushmanPanorama  GOBI
追尾架台:TOAST TECHNOLOGY  TP-2

 

TP-2による御宿海岸360度パノラマ

TP-2による御宿海岸360度VRパノラマ

カメラ:Nikon D810A
レンズ:Samyang 12mm F2.8 ED AS NCS FISH-EYE
パノラマ雲台:BushmanPanorama  GOBI
追尾架台:TOAST TECHNOLOGY  TP-2

 

***** TOASTスタッフ *****

小さな サムネイルを見たただけでも強烈な印象を受ける2つの作品。まずは何も言わずクリックしてみてください。驚きの世界がモニターに現れます。暗くした部屋のなかで、しばし時を忘れて御覧ください!

ディフュージョンフィルターを使った星空の美しさはもちろん、絶妙なバランスで浮かび上がらせた見事な地上のディテールからは、まさに佐藤さんのセンスの高さをうかがい知ることができます。

星が極端に小さくシャープに見えるのはモザイク合成処理による1億4千万画素という超多画素処理によるものですが、フルサイズ機対応のSamyan 12mm Fish-Eyeは、なかなか良い仕事をしてくれていますね。

 

ところで、佐藤さんが使ったパノラマ雲台はコンパクトな設計と使い勝手の良さが評判のチェコのメーカー。TOASTスタッフの知人カメラマンたちも数多く使っているパノラママウンです。遠征先のフィールド撮影では、どんな機材でもコンパクトで剛性の高いものが望まれます。そうした設計思想の機材たちは、ユーザーをどんどんフィールドに導いてくれるようです。

 

ところで「新星景」という言葉、去年あたりからよく耳にするようになってきました。

同じ画角で固定撮影と追尾撮影を行い、それぞれをマスク処理してひとつの画面に合成するという手法で、アメリカなどでは以前から積極的に取り入れられています。
完全なる合成画像作品なので特に国内では賛否両論があるようですが、サイエンスかアートかの主観の違いとも言えそうです。
合成処理であることをきちんと明記すれば、それはアート作品のひとつとして大いに受け入れられるものとTOASTスタッフは思うのでした。

ただし、この「新星景」、非常につくり手にセンスが問われる手法でもあります。いわば作者の脳内で合成された現実にはありえない世界を具現化するわけですから違和感があっても当然なのかもしれませんが、「合成処理作品」と銘打ってやるなら、ありえない世界をとことんリアルに追求してみたいものです。不自然な世界のなかに、いかに自然を作りだせるかが勝負とでもいえるでしょうか?

その点、佐藤さんは見事なバランス感覚とセンスをもっていらっしゃる作家さんですね。

現時点では無敵と言われる(?)IRカットフィルターを外した天体専用カメラのD810A。赤をしっかり出しながら自然なカラーバランスに仕上げるには、技術というよりもこれもまたセンスが必要なんですよ。

あー、それにしてもこの作品、ため息しか出てきませんね~。美しすぎるぅ!!!!

今夜は夢を見そうです・・・。