アーカイブ : 2017年 2月

TP2を使って1年:O,Sさん

 

夏の北米皆既日食、皆さんのご予定はいかがですか?

天文雑誌等で旅行会社が募集しているツアーは、8日間で70万円前後からという料金設定にもかかわらず、どこもキャンセル待ち状態とか。皆さんの期待感が伝わってきます!

TOAST TECHNOLOGYのテスターを担当してくれているH氏は、皆既日食のためにBORGを組み合わせた4K動画撮影システムの構築に日夜勤しんでいるそうです。

仲間数人を集め、1年前には現地の貸切ロッジやレンタカーの予約、航空券の手配まで済ませたので、1週間の渡米で20万ちょっとの予算だとか。

個人旅行なので全て自分たちだけで行動しなければなりませんが、晴天率が良い高山のロッジを貸し切ったそうで、広い庭先に機材を並べて皆既日食を撮影できるらしいです、あー羨ましい!

 

さて、システムを導入して1年を経過したTP2ユーザーのO,Sさんから作品をご投稿いただきましたので早速ご紹介しましょう!

 

********** O,Sさんのコメント **********

O,Sともうします。

TP2を購入して1年がたちました。
最初は準備にもたもたしておりましが、だいぶ慣れてきました。

課題はなんといっても画像処理!
少しずつ克服していきたいと思います。
また投稿前に平野様のポールマスターの使い方を拝見し、私も使いかたが全く同じで安心しました(^^
ポールマスターは必ずしも回転軸の上になくても大丈夫なようで、私も色々試行錯誤しましたが、あの形がベストだと思います。

今回はボーグ71FLとポールマスターを使った写真を撮ってみました。
ポールマスターを使うと望遠系ではかなり精度があがるようです。

 


【M42から馬頭星雲 】

カメラ:D810A
光学系:BORG 71FL + レデューサー
感度 :ISO1600
露出 :1分 10枚、3分×10枚、4分×10枚(ステライメージ7で画像処理)
追尾 :TP-2 ※ポールマスター使用

 


【オリオン座 】

カメラ:D810A
光学系:SIGMA 50mm F1.4 Art
感度 :ISO2000
露出 :4分 25枚(ステライメージ7で画像処理)
追尾 :TP-2 ※ポールマスター使用

 


【かもめ星雲】
カメラ:D810A
光学系:BORG 71FL + レデューサー
感度 :ISO2000
露出 :5分8枚(ステライメージ7で画像処理)
追尾 :TP-2 ※ポールマスター使用

 

 

***** TOASTスタッフ *****

O,Sさん、素晴らしい作品をご投稿いただきありがとうございます!

レデューサーを併用しているので焦点距離が300mm前後ですが、長い鏡筒とフルサイズ機の組み合わせにも関わらず、上手く荷重バランスをとっていらっしゃるのはお見事です!

ポールマスターによる極軸合わせで歩留まりが向上したとのこと、TOASTスタッフたちも興味津々です!

おっしゃる通り画像処理は実に奥深く難しい世界ですよね。

最初に完成形をしっかり頭のなかにイメージしてから取り掛からないと、試行錯誤の段階でどんどんあらぬ方向に向かって行ってしまうことも。

まさに、撮影のとき以上の”センス”が必要。それだけにやりがいのあるフェーズでもあります。

O,Sさん、お見事です!

SIGMAのArtライン50mm F1.4 DG HSMによるオリオン座はたっぷりと合計100分もの露出を与え、D810Aの性能を活かすエリアと相まって美しい作品に仕上がっています。

この組み合わせでもっといろんな作品が見てみたいです!O,Sさんの活躍に大いに期待するTOASTスタッフでした!

簡易ジンバルシステムで128カットの撮影に挑戦!:平野さん

先週は太平洋側では比較的良い天候が続きましたね。
TOASTスタッフのカメラマンの一人は、長野県にある国立天文台野辺山宇宙電波観測所で夜のタイムラプス撮影に勤しんでいましたが、夜の気温はマイナス13度まで低下し、バッテリー性能がどんどん低下していって大変だったそうです。

極寒の地でのタイムラプス撮影は、カメラバッテリーの保温対策をしていても万全とは行きません。カメラはもちろんカメラワーク用のTP-2やレンズヒーターなど、どれかひとつでもバッテリーが死んでしまうと撮影は途端に失敗となるからです。

それにしても冬の野辺山は本当に寒いところですよ。スナップ写真を見せてもらいましたが、撮影機材はアラスカでのロケ並に真っ白く凍り付いていました・・・。

さて、前回に引き続きTP-2ユーザーの平野さんから作品を投稿頂きましたので、早速ご紹介しましょう!

 

********** 平野さんのコメント **********

平野と申します。
先月の新月期も撮影に出かけてきました。

TP-2とBORG

今回はより可動域を広げるべく、水平部と垂直部ともより長いアルカスイスのレールに変更してみました。

狙い通り北側の死角は減ったのですが、やはりレールを長くすると途端に風に弱くなりますね。

特にこの日は風が強かったため、歩留まりが悪化してしまいました。

 

バラ星雲 (TP-2)
【 バラ星雲 】

カメラ:α7S(天体改造)
光学系:BORG 90FL + レデューサー 360mm F4
フィルター:LPS-D1
感度 :ISO25600
露出 :30秒 ×64枚(ステライメージ7でスタックおよび各種処理)
追尾 :TP-2
撮影地:山梨県鳴沢村
撮影日:1月27日

馬頭星雲(TP-2)
【馬頭星雲】

カメラ:α7S(天体改造)
光学系:BORG 90FL + レデューサー 360mm F4
フィルター:LPS-D1
感度 :ISO25600
露出 :30秒 ×64枚(ステライメージ7でスタックおよび各種処理)
追尾 :TP-2
撮影地:山梨県鳴沢村
撮影日:1月27日

 

今回は128枚でのスタックを目指して1時間以上時間をかけたのですが、半分近くのカットが風に流されてしまい結局前回同様64枚での画像処理となってしまいました。

この構成でバランス自体はとれているのですが、南天の対象を狙うときは無理せず前回の構成のようにジンバル雲台を使って重心を下げるほうがよさそうです。

 

***** TOASTスタッフ *****

平野さん、前回に続き素晴らしい作品をご投稿いただきありがとうございます!

今回は合計30分を超える露出時間で星雲の細部まで表現されています。

ジンバルフォークユニットではなくバーティカルレールクランプとロングレールプレートを組み合わせ簡易的なジンバル雲台システムを構築されています。

海外ロケの仕事が多いTOASTスタッフの一人も同様のシステムを必ず機材の中に忍ばせていますが、アルカスイス準拠のロングプレートは薄い板状のパーツですので、周囲の振動や風の影響をもろに受けてしまいます。

海外遠征など持っていく荷物を減らさなければならないときには、簡易的なジンバルシステムとして大活躍しますが、長さの短い中望遠レンズで使用するのがオススメです。

特に前後に長い望遠鏡は、一度振動を受けてしまうと揺れが収まるまでかなりの時間を要しますので要注意でしょう。

平野さんの機材と撮影スタイルであれば、ジンバルフォークユニットによるシステムを強くオススメします。

それにしてもα7Sの天体改造版、なかなか良いですね~!
一眼レフに比べて圧倒的に軽量化できますし、それでいてフルサイズ機。

次はどの天体を狙うんでしょうか?

TOASTスタッフ一同楽しみです!