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「オーロラと星空の競演」:小貝哲夫 様

パラグライダー専門誌を中心に大自然やオーロラ、野生動物などのジャンルで活躍されているフォトジャーナリストの小貝哲夫さん。
この秋、小貝さんのテーマ「オーロラと星空の共演」の作品づくりのため、ユーコン準州へ遠征されたとのこと。もちろんモバイル赤道儀TOAST Proとともに。

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【小貝さんのコメント】

TOAST Proと共に、9月下旬にユーコン準州に行ってきましたのでご報告させて頂きます。

例年は9月上旬のツンドラ紅葉のタイミングを狙うのですが、今年は天候が安定せず天気予報と宇宙天気を見比べながら、出発6日前にチケットを手配しました。

今回の狙いは「オーロラと星空の競演」です。今まではオーロラばかりに注意が向いていましたが、背景に必ず写り込む星空のクオリティを高めたいと考えています。もちろんオーロラが出なければ話しになりませんが、今回は11日間の日程で4日間オーロラを観測できました。しかし連日、立っていられないほどの爆風。さらに雲も多く最高のコンディションとはほど遠かったのが悔やまれます。

 

【オーロラ観測1日目】

到着後、ホワイトホース近郊の湖畔でキャンプ。テントも飛んでしまいそうな爆風が出迎えてくれた。

ライブタイムでモニターをチェックしながらの写影。湖面に映り込むオーロラが写し込めたことを確認してシャッターを閉じた。(MO-D E-M5+ED 12mm、ISO640、絞りF2.0、シャッタースピード30秒、TOAST Pro使用)

 

弱いオーロラは直ぐに消えてしまったが、黒い雲の上に満天の星空が広がった。絶好のトレーニング、いろいろ条件を変えながらライブタイムを試した。(MO-D E-M5+ED 12mm、ISO640、絞りF2.0、シャッタースピード61秒、TOAST Pro使用)

 

【オーロラ観測2日目】

オーロラ予報を確認して、オーロラベルト直下になるだろうトゥームストーン準州立公園まで800kmの移動。頭上で炸裂する激しいオーロラが現れた。

激しいオーロラが出る前、山並みと星空、弱いオーロラの3つの条件が揃った。オーロラの向こう側に広がる天の川、山並みが入るので星景撮影モードを使用。・・・電源が抜けていることに気が付かず、星を止めることができなかった。(MO-D E-M5+ED 12mm、ISO640、絞りF2.0、シャッタースピード50.6秒、TOAST Pro使用)

 

トゥームストーン準州立公園の大きな谷を入れ、天の川とオーロラを狙った。谷の奥から黒い雲がどんどん迫り、やがて空一面に広がった。

(MO-D E-M5+ED 12mm、ISO640、絞りF2.0、シャッタースピード31秒、TOAST Pro使用)

 

 

【オーロラ観測3日目】

ユーコン準州の最北の町ドーソンシティにあるオーロラ観測ポイント、ドームマウンテン付近でキャンプ。風が強かったので、防風林になるよう森の中にテントを張った。

強いオーロラが予想されたので、この晩はTOAST Proはお休み。テントをローソクの灯りで浮き立たせ、森りの向こうに広がるオーロラを写し込んだ。(MO-D E-M5+ED 12mm、ISO640、絞りF2.0、シャッタースピード20.6秒)

 

森の向こうでオーロラがクネクネとダンスをしている。OM-Dの良好な高感度特性と新調した明るいレンズのお陰だ!(MO-D E-M5+ED 12mm、ISO640、絞りF2.0、シャッタースピード6.6秒)

 

【オーロラ観測4日目】

500km移動し、北緯66度33分のアークテックサークルまで移動。相変わらず風が強く、小高い丘の風下側にテントを設営。周囲数百キロ内に人工的な灯りは一切無いのだが、自分を取り巻く水平線が360°赤く染まっている。

立ち上がる天の川に並ぶように鮮やかなオーロラが立ち上がた。そのタイミングに合わせ友人にパラグライダーをライズアップしてもらい、フラッシュでキャノピーを写し込んだ。(MO-D E-M5+ED 8mm F3.5 Fisheye、ISO640、絞りF3.5、シャッタースピード61.4秒、TOAST Pro使用)

 

かすかなオーロラが天の川に並ぶように立ち上がっている。水平線が赤く染まっているのは何故なのだろう?(MO-D E-M5+ED 12mm、ISO640、絞りF2.0、シャッタースピード46.4秒、TOAST Pro使用)

 

ここまで来ると北極星はほぼ頭上に見える。TOAST Proのセッティングもご覧の通りだ。

 

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【TOAST Staff コメント】

小貝さん、おかえりなさい。無事のご帰国なによりです。まずはお疲れ様でした!

モバイル赤道儀TOAST Pro導入後、初の遠征場所がなんと極北の地「ユーコン準州」とは、さすがでございます。

オーロラの撮影に行ったことがある方ならわかると思いますが、夜空にオーロラが出現した時、冷静に状況を見極めながら構図を決め、その瞬間にベストなカメラのパラメータを設定してシャッターを切るのは、実に困難なことですよね。

かくいうTOASTスタッフも、極北の地での遠征撮影では、ご多分にもれずテンパッてしまい、ひたすらシャッターを押し続けるだけという醜態で、予定していた撮影など全くできずに帰国した苦い思い出が・・・。

さて、今回の小貝さんの遠征撮影では、出発する前に具体的な作品のイメージ作りを終え、それを実現するために必要なツールとしてモバイル赤道儀TOAST Proを導入されたわけです。
プロの撮影では、こんなふうに、思い描いた作品から必要な機材や情報を導き出すいわば逆算の絵作りが行われるんですね。

ブレイクアップ中のオーロラは想像以上に明るい現象です。

露出もわずか数秒間で終えないと明部が簡単にトンでしまいます。

そんななか、モバイル赤道儀TOAST Proがその効果を発揮するのは、一般の方なら見向きもしない比較的暗いオーロラの出現中です。その中でもさらに吟味したオーロラでなければなりません。

ところで、同じレンズをつかっても、日本で撮影する時と、極北の地で撮影する時とでは、赤道儀で追尾しなくても点像に写せる最大露出時間が大きく異なることをご存知ですか?

たとえば、フルサイズセンサーのデジタル一眼レフカメラに24mmのレンズを付けて、緯度35度の日本国内で固定撮影(写真三脚に直接カメラを乗せて長時間露光する方法)した場合、赤道儀を使用せずに星が点像に写せる限界の露出時間は、およそ20秒ですが(撮影する方向やカメラの仰角によっても異なります)、今回小貝さんが遠征された緯度60度以上の場所では、さらに長い露出をかけても星を点像に写すことができるのです。

星景撮影モードをつかうと、2倍近い露出時間でも星は点像に写りますが、同時にフレーミングする地上の景色が、カメラからどのくらいの距離にあるのかによって、その作品に最適な露出時間が異なってきます。

地上の景色が遠ければ、2倍近い露出時間、ログハウスなど近くて大きめの建物を前景に入れた場合は、露出時間を切り詰めるなどして、使用するレンズによって地上の景色が流れて見えるギリギリの露出時間を探るのがコツです。

今回の場合、モバイル赤道儀TOAST Proを使った「オーロラと星空の共演」作品を撮影する場合は、前記の24mmレンズであれば、露出時間は状況によって30秒から60秒の範囲で調整することがひとつの目安となります。

小貝さんが、30秒から60秒の範囲内で撮影されているのは、TOAST Proの星景撮影モードをしっかり理解されている証です。

 

数字の話はこれくらいにしてと・・・、

そんなことよりも、星空とオーロラの中でパラグライダーが翻っている作品、インパクト大です!

さすがパラグライダー専門の小貝さんならではの作品。しかも合成ではなく1ショットによるものですから、現場での緊張感が伝わってきます。

 

今後、さらにTOAST Proを使いこなしていただき、小貝さんの理想とする作品イメージを目指して頂ければ幸いです。

スタッフ一同、心よりご期待申し上げております!