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モバイル赤道儀 HOMETOAST Style 小山武彦さん星野写真編

TOAST Style

Vol.07小山武彦さん 星野写真編

撮影地探し

≪その1からの続き)

自宅から約100kmのいつもの観測地でも光害が気になるとすれば、やはり移動は高速道路を使わざるを得ない。「休日特別割引1000円で走り放題」を使うことを念頭に、地図とにらめっこで候補地を探した。

高速道路での移動であってもせいぜい2時間程度にしたい。また、インターチェンジからはそんなに遠くない方が良い。標高は高い方が良く、見晴らしが良い等々、いろいろ贅沢な条件を頭に浮かべながらネットでの作例とかでも撮影地を検討した。これが結構楽しいのである。

あれこれ悩んだ挙句、以前家族で行ったことのあるマイナーなスキー場が候補に挙がった。また、昼間のうちに周辺の状況を確認しておきたいという気持ちも強く、新月期はできれば撮影に行きたいので、満月期に現地調査を行うことにした。

そんな訳で「おーい、紅葉見物とアウトレットモールにドライブしないか?」と10月初旬の日曜日に家族に声をかけた。

「えー、まだ紅葉には少し早くない?何か下心があるんじゃないの?」と家内。
「アウトレットモールで何か買ってくれるの?」と長女。
私は「いや、写真撮影に適した場所を見つけたんだけどさ、いきなり夜行くのは危ないんじゃないかと思って、昼間のうちに下見に行きたいんだよね」と説明すると、「なーんだやっぱり星かぁ」と家内、「じゃあ行くけど、何か買ってね!」と長女はちゃっかりしている。
ともあれ、家族でドライブがてら下見をすることになったのである。

自宅から約2時間半のドライブで、新しい観測地に到着した。

メインの駐車場は上空に高圧線が通っており撮影の邪魔になる。しかし少し外れた駐車場は、視界もそこそこだし、メインの道路から離れているので車のライトも邪魔にならない。なかなか良い場所が見つかった。

名月
仲秋の名月

下見の帰りに、約束のアウトレットモールへ立ち寄り、女性軍はお買い物である。私は、仲秋の名月をのんびり眺めて、次回の撮影はいつになるかなと思いをめぐらせた。

新観測地にて

10月の新月期は海外出張になってしまい、撮影はできなかったが、11月の新月期に期待をかけた。

11月14日の土曜日、朝から雨が降っていたが昼には上がる予報だ。新観測地付近の予報も夕方から晴れである。Webカメラで遠征予定地周辺の雲の様子を気にしながら夕方まで待ち、雨が上がったので思い切って出発した。

途中、高速道路で雲が切れ星が見え始めた。
現地に到着したときには快晴となり、満天の星である。
今回はTOASTとTOAST Proだけ持参したので、一晩中、広角撮影である。例のごとく、セッティングは10分程度で完了し、早速撮影開始である。

さすがに、空は抜群である。冬の天の川がはっきり見える。
今回は、秋から冬の天の川に沿って冷却改造デジタル一眼で撮影した。
また、フルサイズの対角線魚眼で冬の天の川を撮影した。空が良かったこともあり、両方とも画像処理をすると対日照までもくっきりと浮かび上がってきた。

秋の天の川
秋の天の川
秋の星空
秋の星空
冬の天の川
冬の天の川
オリオン座からおうし座
オリオン座からおうし座

以前撮影した夏の天の川と対になる魚眼レンズによる冬の天の川の写真が撮影できたことはラッキーである。この素晴らしい空でもう一度夏の天の川を撮影したいものである。

この日はやや風は強いものの一晩中快晴で、双眼鏡や肉眼で満天の星を楽しみながら、追尾はTOASTとTOAST Proにお任せの自動撮影だった。

薄命が始まり、下山途中に東の空から上ってきた明けの明星と釣り針のような月が非常に綺麗だった。

明けの明星と月
明けの明星と月

長焦点の写真鏡によるDeepSkyの撮影も面白いが、TOAST Proによるお気軽広角撮影もまた非常に面白い。天候の具合や、撮影対象に合わせて、暗い場所を求めて、気軽に移動する撮影スタイルもこれまたTOASTスタイルである。

その3≫に続く)

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