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モバイル赤道儀 HOMEEnjoy! TOAST超シンプル!プロ御用達の意外な微動システム

超シンプル!プロ御用達の意外な微動システム

様々な汎用パーツと組み合わせて、自分のスタイルに合ったシステム設計を楽しめるモバイル赤道儀TOAST。皆さんはどのようなモバイル撮影システムを組んで運用されているでしょうか? 今回はTOAST開発チームが常用しているちょっと変わったシステムの一例をご紹介しましょう。

市販されている一般的なポータブル赤道儀の場合、微動装置と組み合わせた専用三脚(架台)がオプションとして提供されています。専用設計のため使い勝手もよく、特に極軸望遠鏡を使った極軸合わせの際は、微動装置が威力を発揮してくれます。一方、専用設計がゆえに欠点もあります。それはシステムとして大きくなってしまうこと。もちろん望遠レンズをつかった撮影では、堅牢な専用架台を使用したほうが良いことはいうまでもありません。

さて、モバイル赤道儀TOASTの魅力は、広角レンズをつかった星景・星野撮影はもちろん、望遠レンズを使った天体撮影まで対応できる性能を有していること。これをひとつのシステムでフルカバーするとなると、常に望遠レンズ用の大きなシステムを携えて移動しなければならなくなります。

デジタル一眼レフカメラに広角レンズをつかった星景撮影では、スチル三脚と簡易的な極軸合わせで十分です。撮影する対象や目的によって架台や雲台の組み合わせをその都度変えて出かける。これが、TOASTシステムを考える上で重要なキーワードになるかも知れません。

例えば海外遠征撮影をイメージしてみてください。航空機のオーバーチャージ費用や現地での機動性を考えれば、可能な限りシンプルでコンパクトなシステムで運用することを誰もが考えるはずです。最も効率が良いのは、スチル用三脚を利用することでしょう。TOASTが内蔵電源仕様としたのもシンプルでコンパクトは運用を実現するためのです。

TOAST開発チームも、開発機のテスト撮影ではあちこちのフィールドに出かけます。特に望遠レンズを使った撮影では、極軸のアライメント精度はもちろん、架台のたわみが撮影結果に大きく影響を及ぼすため、できる限りシンプルで堅牢なシステムが求められました。

そこで考えられたのは、天体望遠鏡用の市販微動装置を使うのではなく、堅牢なスチル用三脚とTOASTの傾斜ウェッジとの間に、こんな装置を取り付けたシステムでした。

2枚の円盤を3つのネジで支えただけの、至ってシンプルなパーツ構成。
この見慣れない装置は、レベリングベースと呼ばれるものです。高さが低くシンプルな部品構成なだけに、たわみもなく堅牢性は十分。3本のネジを操作するだけで、最大±5度の範囲で上下角度を調整できます。必要にして最小限のこの機構が、TOASTでの極軸合わせで抜群の効果を発揮してくれるのです。

傾斜ウェッジを使ったシステムなら、大まかな高度は三脚の脚の出し入れで粗動調整。ポーラファインダーの視野の中では、レベリングベースのネジを操作して目的のマーカーに北極星を導き、極軸アライメントを行います。レベリングベースでの微動タッチはスムース。ネジを締めて固定する構造ではないので、締め戻しがなく視野がピタッと決まるのがミソです。

方位角の調整は?との突っ込みが入るのは当然ですが、高度の微調整に比べれば意外と簡単なので、手馴れた開発チームのメンバーは、三脚を直接操作して(石突部を手で触りながらジリジリと動かしてみたり!)左右の調整をしてしまいます。

もちろんスチル三脚用の雲台を間に加えてやれば、方位角の調整はもっと容易です。ただ架台部のタワミを考慮することなく本体性能の検証を続行する必要があった開発チームは、(物ぐささも手伝って)至ってシンプルな、こんなシステムで運用していたりするのでした。

この一見乱暴とも思えるこのシステム。笑い飛ばすも、目から鱗となるも、もちろんご自由です!でもモバイル撮影というからには、これくらいスマートなスタイルでフィールドに出かけてみるのもいいですよね。

スチル用三脚との組み合わせから望遠鏡用の架台まで、目的に合わせてシステムアップを楽しむこと。TOASTシステムを構築する際のヒントとなれば幸いです。

【TOAST Style】

専属のプロカメラマン御用達のシステム例。雲台を外したジッツォの三脚に直接レベリングベースを付け、傾斜ウェッジ付きのTOASTを載せている。架台部に全くガタがないので非常に安定したシステムが組めるのが魅力だ。
但し、このシステムでは方位角の調整機構がないため、三脚自体を動かして左右方向の調整をすることになる。この作業はある程度の慣れとコツが必要なため、誰にでも気軽にオススメするシステムではないことは確か。

【雲台を加えて快適操作】

三脚雲台の上にレベリングベースを挟んだシステム例。既に上記のシステムを手軽に使いこなしている開発チームでは、このように雲台を使うスタッフは実は少ない。ガタが少なく、できるだけ背の低い雲台のほうが安定するだろう。

【耐加重15kgの堅牢パーツ】

パノラマ撮影用に開発されたこのレベリングベースは、もともとは付属の水準器をつかって架台の平行を出すための微動装置。耐加重15kgの心強い金属製パーツだ。
ネジをつかった機構のため、取り付ける三脚や雲台の形状によっては、ネジの頭が当たって微動操作できないこともあるので注意が必要。実際の操作は、2枚の円盤の間にあるネジを指先でまわして行なう。ガタが無い分フリクションは強めなので厳冬期にはちょっと辛いかも?!

【Simple style】

傾斜ウェッジと組み合わせる場合、水平の地面に設置すれば、そのままの状態でTOASTの極軸方向高度は35度。おおよそ方位角をあわせればポーラファインダーの視野に北極星を導入することはそれほど難しくない作業だ。
極軸合わせのための専用微動装置ではないので、アライメント作業はある程度コツが必要となるが、堅牢でシンプルなシステムを組む際には便利なアイテムだ。
ウェッジ部分の拡大写真1拡大写真2

【レベリングベースの操作性】

3本のネジは真鍮製。下側のナットネジはストッパーになっている。ポーラファインダーでの最終的な高度微調整は、傾斜ウェッジがどの位置で固定されたとしても1本のネジ操作でおおよそクリアできる。

(今回ご紹介した商品は、販売店およびメーカーで推奨または何ら保証するものではありません。あくまで自己責任のもとでお試しください)