Enjoy! Toast

モバイル赤道儀 HOMEEnjoy! TOAST Dish-2撮影実践編
このコーナーは、開発メンバーの知人の知人である「青年K」がモバイル赤道儀のテストを依頼され、その活用方法を探るべく展開した(時に無謀な)試行錯誤を記録したものです。
※ これはあくまで青年Kの個人的な意見・感想ですのでご了承下さい。

K's Report TOAST Pro編その43・Dish-2星空撮影準備編

3月上旬以降はパンスターズ彗星を追いかけ、時間を見つけては撮影地へ出掛けるという日々が続いた。と、同時に新製品である「Dish-2」の実戦投入とインプレッションも行なわなければならない。「Dish-2」は、モバイル赤道儀TOAST Pro用に開発されたオプションで、期待の“極軸合わせ専用微動架台”、念のため。
そんな中、3月の中旬、翌日が休み〜!ってことで、通常の星空の撮影する機会に恵まれた。

 

例年、この時期というのはいわゆる、ポータブル赤道儀による撮影=広角〜望遠レンズによる撮影、には不向きな季節なんだよね。というのも・・・、

  • 夜の早い時刻には、冬の主な撮影対象は沈んでしまう。
  • 夜半前は春霞の影響も大きく、よどんだ空のことが多い。
  • 夜が深まってからは、サイズの大きい天体は少ない。
  • 撮影対象盛り沢山の天の川が昇ってくるのは、明け方間近だし。

 

だけどね、今年の春はちょっと思うトコロあってね。

というのは、ちょっと前の、このTOAST TECHNOLOGYのWebサイトにあるTOAST-Blogね。韓国のLee Jae Rimさんが、焦点距離たった180mmの望遠レンズを使って「子持ち銀河M51」を撮っていたでしょ?まぁ正直言って、あそこまで写るとはちょっとビックリしたね。そしてその「撮ってやろう!」という心意気にもね。ウチには180mmより長い300mmあるし、負けていらんない。
今まで、おヒマをもらっていたこの時期だったが、「系外銀河狙い」の目標も出来た。「Dish-2」も手元にあることだし、張り切っていってみよう!

 

てな訳で、極軸合わせ専用微動架台「Dish-2」のインプレッションと系外銀河の撮影を兼ねて、撮影地へと向かう。

ホントは夕方のパンスターズ彗星も狙いたかったんだけど、今回は仕事が押してて間に合わず…。
春霞を避けるように標高の大きい場所を目指す。北八ヶ岳の一角に陣取る。カラマツに囲まれた、なかなか良いロケーション。東の低空もそこそこ見えているので、明け方に回った時のパンスターズ彗星の撮影地としても利用出来そう。

 

到着したのは、日のとっぷり暮れた暗闇の時刻だったけど、毎度のこと機材の組み立てはラクである。アルカスイス接続はいつもきちんと仕事をしてくれる。

「Dish-2」も前回のコラム通り、ワンタッチで接続。なんのストレスも無い。

撮影出来る状態まで組み立てて、レンズが冷えるまで待つ。極軸合わせはその後だ。機材を載せて極軸合わせをする、のも正確なセッティングに必要な条件。また併せて、載せた状態で「Dish-2」の使い勝手もテストしないとね。

 

一時間後、空は若干の春霞ではあるが、快晴。レンズもどうやら外気温になじんできたようだ。今回は宣言通りCanon EF300mm F4、望遠レンズ一本で攻める。ジンバル経由の搭載なので300mmという長焦点距離レンズの、様々な難しさも軽減されるハズ。バランスとか構図合わせとかね。

 

ここから極軸合わせ。まずはポーラアライメントホールに北極星を導入する。三脚の開閉と伸縮でおおよその水平を出し、次に方位方向の粗動が可能な「Dish-2」の円形プレートで方位を合わせる。これで北極星を穴の真ん中付近に導くことが出来た。

 

ここで極軸望遠鏡を覗いてみると、ほぼ中央に北極星がきている。暗視野照明で浮かび上がったパターンと、見えている星々を同期させる。ここで「Dish-2」に働いてもらう。事前テストと同様に動きがリニアに分かる。これだけのカメラ、レンズ、雲台を載せた状態でも同じ。今までの上下左右の動きとは違うが、なにしろリニアな動きなので、導入操作は戸惑いが無かった。今回は300mmという長めの焦点距離なので、慎重に位置合わせを行ない、実現出来たように思う。そして何より本当にストレスが無かったのがイイネ!

 

今回はDeep Skyを狙うので、北極星だけでなく、ポーラファインダーの指標に描かれたセカンドスター「δ-UMi」とサードスター「51 Cep」の3つの星をつかった3点アライメントで時角を正確に合わせたから、たぶん完璧!

 

撮影対象は5つの系外銀河に絞ってあった。見栄えのしそうなヤツね。おおぐま座のM81&M82、同じくM101、りょうけん座のM51、しし座のM65&M66、うみへび座のM83である。300mmの焦点距離を追尾するには、慎重なセッティングに慎重な撮影作業が必要。ほんの少しだけギアの東側荷重にするようにして、さらに、子午線を越え西に傾き始めた天体から順番に撮影をこなしていくようにした。
幸い、これらのことが功を奏したようで、1コマ5分露出で成功は7割!今までの撮影行の中でも、なかなかの成功率だったねぇ。迎えた朝日が気分良く目に染みるぜ(笑)

 

まずは写野全部のをお見せします。

M81,M82 M51 M65,M66 M101 M83

(クリックで拡大します)

どうだろか?なかなかのもんでしょ?(笑)目標の銀河以外に、周りにもたくさん小さな銀河が写ってる!表情も様々。個々のアップも良いけど、宇宙に漂う銀河っていう感じもなかなか良いね。今回の極軸合わせ専用微動架台「Dish-2」使用による精密なセッティングと慎重な撮影工程が良い結果をもたらしてくれたんじゃないかなぁ。露出も結構かけられたからなぁ。

 

最後に個々のアップもお見せします。

M81,M82アップ M51アップ M65,M66 M101アップ M83アップ

(クリックで拡大します)

これまた良いでしょ?(笑)簡単に言っちゃえば、デジタルカメラの進化のお陰なんだけどさ。ディテールなんか見てると、ホントこれがカメラの望遠レンズなの?って感じ。でもたった300mmなのです!しかもF4のレンズ!


今回はこれまで。来月には、明け方の天の川も撮影対象に入れることが出来るに違いない。この組み合わせでの写真、どんどん増やしていこう。
次回は平行して行なっていた「タイムラプス」撮影における「Dish-2」の運用テストのレポートといきたいと思います。