Enjoy! Toast

モバイル赤道儀 HOMEEnjoy! TOAST 広角レンズのかーんたんピント合わせ
このコーナーは、開発メンバーの知人の知人である「青年K」がモバイル赤道儀のテストを依頼され、その活用方法を探るべく展開した(時に無謀な)試行錯誤を記録したものです。
※ これはあくまで青年Kの個人的な意見・感想ですのでご了承下さい。

K's Report 「広角レンズのかーんたんピント合わせ」

最近ちっとも晴れない…。

前回の撮影から早二ヶ月。こんなとき、天体写真ファンの皆さんは何をしてるんでしょうかねぇ〜?ダークやフラットを撮ったり、撮りためた画像を処理したり、はたまた次回の撮影の為の対象選択や構図の吟味をやるんでしょうね。手先の器用な人は便利な自作パーツの製作なんかも楽しいよね!

かく言うオレはと言えば、このコーナーの更新もすっかり途絶えてしまった(撮影出来ないんだもん)…。気の利いたネタがパッと浮かべば読み物になろうものを。

 

そんなこんなで(どんな?)、仕方なく過去の画像の処理をしたワケ。

このコーナーの為に望遠レンズでの撮影を主として「モバイル赤道儀TOAST」を使ってきたんだけど、合間にちょこちょこと広角レンズで遊んでいたんだよね。その画像の処理はすっかり後回しになってて、それをきちんとやってしまおうと思ってね。

それで仕上げた画像を仲間に見せたら、

「なかなかいいじゃない!シャープだね。どうやってピント出したの?広角のピント出しって結構面倒でしょ?」

って聞くもんで、かくかくしかじか、こういう風にやってるよ。と説明したら、「へーっ、それでいいの?」という反応。あまり知られてないのかな?

まぁ何でもいいや!こういう方法もありますよ、というカタチで書くこととします。知っているヒトはスルーでお願いします。

 

オレの方法、それはレンズと呼ばれるモノの全てが持つ特性「過焦点距離」を利用するコトです。「過焦点距離」の理論と、それをピント合わせに応用するときの原理はここでは述べません。きちっと光学書にて調べて下さいね。ネットとかだと、ちょっと???なんてのが多いから、気を付けましょう。

 

要は使用するレンズのFナンバー(F)、焦点距離(f)、要求される像直径(δ)が決まると、ある一定以上の距離(過焦点距離=H)にある対象にてピントを合わせれば、無限が出てしまうというものです。昔からパンフォーカスを得るために採られていた方法です。

 

これにはきちんと、右のような公式があります。この式に使用するレンズの値を代入するわけだね。

 

例えば28ミリ、F2.8、のレンズを前提とすると…

となって、16メートル以上の距離にある何らかの物体にピントを合わせれば、無限が出るワケ!これを昼間のウチにやっておき、ピント位置をメモっておけば、いざ撮影というときには指標をそこに合わせればそれでオシマイ!簡単でしょ?

 

具体的な手順を言っておけば…

  1. 16メートル以上離れたモノをファインダー中心に入れる。コントラストのあるモノが望ましい。空をバックにした電柱とか(100メートル先にある電柱と決めておけば、大抵のレンズに対応可能)。
  2. 大体のピントを目測で合わせる。
  3. そのピント位置の前後で試写してみる。指標も確認。
  4. プレビューの拡大(最高拡大)を使って、比較・確認する。
  5. 3,4を繰り返す。
  6. 最もシャープなトコロの指標をメモる。
  7. 念のため、ズラした後、再現させてみる。
  8. 再現できればOK!

 

文で書くと長いけど、実際はものの5分もあれば出来ます。プレビューが出来るデジカメならではの方法と言えます。

この方法での留意点としては…

  1. 例では目標像直径を18ミクロンとしました。最近のAPSサイズのデジカメに合わせてね。もっと凝るヒトは小さい値を入れてみて。
  2. ED、SD、LDといった低分散硝材を使用したレンズのピントは気温変化に敏感。さらにレンズ鏡胴の材質もさまざま。なるべく使用時温度に近い条件で試写するのが望ましいです。でも実際はね、そんなに気にしなくても合っちゃいます。
  3. 昼間明るいトコロで出来るので楽、です。撮影地でのピント合わせのストレスから開放されます!
  4. 過焦点距離が2〜300メートルを超えるようになると、大気のゆらぎなどで試写対象もボケます。望遠レンズなどには適さない方法です。

 

本来ならば、現地にて、時と共に変わり行く条件に合わせてその都度ピント合わせを行なうということが王道。最近はデジカメのライブビューやその周辺のソフト、更には天体写真のピント合わせに特化したソフトまで存在するので、それらを使っているヒトが多いよね。

たかが広角(されど広角なんだけど)にそこまでは…というアナタにオススメなのが、この方法です。絶対、完璧に!というヒトは前述の方法で合わせて下さいね。

 

焦点距離とFナンバーによる過焦点距離一覧

  10o 20o 30o 50o 85o
F 1.2 4.7m 18.6m 41.7m 115.8m 334.5m
F 1.8 3.1m 12.4m 27.8m 77.2m 223.0m
F 2.8 2.0m 8.0m 17.9m 49.7m 143.4m
F 4.0 1.4m 5.6m 12.5m 34.8m 100.4m
F 5.6 1.0m 4.0m 9.0m 24.9m 71.7m