タグ : モンゴル

TP-2 極寒のモンゴルに行く Part Ⅳ

 

今日の東京はとびっきり寒い朝を迎えましたが、みなさんのお住まいの街ではいかがだったでしょうか?

それとは比べ物にならない氷点下35度のモンゴルに持ち込まれたTP-2

今回も、韓国の天体写真家LEE JAERIM氏がTP-2で撮影した作品をご紹介していきましょう!

 

モンゴルの夕日

 

TP-2と夕景

 

Lee氏のシステムは、パンベース・クランプユニットに換装しジンバルフォークユニットを搭載した最新のモバイル赤道儀「TP-2」というスタイル。これをGitzoのシステマチック三脚に乗せての撮影です。

日が暮れると一気に気温が下がっていきます。

 

 

ぎょしゃ座

【撮影データ】

Canon EOS 5D MarkIII、Zeiss 50mm F2.8(F5.6)、ISO 1600、300秒露出
TP-2にて自動追尾撮影

 

オリオン座

【撮影データ】

Canon EOS 5D MarkIII、Zeiss 85mm F2.8 (F5.6)、ISO 800、180秒露出、
TP-2にて自動追尾撮影

 

圧縮データの掲載のため、マスターデータの素晴らしい解像感をお伝え出来ないのが残念ですが、目が覚めるようなシャープさです。

今回の撮影システムは、5D MarkIIIにZeissの中望遠レンズと多少ボリウムのある機材ですが、パンベース・クランプユニットジンバルフォークユニットをつけているため、完全にバランスを取ることが可能。バランスさえ適切に取ってあげれば、TP-2はかなりの重さの機材でもしっかり追尾してくれますので、今回も全く心配なく余裕だったそうです。

 

ところで、12月のモンゴルの夜は、連日強風が吹き荒ぶ天候で大変だったようでうす。

そんな中でも、問題なく撮影ができたのは、TP-2システムの実はもちろん(笑)、なによりLee氏は脚周りに十分な配慮をしているからです。

Gitzoのシステマティックシリーズは、今回の撮影機材に対しては、スペックオーバーともいえる大型で堅牢な三脚です(カーボン製なのでとても軽量です!)。

しかし、今回のように風が強い夜には、しっかりとした三脚を組み合わせ、あまり脚を伸ばさずにつかうことが重要。歩留まりが圧倒的に向上します。

なおかつ、三脚の脚の先は、スパイクに交換し、凍った地面に突き刺すことで、非常に安定するのです。

その点、Gitzoのシステマティックシリーズは、各脚に標準でスパイクが内蔵されているため、いちいちスパイクを持ち歩く手間がいらないので、屋外でのネイチャー撮影には持ってこいの三脚ですね。

 

ちなみ、Lee氏がモンゴルに持っていたフラット三脚「A3180T」にも、標準でスパイクが付属していますので、あとから買い足す必要がなく、便利ですよ!

TP-2 極寒のモンゴルに行く PartⅢ

さてさて、このところ続けて韓国の天体写真家LEE JAERIM氏のモンゴル遠征の様子をご紹介していますが、現地で撮影した作品がいくつか届きましたので、今回は作品紹介編といきましょうか。

 モンゴル 全周魚眼レンズ
【撮影データ】
Canon EOS 5D MarkIII、EF8-15mm F4(F5.6)、ISO 800、902秒露出、TP-2にて自動追尾撮影

 

ます最初は、キヤノンのFisheyeレンズEF8-15mm F4で狙ったモンゴルの全周魚眼ショットです。

撮影地は、モンゴルの首都ウランバートルから車で70分ほどの距離にある牧草地。

周囲の光源にかかわらず、低空までびっしり星が写っているのがよくわかりますね。

 

ペルセウス座付近
【撮影データ】
Canon EOS 5D MarkIII、Zeiss 25mm F2.8(F5.6)、ISO 1600、LEE-Filter #2
TP-2にて自動追尾撮影

 

シリウス付近
【撮影データ】
Canon EOS 5D MarkIII、Zeiss 180mm F2.8(F5.6)、ISO 1600、3分露出
TP-2にて自動追尾撮影

 

LEE氏は出発直前にZeissの28mmを手放し、代わりに25mmを新たに入手、今回はこのレンズのデビュー戦だったそうです。

それにしても、素晴らしい解像感ですね。

大口径レンズの180mm F2.8も微光星でバックグラウンドがびっしり埋まっています。

シリウスがきれいに滲んでいますが、これはレンズに霜が付いてしまったことによる副産物だそうです。

 

また、作品が届いたら、随時ご紹介していきますね!

TP-2 極寒のモンゴルに行く PartⅡ

 

韓国の天体写真家LEE JAERIM氏がモンゴルへの遠征計画を立てたのは、何を隠そうアイソン彗星を撮影するため。しかし、残念ながら太陽の藻屑と消えたのは記憶に新しいところです。

モンゴルまで遠征したにもかかわらず残念ながらアイソン彗星の姿をカメラのレンズでとらえることができませんでしたが、かわりに明るく成長したラブジョイ彗星がモンゴルの夜空を彩ってくれたそうです。

 

ラブジョイ彗星【撮影データ】

Canon EOS 5D MarkIII、Zeiss 180mm F2.8(F5.6)、ISO 1600、2分露出、TP-2にて自動追尾撮影

 

この夜の冷え込みも強烈だったそうで、三脚のそばに置いておいたカメラバッグはご覧の有り様。

凍りついたバッグ

 

 

凍りついたカメラ

 

もちろんカメラも真っ白に凍結してしまいましたが、TP-2同様、しっかり仕事をしてくれたそうですよ。

もう何の画像なのかよくわからないです!(笑)

この状況で、LEE製ディフュージョンフィルターをつけての撮影もしたというのですから凄すぎますね。

 

さてさて、今回LEE氏がモンゴルに持参したTP-2システムを見せていただきましょう。

TP-2 撮影システム

 

三脚は、プロカメラマンの間でも定評のあるGitzoのシステマチックシリーズと、TOAST Online Shopでも絶大な人気を誇っているBENROのフラット三脚「A3180T」です。

特にフラット三脚のA3180Tは、LEE氏お気に入りの1本だそうで、世界中どこに行くときもthinkTANKphotoのカメラバッグに差し込んで携えているのだとか。

TP-2周辺に垂れ下がっている幾つものケーブル類は、TP-2の電源をはじめ、ヒーターシステムなどのもの。

 

撮影システム

 

肝心のTP-2は、デフォルトで付属するDovetail Stageから、アルカスイス規格のカメラ周辺機器が瞬時に脱着できるオプション「パンベース・クランプユニット」に換装し、さらに「ジンバルフォークユニット」を使って、広角から望遠レンズまでをカバー。

 

TP-2の電源としては、マルチデバイス対応の 「cheero Power Plus 2」 モバイルバッテリーを持参。

USB-5V出力で 10400mAh もの大容量を誇るこのリチウムイオンバッテリー1本で、1周間の遠征撮影を難なくクリアしたそうです。

このバッテリー、密かに青年Kも愛用してる人気商品(?)。

価格はなんと3000円ちょい!というから驚きの一言です!

モバイルバッテリー

 

5V出力のUSB端子が同時に2個使えるので、1個をTP-2用に、もう片方をレンズヒーター用に利用でき、超便利!

 

話がそれましたが・・・、LEE氏のTP-2システムをよく見ると、袋のようなものが垂れ下がっていますね。

 

撮影システム

これは、クライミング用のチョークバッグ。

中に保温したバッテリーやフラッシュライトを入れて霜を避け、さらに吊り下げることにより凍ったケーブルへの負担を最小限にするという工夫です。

バッグの上部は紐で簡単に開閉できるので、バッテリーの保温用としても、なるほどうってつけかもしれませんね!

 

以上、LEE氏のモンゴル遠征「機材編」でした!

TP-2は、果たして氷点下35℃の過酷な環境で動くのか?

 

TP-2のスペックを見ると動作温度が0℃から+40℃と記されているが、これはあくまでメーカーによる保証値だ。

実は、TP-2の電子回路に搭載されたICチップ等の電子部品の保証値からくる数字だ

そのため、この環境温度以外での使用は保証の対象外となる。

 

すでに多くのオーロラ写真家が極地でTOAST TECHNOLOGYのモバイル赤道儀を使用し、見事な作品の数々を発表していることからも分かる通り、メーカーの保証はされないが、零下環境でも問題なく動作しているようだ。

 

TOAST TECHNOLOGYのWEBでコラムを担当する青年Kが、以前、近所の精肉店の業務用冷凍庫の片隅にTP-2を放置し、低温環境下での駆動テストを敢行したことがあるが、バッテリーの保温などをきちんとしてあげれば、いずれも問題なく動作している。

これは一体どういうことなのか?

 

実は、電源を入れた状態のTP-2のモーターは、回転運動と同時にコイルから発熱が起こっている。

このモーターからの熱がモノコックボディーの内部で対流することで、ギアユニットのグリスや電子回路の凍結防止に一役買っているというわけだ。

そのため、TP-2をアラスカなどの極寒地域で使用する場合には、電源を入れた状態で屋外に出してやることがポイント。駆動している状態なら、かなりの低温環境下でもグリスは凍らない。

ただし、電源を外してしまうとグリスは凍結しやすい。一旦凍ってしまったら、どんな赤道儀でもカメラでもアウト、グリスが溶けるまでは決して動かない。

グリスを溶かして再起動させるには、まず結露防止のため、一旦ビニール袋に入れて完全密封し、室内に数時間置き、温度に馴染ませる必要がある。結露した状態で電源を入れてしまいカメラの電子回路を壊してしまった、という話は枚挙にいとまがない。

 

ところで、この画像をみていただきたい。

モンゴル

 

 

実は、氷点下35度で一晩撮影を終えたTP-2の姿だ。

電源ケーブルとカメラ用のリモートケーブルが、完全に凍結してしまっているようだ。

しかし、この状態でも、問題なく自動追尾撮影が可能だった。

 

TP-2に限らず、ケーブル類はこのようにすぐ凍結してしまうため、何気なく触ってしまうと簡単に断線してしまうので、要注意。オーロラの撮影などでは、ケーブルの予備はぜひ用意しておきたいといわれるのは、このためだ。

 

モンゴル

 

真っ白に凍ったTP-2を、軒先(室内だが室温は冷蔵庫並の温度)に放置し、しばらく経過した様子がこれ。ようやくボディーカラーがわかるまで融けてきたところだ。

とにかく、極寒の外気から温かい室内に直接入れることだけは絶対にしてはいけない。もちろんカメラも同様だ。

 

モンゴル

これらの画像が撮影されたのは、実は冬のモンゴル。

TOAST Blogでも何度か作品を紹介したことがある韓国の天体写真家LEE JAERIM氏が、昨年の12月上旬にモンゴルに遠征するとの連絡を受け、スナップ撮影をお願いしていたのだ。

「おそらく朝方にはマイナス35度を下回っていたとおもいますが、TP-2は、全く問題なくいい仕事をしてくれましたよ」と、LEE氏。

この時TP-2で撮影した作品も随時送ってくれるそうなので徐々にご紹介して行きますね!

モンゴルの星空

【撮影データ】

Canon EOS 5D MarkIII、EF14mm F2.8(開放)、ISO1600、TP-2にて自動追尾撮影