アーカイブ : 2013年 12月

【ユーザーQuestion】TP-2でカメラを2台載せるのにはどうすればいいですか?(タイムラプス編)

前回ご紹介したデュアルカメラシステムですが、天体の自動追尾撮影の他に、タイムラプスムービー撮影でも活躍するシーンがあります。

今回は、ささっとこの話をしておきましょう。

 

基本システムの組み方は、前回の【ユーザーQuestion】でご紹介したので、それを参考にしてみてください。

さてさて、「パンベース・クランプユニット」とロングプレート、2つの自由雲台の他に、タイムラプスアダプター「Dish-25」と、極軸調整支援用微動架台「Dish-2」を組み合わせると、こんな感じのシステムが出来上がります。

 

デュアルタイムラプスシステム

見たまんまです。

2台同時にタイムラプスムービーの撮影が行えるシステムですね。

でも、これは実にメリットが多いシステムなんですよ、実は。

 

タイムラプスの撮影は、タイマーリモートコントローラーをつないだカメラで、数秒間隔で連続撮影をしていくことで、人間の目では確認できないほどのゆっくりとした動きを、気持ちのよい速度で可視化してくれるもの。

 

タイムラプスムービーは、それこそ撮影自体は簡単ですが、その分、ロケーション選びのセンスや、光の展開を予測するセンスなどが必要な、実に奥の深い表現手段なんですね。

星を入れたタイムラプスの場合、1秒分のムービーを作るのに必要な30カットを撮影するには、(表現方法によって変わりますが)軽く10分以上の撮影時間が必要いなります。

30秒のムービーを作るには、その30倍の時間がかかる計算にいなります。

したがって、一晩に撮れるシーンは、せいぜい1つか2つということも。

途中でミスに気がついても、取り返しがつかない、なかなか大変な撮影なのです。

 

このタイムラプスムービー用のデュアルカメラシステムなら、単純に、一晩で撮影できる作品が2倍になります。

それに同じ時間で、異なる風景・シチュエーションの作品を同時に2つ撮影できてしまうので、これはもう便利、べんり!!

もちろん、懐事情の良い方なら、複数台のTP-2をあちこちにセットして、異なる景色なのはもちろん、付加するカメラワークの速度や方向などのバリエーションを一気に稼ぐことも可能です!!(笑)

プロの方は、実際このようなスタイルで撮影されているかたもたくさんいらっしゃるようですよ。

 

 

【ユーザーQuestion】TP-2でカメラを2台載せるのにはどうすればいいですか?

今年も残すところあと数日。

今日で仕事納めという方も多いのでは?

 

さて今日もモバイル赤道儀のユーザーからご質問が来ていますよ。

TTスタッフが出来る限りお答えしていきたいとおもいます。

では行ってみましょう!

 

【ユーザーQuestion】
TP-2でカメラを2台載せるのにはどうすればいいですか?

 

【TTスタッフからのAnswer】

おおっ、デュアルカメラシステムをご検討ですか!

お目が高い!

 

TP-2は、非常に高いトルクと剛性を有するモバイル赤道儀ですので、搭載時のバランスをきちんと取ることさえ注意して頂ければ、一般的な広角レンズをつけた2台のデジタル一眼レフカメラ(中型機)を搭載し、1回の追尾時間で2カットを同時に撮影することができます。

 

では、まずは、システムから行ってみましょうか!

 

今回は、TTスタッフが実践しているシステム例をご紹介することにしますね。

TTスタッフたちが使用するTP-2の多くは、利便性の面で、標準で付属するDovetail Stageから、人気のオプション「パンベース・クランプユニット」に換装しています。

「パンベース・クランプユニット」は、ステージが360度自由に回転し、どこの位置でも固定する事ができるので、回転機構がない自由雲台を使用した場合には、ボール機構とあわせることで、さらに自由なアングルを可能にしてくれます。

また、クランプはアルカスイス規格に準拠していますので、市販のカメラ周辺機器の多くがそのまま装着可能、なおかつシステムの大幅な軽量化にも寄与する、大変便利なオプションです。

 

次に、市販のロングプレート(アルカスイス規格)を用意し、その左右端に適切な大きさの自由雲台2個をそれぞれ接続します。

ちなみにTTスタッフは、搭載する機材によって、20センチから24センチの長さのロングプレートを使い分けています。

 

この自由雲台に、2台のカメラを取付け、最後にロングプレートを「パンベース・クランプユニット」へ固定します。

これでデュアルカメラシステムの完成です!

 

デュアルカメラシステム

 

ここで注意しなければならないことは、左右のカメラのバランスを確実に取ってあげること。

「パンベース・クランプユニット」に換装したTP-2ならそれも簡単です。

クランプをゆるめ、ロングプレートを左右に動かしながら、左右のバランスがとれたところで、再びクランプするだけ。

 

見た目はかなりトップヘビーになりますが、このシステムは上下左右のバランスがほぼ完璧に取れますので、三脚さえしっかりしたものを使っていただければ、実に歩留まりの良い撮影が可能になります。

デメリットとしては、2台のカメラの構図を別々に合わせてからシャッターを切らなければならないので、実はあまり時短にはつながらないかも。

また、カメラ同士の間隔が近いので、構図を合わせるのにちょっと苦労することもありますね。

さらに、トップヘビーなので、カメラに触ったらどうしてもシステム全体が揺れるので、その振動が収まるまでしばし待つ必要がある点。

おなじく、重心が高くなるので、強い風などの影響を受けやすくなる点、などが挙げられます。

 

一方このシステムが威力を発揮するのは、なんといっても流星群の撮影でしょう!

予め2台のカメラのアングルを決めたら、タイマーリモートコントロールで、メモリーカードの容量がなくなるまで、完全自動追尾&自動撮影が可能になります。

自宅に戻ってからPhotoshopなどの画像処理ソフトで比較明合成すれば、満天の星空に、いくつもの流れ星が放射性に流れる作品を作ることができます。

しかも、2台同時に別々の空を狙っておけば、流星のヒット率も2倍、2倍!!!!

 

それ以外にも、実はタイムラプスムービーの撮影でも、デュアルカメラシステムが活躍します。

これは、また別の機会にご紹介しましょうか!

【ユーザーQuestion】TP-2で彗星をメトカーフで撮るにはどうすればいいですか?

 

さて、今日もモバイル赤道儀のユーザーからご質問が来ていますよ。

TTスタッフが出来る限りお答えしていきたいとおもいます。

では行ってみましょう!

 

【ユーザーQuestion】
TP-2で彗星をメトカーフで撮るにはどうすればいいですか?

 

【TTスタッフからのAnswer】

ああ、なるほど。

以前、Blogでご紹介したこの画像をご覧になって、不思議に思ったのでしょうね。

アイソン彗星

 

TP-2には、恒星を撮影するための「STAR」モードのほか、「SUN」、「Moon」と三つの天体撮影モードを搭載しています。

しかし、残念ながら彗星撮影モードや惑星撮影モードというのは、ありませんよね。

これには理由があります。

惑星や彗星は、夜空の中で固有運動をする天体だからです。

今は、高感度のCCDカメラで彗星の核を捉え、複数の駆動軸を制御しながら固有運動をトレースしていく方法もありますが、彗星の撮影では昔から「メカトーフ法」が用いられてきました。

そう、彗星の撮影といえば、「メカトーフ法」だったのです。

しかし、固有運動を追尾するには、最低でも2軸以上の駆動軸があり、なおかつその固有運動の詳しいパラメータを予め入力し、軸を個別に制御する必要があります。

つまり、どんなに精度が高いモバイル赤道儀TP-2といえども、1軸駆動では固有運動をシミュレートすることは不可能なのです。

 

「でも、実際に彗星を追っかけて撮影してるじゃん!」

という声が、まさに今回のご質問の意図でしょう。

 

実は、その答えは超マニュファクチャリングなものです。

TP-2を「STARモード」にし、通常の星野撮影の時のように彗星をカメラでフレーミングし追尾撮影するだけです。

このとき、タイマーリモートコントローラーなどを使って、(使用するレンズの焦点距離にもよりますが)30秒から1分程度の短時間露出で複数枚(10枚から20枚)のカットを連続撮影します。

ポイントは、彗星の核が流れて映らない程度の短い露出時間を繰り返すこと。

できればRAWで撮影しておくといいでしょう。

 

撮影が終わったら、RAW現像ソフトですべてのカットを同じパラメータで適切に現像します。

次に、Photoshopなどの画像処理ソフトをつかって、撮影カットを順番にコンポジット処理していきます。

そのまま重ねるだけでは、星はすべて点像になっていますが、彗星の核は、線状に写っているのがわかります。

ここからが腕の見せどころです!

 

核の部分を強拡大して、すべての画像の核がピッタリ重なるように一枚ずつ丁寧に位置を合わせ、最後にそれぞれのレイヤーを比較的合成などで1枚の画像にコンポジットして出来上がりです。

「えっ!?それだけ????」

 

はい、巷では「メカトーフコンポジット法」なんて洒落たネーミングで呼んでいる方もいるようですが、TTスタッフは、昔っからこの方法です(笑)。

見た目はメカトーフ法で撮影したかのように見えますが、「メカトーフコンポジット法」だったのです(笑)。

 

擬似的ではありますが、この方法を使うだけで、彗星のコマの部分や尾の細かいディテールまで表現ができますので、モバイル赤道儀を使った彗星の撮影方法としては、かなり面白いとおもいますよ。

質問者さん、こんなところでご納得いただけましたでしょうか?

 

さて、今夜はクリスマスイブ。

予定がある人もない人も、夜空の星を眺めながら、1年で最も忙しく世界中を移動するサンタさんに想いをはせてみてはいかがでしょうか?

今年も「北アメリカ航空宇宙防衛司令部」では、サンタクロース追跡プログラムを実施しているようですよ!

 

ではみなさん、素敵なクリスマスイブをお過ごし下さいね!

「Merry Christmas!」

【ユーザーQuestion】ハワイで撮影するには、南半球の星を探さないとだめだそうですが、難しいでしょうか?

もうすぐクリスマス!みなさん、いかがお過ごしでしょうか?

TTスタッフは、年末の大掃除に駆り出され、はやくも筋肉痛です(笑)。

さて、今日もモバイル赤道儀のユーザーからご質問が来ていますよ。

TTスタッフ、今回は頑張ってお答えしていきますよ! 

 

【お問い合わせ内容】
初めまして。来年、モバイル赤道儀を持ってハワイに出かける予定です。ハワイ(カイルア山)で撮影するには、南半球の星を探さないとだめだそうで
すが、難しいでしょうか?

 

 

【TTスタッフからのAnswer】

ハワイへの遠征計画、とても楽しみですね!

カイルア山というのは、ハワイ島のマウナケア山のことでしょうか?(ちがってたらゴメンナサイ)

TTスタッフもハワイ島のマウナケア山では、何度もモバイル赤道儀を使った追尾撮影をしています。

 

ハワイでは、南十字座など南半球の珍しい星座も見ることができますが、緯度は北緯20度前後ですので地理的には北半球です。

したがって、日本での撮影同様、北極星を使った極軸合わせができますので、まずはご安心を。

 

東京の緯度は、36度前後ですので、それに比べるとハワイで見上げる北極星の位置がとても低いことにまず驚かされます。

そうは言っても、ハワイで北の空を見上げれば、馴染みある星座が広がっていますので、あまり慌てることもありません。

もしも、赤道儀を使った追尾撮影に慣れてないようでしたら、出発前にぜひご自宅の近所で構いませんから、極軸合わせの練習やテスト撮影をして、十分なスキルを身に着けておくと、現地で慌てずに済みますよ。
ご自宅周辺でテスト撮影する際には、ひとつ注意が必要です。

街明かりで夜空が明るいため、高感度設定で絞りを開放にして撮影すると、10秒もしないうちに画面は真っ白になってしまいます。

そこで、カメラのISOを200などの低い設定にして、レンズの絞りもF11からF22などかなり絞って行うのがコツです。

極軸合わせが終わったら、実際にカメラで3分程度のテスト撮影をして、カメラの液晶モニターで撮影した画像を拡大し、星が流れて(線状に)写っていないかどうかをチェックします。もし大丈夫なら、もう少し長い露出時間で試すか、レンズをより長い焦点距離のものに交換して、どの程度の精度で極軸合わせができているかを確認するのもオススメです。

 

マウナケア山

 

「標高2800mのオニズカセンターで見上げた星空」

ところで、もしハワイ島のマウナケア山へいくナイトツアーなどに参加されるのであれば、他のお客様と一緒に行動するので、思った以上に撮影に当てられる時間が少ないかもしれません。

その限られた時間を有効的につかうためにも、自宅での練習とテスト撮影がきっと役立つことでしょう!

 

マウナケアのナイトツアーでは、標高2800m付近のオニズカセンターというところか、もう少し上にあがったところにあるスペースで星空観察が行われます。

ツアーでは、防寒着を貸してくれるところもありますので、念の為確認しておくといいでしょう。

標高がとても高い場所ですので、高山病のリスクを伴います。

上に上がったら、動きはくれぐれもゆっくりと、走ることは禁物ですよ。

 

撮影の成功をお祈りしております!

うまく撮影できたら、ぜひ送って下さいね!

 

以上、今日のAnswerでした!

【ユーザーQuestion】ポーラファインダーを覗くと像が逆さまに見えるのですが、これで正しいのでしょうか?

大人気のモバイル赤道儀「TP-2」。

TP-2が初めての赤道儀、というユーザーもたくさんいらっしゃるようです。

そこで、ユーザーのみなさんからのご質問にTTスタッフができる限りお答えしていこう決心しました(笑)。

さて、最初のQuestionは、ポーラファインダーについてです。

では早速、いってみましょう!

 

【お問い合わせ内容】
ポーラファインダーを覗くと、ポーラファインダー内では像が逆さに見えるのですが、これで正しいのでしょうか?
ポーラファインダー内に描かれているスケールは正しく見えますが、これに夜空を合わせようとしても夜空が反転しています。

 

【TTスタッフからのAnswer】

・・・そのことに、気づいてしまいましたか、さすがの観察力に、TTスタッフも脱帽モノです。

確かにポーラファインダーで地上の景色を見ると上下が逆さまになって見えます。ポーラファインダーには、さらに極軸合わせの為の指標(レチクル)が描かれていますのでなおさら不思議におもいますよね。

ではお答えしましょう!

 

双眼鏡やフィールドスコープは、肉眼で見たままの姿で遠景が拡大されて見えますから、それらと比べると上下逆さまに見えるポーラファインダーには違和感を覚えるのは当然です。

対物レンズと接眼レンズを組み合わせたケプラー式と呼ばれる一般的な望遠鏡では、対物レンズから入って光は、鏡筒の中で上下が逆さまの像を(倒立像)空中に結びます。これを接眼レンズで拡大して見ているために、望遠鏡でみる風景は上下が逆さまなのです。

上下が逆さまだと支障がありそうですが・・・。

望遠鏡は、星を観察するために使われる特殊な光学機器ですが、星には、上も下もありません(北と南はありますが)から、上下が逆さまのままでも天体観測の際に全く支障がないのです。接眼レンズの前にプリズムをはさむことで景色の上下をみたままの像(正立像)にすることも可能ですが、できるだけ余計な光学系を挟まないほうが星の観察には適している、というわけでケプラー式望遠鏡は上下が逆さまのままになっているんですよ。

 

さて、ポーラファインダーも小型のケプラー式望遠鏡ですので上下が逆さまに見えます。

でも、地上の景色を見るための道具ではないので全く支障はありませんよ。
北極星の周辺だけが拡大されて見えればいいわけです。

さらに、ポーラファインダーは、内部の指標(スケール)と夜空を見比べながら回転させて使いますので、なおさら上下という概念は必要ありません。
したがって、お手元のポーラファインダーは正常です!

 

「ポーラファインダーで地上の景色を見ると、上下が逆さ見えますが、これは普通のことですのでご安心ください。」

 

以上、今日のAnswerでした!