アーカイブ : 2013年 9月

ミラーレス一眼 OLYMPUS OM-D E-M1

往年の銀塩カメラ「OMシリーズ」を彷彿とさせるクラシカルなデザインと、天体写真に十分対応する性能を兼ね備えたミラーレス一眼「OM-D E-M5」が登場したのは、約1年半前のこと。

EM-5の登場で、もともとネイチャー志向が強いといわれる多くのオリンパスユーザーが星空にレンズをむけるようになったのは、ごく自然な流れでした。

今では、EM-5による素晴らしい天体写真の数々が、ネット上に溢れています。

 

そして、ミラーレス一眼のフラッグシップ機EM-5の後継機となる「OM-D E-M1」が9月10日に発表され、俄然注目を集めています。

高感度特性をさらに向上させた新型センサーの搭載で、ますます天体撮影ファンを増やしてくれそうです!

オリンパスでは、10月上旬の発売に向けて、EM-1の魅力と可能性を体感できるグローバル・スペシャルOM-Dサイトの公開をスタートさせています。

 

OM-D EM-1

 

これは、グローバル・スペシャルOM-Dサイトで、アクセサリーやレンズを紹介するページのスクリーンショット。

様々なフィールドでEM-1が活躍するイメージを紹介しています。

 

ところで、気が付きましたか?

「何が?」って・・・。ほらASTROっていうカテゴリーがあるじゃないですか!

EM-1が天体撮影も想定していることを感じさせるメーカーからのメッセージ。

 

OM-D EM-1

よく見ると、ジャンルイメージのサムネイルには、なんとTOAST Technologyのモバイル赤道儀の姿が。

しかもプロカメラマン用に提供されていた限定ブラックカラーバージョンが、Berlebach(ベレルバッハ)の木製三脚に鎮座し、実に素敵なイメージショットとして仕上げられています。

 

マイクロフォーサーズシステムでは、驚くほど多彩なレンズ群を自由に組み合わせることができることも大きな魅力の一つです。

コンパクトなミラーレス一眼は、明るく高性能な大口径レンズを装着しても十分に軽くコンパクト、モバイル赤道儀との組み合わせとしても、実に合理的です。

 

OM-D EM-1の発売が待ち遠しい今日このごろ。

みなさんは、どんな機材に注目していますか?

 

宮古島遠征 その③ :井上普丘 様

撮影風景

さて、オーバーホール後の TOAST Pro の様子ですが、一度ガイドが赤経方向に追いつかない現象が発生しました。しかしこれはバッテリー切れによるものでした。

動作不安定なレベルにまでバッテリ電圧が低下、もしくはモータに流れる電流が低下したとき、暗闇の中では本体の赤LEDがそれなりに点灯しているように見えるため、バッテリ切れに気付きにくいところがあると感じます。

バッテリにリチウム乾電池を使っており、その長寿命性を過信していたことも一因です。オーバーホールに出した際、新品のバッテリに入れ替えており、以降私が使用したのは2晩だけでした。
「アルカリ電池の7~8倍の長寿命」という謳い文句をそのまま信じると1ヶ月ぐらい保ちそうですが、これはカメラのように電力消費量が多いタイミングが撮影時の一瞬しか無いような使い方を想定したもので、常に電流が流れ続けるモーター駆動のような使い方では額面通りにはならないようです。

バッテリ切れに気付いた後、カメラボディ用の外部電源として使用している23000mAh のリチウムイオン蓄電池「 TEC TMB-23K」から、カメラ用に設定している9VをDCジャック二股で分岐させ、TOAST Pro にも9V給電を行いました。

他にレンズヒーター(“USBあったか忍者手袋”片手のみ)もこのバッテリからUSB5Vを介して給電していましたが、一晩使用した後、バッテリ残量は50%程度でした。撮影中に必要な全ての電力をこのバッテリから供給しても、一晩は保ちそうです。

 
問題が起きていた極軸設定精度ですが、南国では北極星の高度が低く、また北極星方向に霞がかかっており、常に3星全ては見えない状況でした。このため2星導入のみの極軸設定となりましたが、

・200mm 2分はほぼ問題無し
・200mm 3分になると、2コマに1コマは微妙に星像が楕円になる
・200mm 4分になると、星像が線になり始める

といった感じです。
ボディがAPS-Cフォーマットですので、換算300mmであることを考えると、極軸設定精度なりの結果だと思います。

ポタ赤の本来の役割からすれば十分な精度とは思いますが、もう少し極軸望遠鏡の限界等級が高ければ、あるいは場合に応じて北極星時角設定方式も使えれば、換算300mmが常用できるのに、とも思います。
オートガイド対応も方法の一つですが、技術的ハードルがより低いと思われる極軸望遠鏡の口径UP、鏡筒内反射の低減、極軸設定方式の多様化も、是非ご検討ください。

オーバーホール前に、当方のテスト撮影で追尾が大きくズレていた件ですが、赤経方向のずれは前述のバッテリ残量低下により、ガイドが不安定になっていた可能性があるのではないか、と考えています。赤緯方向のずれは、実際の所よくわかりません。

今回、三脚の先を、今まで使っていたチタン合金のスパイクから、GITZO 純正の金属スパイク+ゴムの滑り止め付のものに換えました。また、地面はコンクリートから、アスファルトに変わっています。今回は特に問題無さそうでしたので、前回は追尾中に三脚の開き加減が変わり、極軸がズレてしまった、と考えるのが自然かもしれません。

いずれにせよ、本番で問題無く撮影が出来、安心しました。
ありがとうございました。

 

***************TOAST TECHNOLOGY***************

【TTスタッフより】

井上さん、詳細なご報告ありがとうございます。

大変参考になりました。

使用するバッテリーによって、電圧低下で描かれる曲線が異なりますので、詳細な電源管理を実現するには専用バッテリーを使用しない限りは難しいですが、一定の電圧を下回った時に(バッテリーによっては、まだ容量が残っていたとしても)LEDでバッテリー交換のタイミングを促してくれるようになると、確かに便利ですね。ぜひ検討してみたいと思います。

ピリオディックモーションが±7秒各以内という数字は、35mm版センサー換算で300mmの望遠レンズを追尾できる精度を有しているといえます。

それより焦点距離が長くなったら追尾ができないかというと、そうではなく、歩留まりは下がってきますが、堅牢な三脚や架台、雲台などを使い、しっかりクランプして、システム全体の剛性を高めると同時に、パンベース・クランプユニットを使って搭載機材のバランスを正しくとってあげれば、500mm前後のBORGでも撮影できてしまうんですよ。性能的なトルクは十分有していますので。

こうしたユーザーからのフィードバックは、開発部門にとっても、実にありがたいことです。

 

それにしても、撮影中の機材のスナップ写真、実に素敵ですねぇ。TTスタッフのお気に入りです!

宮古島遠征 その② :井上普丘 様

 

前回の更新に引き続き、井上さんの宮古島遠征のリポートをご紹介してきましょう!(TTスタッフ)

 

望遠(200mm) 撮影風景

撮影風景
レンズ:AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VR II
マウントアダプタ:Rayqual NFG-FX.T
ジンバル雲台:Really Right Stuff PG-02/CB-10
赤道儀:TOAST Pro
極軸設定用微動雲台:テレスコ工房 TK-ALZM-1
三脚:GITZO GT2542L

 TOAST Pro の赤経ステージは、パンベースクランプユニットに換装済み。TOAST Pro – ジンバル雲台 – マウントアダプタ間は、それぞれアルカスイスタイプのクランプ・プレートで固定。

 

昴

プレアデス星団

9枚コンポジットです。

 

夏の銀河

夏の銀河

最終夜。
帰る準備をし、娘共が寝入った後、ひっそりと部屋を出て海岸へ。
22時頃から準備を始めるも、ポタ赤のバッテリが切れる等のアクシデントに遭い、撮影開始は真夜中から。

しかし…ひっきりなしに薄雲が通過し、マトモに露出掛けれず。
10~20秒、および2~3分のショットを中心に、21枚コンポジット。

Lee ソフトフィルタ No.1 使用。でも薄雲フィルタがあったから、要らなかったのかも。

 

旬を過ぎた、夏の大三角

旬を過ぎた、夏の大三角

ダーク減算処理が酷すぎたので、修正して再up

12枚コンポジットです。

 

 

アンドロメダ銀河

アンドロメダ銀河

フィルタ未使用ながら夜露の付着に気付かず、輝星は盛大にハロってます。

当の被写体すら薄雲を通した状態で、北極星自体殆ど見えない有様。当然3星使った極軸設定は出来ず。極軸設定精度は2分が限界。

ぶっちゃけ失敗作ですが、微妙なガイドミスショットもノイズ除去用コンポジットに活用。
ガイドミスショットも含めた加算合計に対し背景オフセットを増やし、輝度ピークのオフセットを減らして、ガイドがマシなショットを加算合成しレベル調整したものと比較明合成。

等倍で見ると粗が目立ちますが、遠目にはイケるかと。

 

冬の走り~オリオン座中心部

冬の走り~オリオン座中心部

加算コンポジット20枚。

 

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【TTスタッフ コメント】

井上さん、素晴らしい作品をご投稿いただきありがとうございます。

宮古島は家族旅行だったようで、毎晩夜な夜な一人でフィールドに出かけて星空を撮影されていたそうですね。寝不足の中の家族サービスは、さぞ大変だったのでは?

それにしてもFUJIFILM X-E1の天文バージョンの威力はすごいですね~。

TTスタッフも思わずこのカメラに触手を伸ばしてしまいそうです。

宮古島遠征 その① :井上普丘 様

オーバーホール、ありがとうございました。

その後宮古島の満天の星空の元、無事に撮影することができました。

 

使用したカメラボディは IR/UVカットフィルタを除去した Fujifilm X-E1です。
レンズは以下の3つを使用しました。

・AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G ED
・AF-S NIKKOR 24mm F1.4G ED
・AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VR II

ボディとレンズの間に Rayqual 製マウントアダプタを挟んでおり、その中に IDAS の IR/UV カットフィルタ UIBAR-III を入れています。

AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G ED では、マウントアダプタの介在にバックフォーカスが正規マウントから微妙に変わってしまうため、無限遠がピントリング上近距離の位置となってしまい、結果、周辺星像が放射状に伸びてしまう問題があります。
それ以外の2本のレンズでは、F4~5.6程度まで絞ることで、周辺まで点像を結びます。

 

夏の銀河≪広角版≫

夏の銀河≪広角版≫

使用したレンズは AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G ED。
星撮りの定番と言われる名レンズですが、どーも Rayqual のマウントアダプタとは相性が悪いようで最外周は放射状に星像が伸びます。

ピントリングが無限遠のところで丁度無限遠になるようバックフォーカスを調整しないと、こうなってしまうのでしょう。
Xマウントに限らず、マウントアダプタを介して他マウントで使用するときは、できるだけオーバーインフの余裕が少ないマウントアダプタを使用した方が良さそうです。絞っても改善せず。

しかしその広大な写野は魅力的で、APS-C のフォーマット下でも、地平線か天頂のベガまでを一望できます。散開星団M6/M7が没するまでの47枚をコンポジット

 

天の川下り、秋冬編

 天の川下り≪秋~冬編≫

途中からレンズに結露して、輝星が霞んじゃいました。(^^;
6枚コンポジット

 

広角(14mm) 撮影風景

撮影風景

レンズ:AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G ED
マウントアダプタ:Rayqual NFG-FX.T
自由雲台:梅本製作所 SL-50AZD
赤道儀:TOAST Pro
極軸設定用微動雲台:テレスコ工房 TK-ALZM-1
三脚:GITZO GT2542L

TOAST Pro の赤経ステージは、パンベースクランプユニットに換装済み。TOAST Pro – 自由雲台 – マウントアダプタ間は、それぞれアルカスイスタイプのクランプ・プレートで固定。レンズが異なること、蛇腹フード・ソフトフィルタが無いことを除き、基本構成は 24mm f/1.4 の撮影風景

 

余談ですが FUJIFILM X-E1、IR/UVカットフィルタ除去改造を行うと、ISO6400が常用できる天文用デジカメとして、非常に優れていると思います。
軽量ですから、ポタ赤向けでもあります。
ただ、改造前には殆ど出なかった熱ノイズが画面の1/4のエリアで発生するようになるため、ダークノイズ対策が必要です。

それにしても、1枚あたり僅か2~3分の露出でここまで写ると、ポタ赤でカバー出来る領域が大きく広がると思います。

 

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【TTスタッフ コメント】

井上さん、おかえりなさい。宮古島遠征の成功、スタッフ一同大変喜んでおります。

今回のメインカメラは、APS-Cサイズの大型センサーを搭載したミラーレスカメラ「FUJIFILM X-E1」、しかも IR/UVカットフィルタを IDAS の IR/UV カットフィルタ UIBAR-IIIに換装した天文バージョンということですが、TTスタッフ初めて聞きましたよ。

FUJIFILM X-E1は高画質で非常に評判のいいカメラとして、様々なジャンルのユーザーに人気の注目機種ですよね。

おっしゃるとおり、小型軽量のミラーレスカメラは、モバイル赤道儀と組み合わせた遠征撮影では非常に相性がいいといえます。

星のピント合わせは、いまやライブビューで行うのが常識になっていますので、光学ファインダーがなくても特に問題がなくなっています。

短時間露出のカットを大量に撮影しコンポジットする方法は非常に効果的です。

次回も井上さんが宮古島遠征で撮影された作品をご紹介しますよ!

台風18号上陸、列島縦断中!

羽田空港
TTスタッフ、実は今日の昼の飛行機で北海道ロケに出発する予定でした。
搭乗予定のJAL便は・・・欠航です。仕方ありません、さすがにこの天候ではどうにもなりませんからね。

夕方以降の便に振り返ができるかどうか、他のスタッフが懸命に手続きに挑んでいますが、当然厳しい状況です。

そんなわけで、足止めを食っているこの間に、こうしてブログの更新中であります!
頻発する謎の追尾エラーに悩まされいたモバイル赤道儀ユーザーの井上さん。
9月初旬に沖縄県の宮古島へ遠征撮影にでかける予定のため、オーバーホールのご依頼をいただいたのは、8月初旬のことでした。

お送り頂いた機材の内部を精査しましたが、機械的にも電気的にも特に不具合はみあたらず。
困りました・・・。
こういったケースでは、極端なアンバランス状態での機材搭載や、組み合わせる三脚や架台、自由雲台などなどの周辺機器でのたわみや緩みなどが原因であることも考えられるため、まずは井上さんのご協力のもと、一緒に撮影システムや運用方法などを細かく検証していくことになりました。

すぐにオーバーホールをしてしまえば、話は早いように思われますが、それは違います。

遠征先の宮古島で安心して撮影に専念していただくためには、何がエラーの原因となりうるのか、その可能性を探っておくことこそ、TTスタッフにとって最も重要なこと。

本体の不具合であれば分解してしまえば直ぐに特定ができますが、それ以外の原因を探っていくのためにはユーザーのご協力が不可欠です。

 

ひとつひとつ、可能性があると思われる項目を検証しながら進めていくわけですが、素晴らしかったのは、IT技術者である井上さんからの情報。検証データに基づいた丁寧なフィードバックに、修理を担当するTTスタッフも思わず力が入ります。

ご提供いただいたデータをピクセル単位で解析するなど、井上さんのご協のもと、時間をかけ追尾エラーの原因を探っていきましたが、本体の不具合ではなかったため、残念ながらその時点では特定ができませんでした。

 

さて、ここからは、宮古島遠征へ向けて最高の状態にするため、オーバーホール作業に専念です。

すべてのパーツを分解清掃・グリスアップ・組み立て・調整と、丁寧にオーバーホールを済ませ、試写結果も良好。
内部がピッカピカになった機材を井上さんにお戻しできたのは、宮古島出発直前でした。

 

結局追尾エラーの原因特定ができなかったため、一抹の不安はあるものの、常に客観的な事実をもとに判断される井上さんのこと、宮古島遠征までに撮影システム全体の再検証をして挑まれるはず・・・。

こうして、TTスタッフは宮古島での撮影成功を祈りつつ、井上さんからのご報告を待ったのでした。

 
「オーバーホール、ありがとうございました。
その後宮古島の満天の星空の元、無事に撮影することができました。」

井上さんから再度連絡をいただいたのは一昨日のこと。

撮影成功の報に、TTスタッフ一同ガッツポーズです!

 

そんなわけで、次回更新から数回に渡って、井上さんの宮古島遠征の成果をご紹介してまいりますので、乞うご期待です!

井上さん、ご投稿有難うございます!
・・・と、ここまで書いたところで、北海道行きの飛行機の振り替え便の手配はまだ実現しておらず・・・

各地で台風の被害が出ているようです。皆さんくれぐれもご注意くださいね。