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今回の北米皆既日食を高精細な4K動画で撮影するため、TOASTスタッフたちは独自の機材や撮影方法を試みました。
そのひとつがTOAST TECHNOLOGY製の特殊フィルターです。
この二つの画像は、別々のGH5で撮影された4K動画から1フレームを静止画として切り出したものです。
一見同じような印象ですが、よく見ると内部コロナの映り方が大きく異なるのが分かります。
実は、上は市販のGH5で撮影したもので、下はTOAST TECHNOLOGYで北米皆既日食用に改造したGH5による動画です。
その効果は一目瞭然。4K 10bit V-Log収録と特殊フィルターの組み合わせが、今後の皆既日食撮影のスタンダードになってくる、そんな予感すら抱かせる作例になりました。
後処理によるコンポジットではない分、撮影本番が勝負の全て。ますます緊張感あふれる現場になりそうです。
今回TOASTスタッフたちは、テレビ番組やカメラメーカーとのプロジェクトなどで撮影を行うことになりました。
そのため、メインのミッションは、4K動画による皆既日食の撮影です。
様々なバリエーションカット用に多くの撮影機材を持ち込む必要があり、TP-2とあわせて複数の小型軽量システムを構築するために選んだカメラがPanasonicのGH5。
マイクロフォーサーズセンサー搭載の「GH5」は、プロユースの動画撮影ニーズにも対応するデジタル一眼カメラです。
特に、高精細な4K動画撮影では、4K60pの高フレームレートやバリアブルフレームレート、6Kフォトなど、どれも皆既日食の撮影に活かせる機能が盛りたくさん!
なかでも4:2:2 10bitによる4K30p収録でV-Log Lガンマを組み合わせると、驚くほどの広ダイナミックレンジ撮影が可能になる点が選定の大きな理由でした。
これはGH5で撮影した4K動画から1フレームを切り出した静止画です。
大きく広がる繊細なコロナのディテールと同時にプロミネンスも見えているのがわかります。
スチルカメラで同様の画像を得るには、露出の異なる複数のカットを多段階露光で撮影しておき後処理で合成、R-USM処理やHDR処理をする必要があります。
ところが、4:2:2 10bitとV-Log収録により広ダイナミックレンジ撮影が可能なGH5なら、4K動画でありながらここまでの表現が実現するんですね。
GH5の4K動画はこれまでの概念を大きく変えるもの、皆既日食の動画撮影を実に面白くしてくれました。
V-Log収録した動画は撮影後のカラーグレーディングが前提となりますが、コントラストと色調整により美しく詳細なディテールを浮かび上がらせることができます。
ところでスチール撮影を担当したTOASTスタッフは、目下コンポジット処理に追われている真っ最中のようです。出来上がりが楽しみですが、完成後は動画とガチンコ勝負です!
アメリカに遠征したユーザーの方がいらしたら、リポートともにぜひ作品をご投稿下さいね!
今回の皆既日食を撮影するため、TOASTスタッフたちは別々の場所に散りました。天候へのリスクヘッジというわけです。
TOASTスタッフのひとりは、こんな場所で撮影に臨みましたよ。
見渡す限り一面の麦畑。これは前日の夕日ですが、黄金色に染まった麦の穂が実に美しかったそうです。
そして当日の夜明けの空。薄雲が空全体を覆う心配な天候のなか、機材の準備を始めます。
ツアーではないので他に日本人はいません。麦農場の軒先(?)を借りて、あちこちに機材を分散して設置しました。その多くはタイマーによる自動撮影です。
GH5に100-400mmの望遠ズームレンズを付け、さらにEXテレコンを組み合わせると、その焦点距離は35mm版換算でなんと1120mm。1000mmを超える機材がこんなコンパクトなシステムで済むのは驚きです!
まさに海外での皆既日食遠征用に最適なシステムのひとつですね。
カメラはジンバル雲台に搭載しているので、超望遠レンズでも完璧にバランスを取ることができます。
前日の夜中に極軸を合わせておき、ロープワークで大地にアンカーを打ってしっかり固定するのも重要です。
TP-2の駆動は「SUN」モードに合わせ、いざスペクタルショーに挑みます!