冬の夜空のフォトジェニック:平野さん

 

今月の新月期は久しぶりに星空が広がってくれたようです。

今週はTOASTスタッフ2名が南信州に遠征して撮影にのぞみましたが、もう雪が降って来たそう。

八ヶ岳連峰もすっかり雪化粧です。

 

さて、常連の平野さんから新作が届きましたので早速ご紹介しましょう!

 

********** 平野さんのコメント **********

お久しぶりです。平野です。

今年の夏はひどい天気が続きましたが、秋も終わり冬に入ってやっと天候も安定してきましたね。

久しぶりに撮影に行ったので作例を送付いたします。

[オリオン座全景]

カメラ:α7S 天体改造
光学系:SIGMA70-200 F2.8 DG OS HSM F4.0 70mm
フィルター:LPS-D1
感 度:ISO25600
露 出:30秒×74枚
追 尾:TP-2
後処理:ステライメージ7でスタック・強調処再周辺部理(再周辺部のみトリミング)
撮影日:2017年11月17日
撮影地:山梨県鳴沢村

 

[作者コメント]
SIGMA70-200F2.8はF4に絞ると最周辺部が少し落ちるのみで済むので、フラット補正なしで最周辺部のみトリミングをしました。

狙っていたバーナードループを写せたのはよかったのですが、やはり露出時間が足りずノイズが気になります。南部を薄雲が通過したカットがあったためリゲルがにじんでいますが、これはこれでいいかと思います。

次は魔女の横顔に挑戦したいです。

 

[オリオン座中心部]

カメラ:α7S 天体改造
光学系:BORG 90FL+レデューサー 360mm F4
フィルター:LPS-D1
露 出:ISO25600(30秒×88枚)、ISO12800(30秒×22枚)、ISO6400(30秒×31枚)
追 尾:TP-2
後処理:ステライメージ7で各露出別にスタック、さらに3枚でスタックフラットエイドでフラット補正、再度ステライメージ7で各種強調処理
撮影日:2017年11月10日
撮影地:山梨県鳴沢村

 

[作者コメント]
ISO25600、12800、6400と露出を変えて処理してみたのですが、それでも全然足りないようでM42の中心部はほとんど飛んでしまいました。

M42中心部のHDR処理は今後の課題ということにしておきます。

 

[作者コメント]
11月10日の撮影風景も合わせて送付いたします。

この日は明るいうちから準備を開始することができました。
現地で何度かお会いしたことがある方の顔を初めて拝見し、寒い中楽しくお話をさせていただきました。

顔が見えなくても機材や星の話で盛り上がってしまえるのは天体写真家あるあるですね。

 

ところで、来年春にTP-2を持って1週間ほどハワイ島へ行くことにしました。

低緯度地域での極軸あわせには、TP-2を3ウェイ雲台に乗せるのがよいとどこかのTIPSで紹介されていた記憶があるのですが、TP-2+ジンバル雲台+2キロ程度のレンズとカメラを安定して乗せられる3ウェイ雲台の使用実績はありますでしょうか?

ManfrottoのMHXPRO-3Wであれば耐荷重8kgとの表記があるのでいけるかなーと思ってはいるのですが。

それとも北米皆既日食の記事でちらっと出てきたスカイメモの雲台でも対応可能でしょうか。

 

********** TOASTスタッフ **********

平野さん、ご投稿ありがとうございます!

超高感度撮影した膨大なカットのスタッキング処理で淡い星雲のディテールが見事に表現されています。

M42は非常に明るい天体ですのでISO6400の30秒露出でもオーバーになってしまいますよね。

簡単に写る天体ですが、表現がとても難しいのがM42です。

 

ところで、この時期にハワイ島へ遠征するのは最高ですね。どのあたりで撮影されるのでしょう?

もう数え切れないほどマウナケア山頂で夜の撮影の仕事をしてきたTOASTスタッフがいますが(一般の方は日没後30分以内に下山しなければならないルールがありますので山頂での星の撮影はできません)、空港の税関で極地用のダウンジャケットを見られるたびに「ハワイに来て水着を持ってこないなんてクレージーなやつだ」と言われるとか。

撮影場所にもよりますが、ハワイでも防寒対策はお忘れなく!

 

さてハワイ島は北緯19.5度と日本よりも15度ほど緯度が低いので設置スタイルにも工夫が必要になります。

TOASTスタッフが仕事で良く使うのはジッツオのロープロファイル雲台です。

ジンバル雲台ではトップヘビーになりがちなので、振動や過重によるたわみなどの対策用として、なるべくシンプルな機構で高さの低い雲台を選ぶようです。

画像は星の追尾撮影用ではなく、3WAY雲台をつかったバーティカルスタイルによるタイムラプス撮影用の例ですが、クイックリリースクランプ部分をDish-2に差し替えれば極軸合わせが正確に行えます。

 

その他では、三脚にビデオ雲台用のハーフボールを組み合わせDish-2で極軸調整をすることも多いですよ。

 

高さが増してくるとシステム全体として見た時にたわみも大きくなるので、ロースタイルがリスクヘッジになるという考え方もあります。

TOASTスタッフたちはコンパクトで堅牢、軽量なDish-2の魅力に取り憑かれているので(笑)、それ以外のサードパーティ製品については詳しい使い勝手をアドバイスすることが叶いませんが、極軸合わせの操作に慣れていないユーザーは、X-Y駆動の一般的な微動架台の方がわかりやすいかもしれません。

ManfrottoのMHXPRO-3Wなら仕様的には十分だと思いますが、可能であれば量販店の店舗などで実際に触って強度を確認されると良いでしょう。

今夜のコズミック・フロント☆NEXT(5min版)

毎週木曜日の夜に放送されているコズミック・フロント☆NEXTですが、今夜は「コズミック・フロント☆NTXT 5min.」という枠で短編番組がオンエアされるそう。

歌人、藤原定家が書いた「明月記」。その中で京都の夜空に赤いオーロラが見えたという記述が。
過去に太陽がどのような活動を繰り返してきたかを探る研究にフィーチャーします。

番組で登場する低緯度オーロラのタイムラプス映像にも注目です!

 

(画像はイメージです。サムネイルをクリックすると番組のHPへ)

今夜のコズミック・フロント☆NEXT

NHKの人気宇宙科学番組「コズミック・フロント☆NEX」。

最先端の宇宙科学論を紹介する番組ですが、世界各地で撮影された美しい星空タイムラプス映像の数々も見どころのひとつです。

今夜のコズミック・フロント☆NEXTは、オーストラリアの先住民族アボリジニが「人類最古の天文学者」である可能性がでてきたという話題。

今回もTOASTシリーズで撮影された南半球の星空タイムラプスが存分に登場!?

4K、8Kカメラで撮影された星空タイムラプス映像は注目です!

 


(サムネイルをクリック!番組のHPにリンクしています)

ベイリービーズの連続写真:馬渕俊之さん

すでに3週間が経過しているというのに今なおTOASTスタッフの間では北米皆既日食モードなのであります!(笑)

TOASTスタッフと一緒にアイダホ州へ遠征したTOASTユーザーの馬渕俊之さんが撮影したベイリービーズの連続写真をご紹介しましょう!

 

[ベイリービーズ]

カメラ:Nikon 810A
光学系 :  TS FOA60+1.7倍テレコン
感 度:ISO 400
露 出: 1/2000s
追 尾: TS P2ーZ

********** TOASTスタッフ **********

月の地形の凹凸によってじわじわと太陽の光がまるでビーズのように連なって出現するベイリービーズ。

これは第三接触直前から1秒おきのインターバル撮影によって得られた画像を組み合わせた作品、ベイリービーズの様子が非常によくわかります!

真っ赤に染まったプロミネンスと彩層がドラマチックですね!

画像処理は同行したTOASTスタッフが担当しました。

ワイオミング州に遠征した動画専門のTOASTスタッフは、隣で口をぽかんとあけながらこの作品に見とれております(笑)。

馬渕さん、美しすぎますわ・・・。

シャッタースピードが狙い通りビシっと決まりましたね!

2017年8月21日の米国皆既日食 TP-2 使用報告:喜田研一さん

今日発売の天文ガイドの表紙、すごかったですね~。

動画撮影からの画像処理であそこまでのディテールが表現できるとは驚きのひと言です。

皆既日食において動画撮影の鍵を握るのは専用の特殊フィルターの存在です。

月刊天文ガイドのこの作例も市販のフィルターを上手く組み込み、簡易的なニューカーフィルターとして利用したとのこと。

今後このような動画の撮影方法が脚光を浴びていくのは間違いないでしょう!

さて、TP-2ユーザーの喜田研一さんからオレゴン州で撮影した皆既日食の作品をお送りいただきましたので早速ご紹介しましょう!

 

********** 喜田さんのコメント **********

2017年8月21日の米国皆既日食の撮影のため、オレゴン州
オールバニに行ってきました。

太陽追尾用にTOAST
TP-2を持っていきましたが、最も気になったのが昼間の極軸合わせです。

北極星による極軸合わせはキャンプ場のようなところでは可能ですが、今回は海外、しかもホテルに宿泊したため、北極星による極軸合わせは断念しました。 事前にTOAST サポートの方にメールで問合わせ、傾斜計とコンパスを使う方法を教えていただき、それを試してみました。

1.傾斜計とコンパスを使う極軸合わせ

太陽撮影でフレーム内を極端に太陽が早く移動しなければと使えるかもしれないという考えです。 適当な極軸合わせになるので、果たして使い物になるのか、撮影予定地において、前日、テストしてみました。

真北を表示できるコンパスとGPSによる現地位置情報取得、小数点以下一位を表示できるデジタル傾斜計のスマホアプリ(IOS)を使用しました。

コンパスで真北と、傾斜計で緯度44.5度が表示されるよう赤道儀をセットして太陽を追尾してみました。結果は、上々で数時間太陽はフレームセンターを維持できることが確認できました。日食撮影においては、このような極軸合わせでも使い物になりそうです。

21日の本番においても、ほとんど太陽をフレームセンターに維持したまま撮影を完了することが出来ました。

2.使用したスマホアプリ

・真北を表示できるスマホアプリ 「IOSアプリのコンパス」

 

・デジタル傾斜計スマホアプリ 「Clinometer」

 

・経度、緯度などの位置情報取得のアプリ
「Mapmemo」 (IOSアプリのコンパスでも位置情報は表示されますが、都市単位のようです。その地点の位置情報を表示できるものにしました。)

なお、日本で使用しているスマホをアメリカで使っても(ローミングなどの高額料金問題ないように、前日にT-mobileでプリペイドSIMカードを購入、セットしておきました。

 

3.撮影結果の写真

 

********** TOASTスタッフ **********

喜田さん、ご投稿ありがとうございます。

皆既日食撮影成功おめでとうございます!

事前に昼間の極軸合わせの方法についてご質問をいただいていたので、回答を担当したTOASTスタッフが結果をとても気にしておりました。

喜田さんの作品を見て、そのTOASTスタッフがとなりで小さくガッツポーズしてます(笑)!

喜田さんには、昼間の極軸合わせの方法として今回採用された簡易的なものと、太陽の動きを観察しながら極軸のズレを補正していく方法をご紹介したのですが、第1接触から第4接触まで全ての工程を連続して捉えようとすると、正確な極軸合わせは必須ですが、日食のハイライト部分をスチルやムービーで撮影するだけなら簡易的な方法でも十分実用になります。

ある放送局のクルーは、ビクセンのアトラクスを3000mの山頂に荷揚げしてシネカメラと超望遠ズームレンズの組み合わせで長焦点距離による動画撮影をされているのを見ましたが、極軸合わせは喜田さんと同じ方法(しかも恒星時追尾)でした。それでも2分オーバーのスペクタクルを見事な動画映像として捉えていましたので、極軸合わせにあまりシビアになるよりは、細かな撮影の段取りを正確に淡々と行っていく方が結果的に成功率は高くなるのかもしれませんね。

喜田さんからは、撮影した複数の画像をコンポジットしてひと目で展開がわかる作品もお送りいただきましたが、こうした作品は現場での自分の感動を思い起こさせるものとして、とてもいいですよね~

喜田さん、今度は夜の撮影でも素敵な作品にチャレンジしてみてくださいね!